~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■舌癌29 同じ天井

2016年 年末



舌癌から、口腔低癌へと転移し、

小線源治療を行うも、

再発を宣告されてしまった2016年年末。



年明け早々、本格的な抗癌剤治療からの

舌と、右下顎のほぼ全てを切除する方向で

手術の調整をすることになり、

そのための体力と、鋭気を養う養うための

年末年始休暇を頂いた妻。



表向きはそのような理由ではあったけど、

今後の治療は困難を極めることから、

退院出来るかどうかがわからない。

とも言われており、



退院の目処としては、手術後、

3ヶ月間あたりで癌再発が無い事が確認され、

抗癌剤を短期的な入院(2~3日)で投与し、

通いながら行うことが出来るようになるか、

または、6クールほどのフルドーズを終え、

一旦の経過観察に入り、

自力で食事が出来るようになってからでなければ

退院の目処がつかないため、

非常に長期の療養期間が必要となる。



そのため、年越しくらいは夫婦で、家族で、

一家団欒の時間を過ごしてきて、

という理由の方が、

より強い理由だっただろう事は

容易に想像がついていた。



それでも、私たち家族にとっては

とても大切な時間。

動けなくなってからでは遅い、

今しか出来ない、願いを叶える時間。



2016年12月後半~2017年1月4日までの間、

一時、病気の事は忘れ、

家族の時間を過ごす事が出来ました。






12月23日



妻実家、親族と共に、

妻希望の レインボーパンケーキ へ。



このパンケーキ屋は、

妻のいとこが行ったことがあり、

とってもオススメだから、一緒に行こう!

とお誘いをしてくれた店。



車イスで電車を乗り継ぎ、原宿の裏路地にあるお店へ。

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写真はレインボーパンケーキオフィシャルブログより拝借させて頂きました。



総勢10名?11名?で、

1階の個室を貸切ってパンケーキパーリー(゜▽゜*)



ここは、何といっても

マカダミアナッツパンケーキが最高に美味い!

妻も、ナッツだけどけて(口の中が痛いので(。>д<))

フワッフワ~なパンケーキを嬉しそうに食べていました。



やっぱり不安や、寂しさは、

皆で一緒にいる時間でなければ解消出来ないですね。



で、店の中に謎の黒いサンタクロースモドキが…

写真に残していなかったのか残念ですが。

レインボーな店に似つかわしくない、その黒い姿に

息子がヒビりまくる(笑)



たまにパンケーキやドリンクをサーブしに

個室に入ってくるのですが、

そのたびに、みんなの膝の上を一目散に逃げる息子。

個室の窓からウロウロしている姿を凝視!



👦なにあれ!なにあれ!?(◎-◎;)



あれはね…

今はまだサンタクロースじゃないけど、

これから赤く色が変わってサンタクロースになる前なんだよ…



👦いつ変わるの!?
どうやったら色変わるの!?(@_@;)



クリスマスまでに赤くなるんだよ…

今日はまだ黒いままだよ…



👦こわい…((((;゚Д゚)))))))



このやりとりを見てるだけてもだいぶ和みましたね(笑)

店を出る頃には、息子も黒いサンタは怖くないという事を知り、

店の出入口にあった綿菓子製造機で綿菓子を作らせてもらって

満足して帰ってきました。

妻も、久しぶりにみんなで過ごせた時間に

笑顔が溢れていました(*´ω`*)






12月24日



妻が突然38.6℃の高熱を出した。

気分が悪いとか、だるい、などは無いらしいが、

逆に、原因がわからない高熱は恐い。

とりあえず解熱剤を飲んで安静に。



自分も妻実家に泊まり、

ベッドから息子の様子を見る妻と一緒に

クリスマスパーティを楽しんだ。



ちなみに息子へのプレゼントはトイストーリーのトミカ全種類。

タカラトミー
トイストーリー トミカ
https://www.takaratomy.co.jp/products/tomica/lineup/toystory/index.htm
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写真:タカラトミー



以前ディズニーランドに行った時、

あるショップでトイストーリーのトミカを見つけたが、

実は、バズ・ライトイヤーアストロブラスター近くにある

プラネットM というショップ以外では、

トイストーリー系の品揃えが悪く、

全種類が揃っていない事が殆ど。

代わりに他のトミカはいっぱいありましたが。



たまたま息子が別ショップで見つけた時は、

バズと何かのトミカが無く、

その時は買ってあげる予定でも無かったため、

息子はひたすらバズのトミカを探しながら、

今日は買っていかないよ、と

残念な思いをしながら帰った事があり、

妻がその一部始終を見ていた。

きっと全部欲しいんだろうなーと。

で、このトミカ全種類をクリスマスプレゼントに。



ちなみにプレゼントは、

買いに行く時間も無くなってしまい、

ネットで買って、クリスマス用のラッピングをしてあげました。



まぁ、息子は喜んでいましたが、

6箱もあるプレゼントを開けるのに必死で、

ヾ(@゜▽゜@)ノ わぁーい✨

という反応が薄かったのがちょっと残念f(^_^;

妻はそれをベッドの上から優しく見守ります。






12月25日


息子とディズニーランドへ行く約束をしていたが、

妻、41℃を越える高熱になる。



本人いわく、インフルエンザのような症状はなく、

やはり体調はそんなに悪くないと言う。



だが、原因不明の熱である以上、

理由が不明なまま放置するなんて事は命取りになるため、

救急で主治医の待つ病院へ。



息子と遊びにいけなくなった事を言い、

病院へ出掛けようとすると、

息子は、お母さんにしがみつき、



👦ぎゅーして…(´;ω;`)
早く帰ってきてね…



と言う息子の目には涙が…

息子はそれを誤魔化すために、



👦目やにが出ちゃったよ。
ちょっと、目やにがでちゃったよ。



と、低予算ドラマのセリフのような事を言いながら、

お母さんに背を向ける…



作り物のような陳腐な話だが、事実。

2ヶ月に1~2度くらいしか家に戻ってこれない

病気のお母さんを持つ、まだ5歳の子供の素の姿。

その姿に、その場にいる全員が、

本当にいたたまれない気持ちで押し黙る…



息子は全部わかっている。

息子は本当に我慢している。

3歳の頃から両親と離れて暮らさなければならない辛さは、

妻と息子と離ればなれで暮らさなければならない自分の気持ちと同じだ。



遊んでやれない事も、

笑いながらのんびり過ごす事も、

好きなことをやらせてあげる事も出来ない、

やっと一緒に遊びに行こうと約束した日も、

お母さんが病気で、

すぐに病院に行かないと行かないといけないから、と

嫌がる息子を無理矢理お母さんから引き剥がし、

高熱に息を切らす妻を抱え、

息子に、ごめんごめん、と言い聞かせる。



本当に可哀想で、

申し訳ない気持ちでいっぱいになる。



でも、そうする以外に道は無い。






妻は、病院で簡易検査を受け、

恐らく顎の穴の空いた創部からの

感染を起こしている為の熱だろう、ということ。

抗生物質を投与して、暫く経過観察がひつようです、と。



食事か取れない訳ではないため、

今日は入院とはならず、薬を貰って自宅へ。






12月27日



再度病院で診察。

というか、元々、年末年始に入る前の

最後の診察日になっていたための受診。



再発箇所の経過には、特段の変化は無いため、

予定通り年明け4日から入院、治療開始との診断。

ただし、少しでも変化があれば病院に連絡し、

すぐに治療を受けること、との指示。



昨日貰った抗生物質、解熱剤で

微熱程度まで熱は下がった。

熱による辛さはだいぶ無くなったようだ。



休みを貰って、東京医科歯科大学に診察に行ったり、

息子のプレゼント買いに行ったり、

パンケーキ食べに、久しぶりに電車に乗って

出かけたりしたから疲れたんだよ。

少し体休めてさ、

また12月30日に改めてディズニーランドに行こうよ(*^_^*)



そうみんなで約束して、

30日までは、年末の片付けや、年明け入院の準備など、

それぞれのやるべき事をやりながら静かに過ごします。



この間に、部屋の模様替えや、

仕事と、病院と、妻実家の行き来の毎日で、

とっちらかってしまった家を綺麗にし、

ベッドをフラットにしては寝ることが出来なくなってしまった妻のために、

上半身だけ45度くらいに角度を付けたベッドを準備。

車椅子の置き場も用意し、万全の体制を整えます。






12月30日



妻、息子待望のディズニーランドへ。

熱もさがり、体調も回復し、

朝から夜まで、いつもと変わらないランド1日滞在を楽しむことが出来た。

息子のはしゃぐ姿も見れて、

先日のキャンセル分を取り戻せたと思う。



年明け後は、フルドーズの抗癌剤治療も始まり、

そのまま下顎の大部分の切除手術となる見込みのため、

外出も、ましてやランド、シーへ行けるのも

あと1回か、2回か…

その後は、外出が出来るほどに回復出来た未来にしか

そんな日々は待っていない。



いよいよ、今までのようには過ごせない、

というタイムリミットが迫ってくるのを

肌で感じるようになる。



もう、同じ時を過ごす事が出来ないかもしれない…



聞き慣れた、

ディズニーランド閉園の音楽を聞きながら

車椅子を押して帰路に着く時、

もうこんな楽しい日々を過ごせるのは

最後なんじゃないかという思いを噛み潰して。



だからこそ思う。



来年もまた、必ず同じ時を過ごそう。



2017年も、また家族3人で年越しを迎えよう。



その時さえ迎えていれば、きっと未来は繋がっているはず。






12月31日



妻38歳、自分40歳、息子5歳の大晦日

昨日は、実家へと帰った妻と息子を迎えに行きます。



妻実家で妻を自宅に連れて帰る準備をしながら

年越しそばを頂き、自宅に連れて帰ります。



本当に久しぶりに家族が、元の家に戻った日。

これまでも、1にちくらいの短い滞在や、

妻だけが戻ってきた事は数回ありましたが、

家族3人が揃って、数日過ごせるのは

恐らく1年振りくらいか。



息子も、お父さん、お母さんと、

本当の家で過ごせる事が本当に嬉しいらしく機嫌が良い。

ここには、自分の好きなおもちゃのうち、

妻実家に持っていけないものや、

好きなテレビの録画もある。



そういうものを一切我慢して、

お父さん、お母さんと一緒にいられない妻実家から

保育園の行き来をしている事を考えれば、

自分の場所に戻ってこれるのは嬉しいのは当たり前で、

よくその生活を我慢してくれているなと感心する。



一息ついた後、先に妻だけお風呂に入れる。

顎には、顎下を覆う大きなガーゼをしており、

息子にはその中を見せていない。

あまりにショッキングな状態だからだ。



風呂の後に、顎下のガーゼを取り替える。

創部の状態は最悪に見える。

大きく2つ出来ていたコブのうち、

後から出来た方は、子供の拳大に膨れ、

表面皮膚が破れ、浸出液が常に出てきている。



初めに出来ていたコブは、

今は逆に窪んでいるようにみえ、

その周辺の皮膚は、腐ったように黒ずみ、

膿と剥がれた皮膚がぐちゃぐちゃの状態になっている。



体液と血が混ざったようなものが染みだしているため、

ティッシュで拭き取ってからガーゼを当てるのだが、

普通ならティッシュが触れるだけでも

激しい痛みがありそうなのに、

リンパ隔清手術の影響で、周辺の神経が無いらしく、

また、麻薬系痛み止めの効果もあって、

痛みをあまり感じないらしい。

神経が通っている所との境目付近が一番痛いらしい。



こんな状態でも妻は、

一切病気の事や不安を口にすること無く、

時折来る痛みに耐えながら

家族で居られる時間を大切に過ごしているように見える。



正直に言って、

ここまで悪化してしまった状態を見て、

前向きに…と言われても、そんな気にはとてもなれない。



それでも、妻は今ここにいて、

癌の恐怖、痛みと戦いながらも、

不安も、文句もひとつも言わず、

久しぶりの我が家、家族の時間を噛み締めている。



今は、妻にとって本当に貴重な時間、

2016年を無事年越し、

新しい年を迎えることが出来る特別な日。

たった一度しかないその幸せな時に

後悔なんてしていられない。



また来年も迎えることが出来るようにと、



家族3人、同じ天井を見ながら



1年振りの我が家で眠りにつきます。



来年こそは良い年になるようにと願いながら…

■舌癌28 失いたくないもの。生きる価値は?

2016年12月



これまで、

何度かの再発、転移を乗り越え、

幾度もの治療を行い、

辛い治療、苦しい副作用に耐え、

それでもめげずに、絶対に治して家に帰ることを

目標にして頑張ってきた。



もうこれ以上は体力的にも厳しいな、と

体力、気力の限界の崖っぷちから

半身を乗り出したような状態まで経験して、

それでも、本人の強い意志と、

妻実家の手厚いサポート、

息子の成長を見守るんだという私たち家族の想いを

癌に立ち向かうエネルギーに変えて頑張ってきた。



しかし、

癌は容赦なく妻の体の中で暴れまわり、

今までよりも更に大きな塊となって姿を表す。






再発を宣言された…。






小線源治療後、退院し、副作用に耐え切った後、

ようやく自力で食事し、体に元気が戻ってきた

2016年の秋の頃、

妻は、友人、会社の仲間とコミュニケーションを取り、

お見舞い等や、外出時間を取って友人に会い、

沢山の励ましを貰って、

これからの治療にも全力で頑張るよ!

と、自分を奮い立たせるように伝えてきていた。



毎日、頑張って食事しているところや、

プリンなどを食べているところを写真に撮り、

LINEなどでも元気に報告をしていた。



だが、今回の顎下、口腔低の再発、

右頚部リンパへの転移には、

相当なショックを隠しきれず、

初めてみんなの前で涙を流します…



顎下の創部は目に見える速さで悪化し、

大きく変形し、

膿を出し、

顔もパンパンに腫れ、

見るに耐えない状況になっている。

痛みも増しているという。



この創部は、今後手術でどうにか出来るものなのか、

それとも、手の施しようが無く抗癌剤に頼るも、

効果が薄ければ、口腔内と繋がる穴が空いてしまうのか…



もし治す方向で手術が出来るとしても、

その内容は前回説明の通り、想像を絶する内容。

どちらにしても、

これからは気が気ではない状況になる事を、

本人も、

家族も、

覚悟をしなければならない。



それを受け止めなければならないというプレッシャーだけでも、

気が狂うほどの苦しみを、私自身も感じている。

妻の心境はとても計り知れない。






大丈夫だよ。



という言葉で、

安心させる事が足りていないかもしれない。



そんな話を少し前にしているが、

もし皆さんがこの同じ状況になってきた時、

何の解決方法も、

後ろ盾も、

やれるべき事も無く、

ただ主治医の言うことに従うしか出来ず、

その治療方針も、こう言ってしまっては良くないかもしれないが、

とても治療後に今よりも改善される、辛さを取り除けるものではなく、

今よりも辛さを倍増させるような治療方法しか選択出来なくなっている。

生きるためには必要だと言われればそれまでだが、

生きる意味、生きている価値が感じられなければ、

その治療をする事自体にも価値は見いだせない。



昨今の癌治療で、治療自体の有効性よりも、

QoL(クオリティオブライフ)に重きを置くようになってきたのは、

この辺りの、治療と、生きる価値とを天秤に掛けた結果、

生きる価値が無ければ治療する意味も無い、

という意見が非常に多いという事だろう。



これほどまでの状況を受け止めなければならない

最愛の人に対して、



大丈夫だよ。



と、ただ言うだけで、

本当に心安らかになる、と判断は出来ますか?

それが最善の策だと、その瞬間に判断出来ますか?



癌に対して、

出来る治療が無くなっていく感覚の中では、

大丈夫、などという言葉は

本当に無意味にしか感じられない。



大丈夫、なんて言いながら、

目に見える速さでやせ細り、

動けなくなっていく姿を

ただ優しい目で見ているだけ、など、

溺れている人に手を差し伸べること無く、

ただ笑顔で見ているのと何ら変わりはない。



それが、今まさにもがき苦しんでいる

最愛の人に掛ける最高の言葉になるのか、

私としては疑問でしかない。



それでも、

それでもなお、

その気持ちの中で



大丈夫だよ。



と言ってやれなければ、

ひとりこの世の流れから置いてきぼりにされそうに

なっている人からすれば、



私の事を助けてくれる人は誰もいない…



という孤独、絶望に襲われる。



せめて、それだけでも避けてやりたい、

何とかしてやりたいと思っている、

あなたを孤独にさせない私は、ここにいるよ

という思いで言う



大丈夫だよ。



という言葉には、

深淵よりも深い愛と、悲しみと、優しさ、

その全てが満ちている、

一生のうちで一度きりの言葉だろうと感じます。






2016年12月22日



東京医科歯科大学の診察日。

小線源治療後の口内状態の診察です。



外出の際、車椅子を使うことが増えてきた妻ですが、

この日は自分の足で歩き、Y先生のところへ。



1か月前の検診の時とは大きく変わった妻の病状に、

Y先生もショックを隠しきれない様子。



妻も、舌がうまく動かせず、

喋ると舌が痛くなる事から、

この頃から、あまり多くを喋らなくなってきていた。

しゃべっても、

喉がガラガラと常に痰が絡んでいるような声になってしまう。



口腔内の目視、触診も早々に終えるY先生。



🏥舌には違和感は無く、とても綺麗で柔らかく、

非常に良く治ってきていますよ。



👩やったぁ!٩(ˊᗜˋ*)و♥



という気持ち全開で目を丸く輝かせる妻。

声には出さなくても、

目は声以上にものを言う。



🏥顎の方は…再発してしまいましたか…

そうですか…

ほんっっっとうに治療頑張ったのにね…

できる限りの事はしたんだけど…そうかー…



妻は目をつぶり、こく、と暫く頭を下げた。



👩Y先生、ごめんなさい…



多分、そう言いたかったんだろう。



誰も、何も喋ることが出来ない一瞬。

目頭が熱くなる。

小線源治療を終えて、

いきなり 赤いきつね を食べるやんちゃ振りを見せたのは

つい先日の夏のこと。

たったの3ヶ月で、まさかこんな状態にまでなるとは…



それでも妻は、

以前見せたタブレットの音声読み上げ機能と、

日々撮っている写真とを見せながら、

この1ヶ月、こんな風に頑張ってきたんだよ、

小線源の副作用もようやく落ち着いて、

少しは食べられるようになったんだよ、と

片言の言葉を添えて積極的に話しかけます。



妻は、Y先生の人柄が本当に好きなんだろう。

経過の話は、辛い話もあったが、

終始笑顔で冗談まで言えるほど

会話を楽しんでいたようだ。



🏥妻さん、次の診察は、年明けに予定されている

手術とかもあるから、そういうのも終わって、

元気に顔を出せる時にまた来てください。

いつでも連絡くれたら予約出来ますから。

ね。

治療頑張って、体力つけて、

また元気な姿を見せてください。

待ってますから。



妻は力強く👊を握って、

また来ます!

と先生に伝えます。



とても厳しい状況だが、

また妻をここに連れてきてやりたい。

妻の心配ばかりしている私と話しているより

先生と楽しそうに話している妻をまた見たいから…






東京医科歯科大学を出て帰る途中、

息子のクリスマスプレゼントを調べるために有楽町へ。

少し頑張って歩き、プレゼントを見て回る。

結局ここでは買わなかったが、

せっかく来たついでに、

妻への誕生日プレゼントも何がいいか聞くと、



👩タブレットの新しいのが欲しい!

今使ってるやつ、タッチパネルがおかしくて暴走する。



ということで、少しタブレットを見に行き、

何となく雰囲気を掴んだ頃、

痛み止めを飲むのが普段よりも遅くなり、

疲れも出てしまい、

調子が悪くなってきてしまったため、

早々に撤退し、トイレでオキノームを飲む。



即効性があるため、すぐに痛みはおさまった事で、

今度は食欲が出てきた、という事で

東京国際フォーラム内にある

モンサンミシェルのふわふわオムレツのお店

ラ・メール・プラール 東京へ。

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写真: ラ・メール・プラールサイトより



妻の、1月の誕生日の食事は、

手術の関係で行けそうもないため、

急遽このお店に行くことにした。

ふわふわオムレツならきっと食べられるんじゃないかと。



このオムレツは異次元のフワフワ感で、

まるでケーキのクリームを食べているよう。

メレンゲを大量に混ぜた卵黄の表面を焼いたオムレツなので、

中は生シフォンケーキのような感じ。

噛む必要がなく、

口の中に入れるだけでジュワーっと自然に溶けていくような食感。

これには妻も感動で、すごく食べやすい!と、

まるまる1つを食べ切ってしまった(๑>؂<๑)



私たちは、普段あまり外で食べない代わりに、

こういった感じのフレンチや、イタリアンのお店にたまに行くのが大好きでした。

ディズニーシーのマゼランズ、SSコロンビアダイニング、リストランテ・ディ・カナレット、

ミラコスタのベッラヴィスタラウンジ、
ランドホテルのシャーウッドガーデン、
などは本当によくお世話になりました。

それ以外にも、ごく一部の地域のみで小さな有名店になっている某ホテルで腕を奮ったシェフとソムリエの2人だけで営む隠れ家イタリアン。

軽井沢の名店で、自分たちが行った後に火事で消失してしまったエンボカ。

いまは見事に新店舗復活を果たしたようですね。
外観はガラッと変わってしまって、以前のような木造の良さは無くなってしまいましたが、また行きたいなぁ…

なんだか、安倍総理も予約を断られたとか噂まであるんですね。いずれにしても究極のピザ、チーズ、生ハムが食べられて、

何よりも、他では体験出来ないような、店に入る前から異世界の森に迷い込み、その奥深くにあるたった1軒のレストランというシチュエーションが味わえる、雰囲気も最高のお店でした。紛れも無く名店だと思います。今はどうなんだろうな。



そんな思い出にも想いを馳せながら、

また行こうな、絶対行こうな、美味しいお店。

きっと食べられるようになるよ、

Y先生も言ってたじゃん。

舌は凄くよくなってるって。

癌さえいなくなれば、あれだけ大変だった治療でも、

体はちゃんと再生出来るんだよ。

癌さえいなくなればいい。

そうしたら、また美味しいもの食べられる。



絶対大丈夫だよ…!!






この言葉が自然に言えたのは何ヶ月ぶりだろう…



根拠がなくても、

後ろ盾が無くても、

この先の事に不安しか無くても、



2人で築いてきた結婚してからの日々、

掛け替えの無い思い出、

何事も起きない日常、

沢山食べに行った美味しいもの…



本当に大切なものであれば、

失いたくないものがあれば、

その言葉は自然に出てくるもの。



いつもいつも、治療をどうするか、

次は何を調べればいいのか、と

癌と付き合っている状態だと、



本当に大切なもの、

大切な時間、

無くしたくないもの、

今しか出来ないこと…



そういうものが、自分の手から溢れて行ってしまう。

どんなに治療が辛くても、

どうすればいいかわからない日々が続いても、

命の決断を迫られる時でも、

ほんの一瞬立ち止まり、

本当に大切なものに気持ちを向けてみて欲しい。



たぶんそれは、



最愛の人も思い描いている、



二人だけの本当に大切なもの、



大切な時間、



生きる価値。



それを無くしてしまったら、

どんなに治療の知識を持っても、

どんなに相手の事を考えてあげていても、

今まさに命の危機にある人の

想い、希望、生きる意味…

その気持ちを支えてあげる事が出来ない。



生きる意味を、価値を失ったら、

どんなに最新の治療法があっても、

それは本人にとってなんの意味も成さない。



それに気付き、支えられる唯一の言葉が、



大丈夫。



あまりに毎日が怒涛の如く過ぎ去っていく中にいては、

これに気付くことは相当に難しい。



今、まさに闘病をしている方、

最愛の人の闘病を支えている方、

今一度、想いを寄せる方との失いたくないもの、

大切な時間に目を向けてみて欲しいです。

その大切なものを失いたくない、という気持ちを

もう一度思い出してみて欲しいです。

きっと、言葉が出ない程に辛い思いをしていても、

必ず、もう一度想いを重ね合わせることが出来ると思います。






2016年の年末まであと少し。

妻は、1日、1日、濃密な時間を過ごし、

命を掛けた治療に立ち向かう為の

鋭気と、前向きな気持ちを蓄えていきます。



生きて、また幸せな日々を取り戻すために…

ブログ更新メールが来なくなった?

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11月に入ってから、

はてなブログの購読サイトが更新された時の

メールが来なくなってしまいました(゚Д゚)



アプリは使ってないので、

更新の影響とか無いはずなんですが…



PCも開いている時間は無いので、

基本スマホchromeのみで読み書きしています。



購読ブログの更新メール設定もONになっていましたが、

いったんOFF更新、ON更新してみました。



これで明日朝更新メールが来なかったら

何が原因なんでしょうね?



あと、ずっと気になっていた

カードリンクというのでしょうか?

リンク先サイトのサムネイル表示入りの

リンクの作り方がわからず…



スマホだけで更新していると

出来ない機能なのか、

リンク挿入のボタンなんかが無いんですよね。

画像やTwitterなどの挿入ボタンはあるのですが。



多分PC表示にすれば出るんだろうけど、

普段使いがしにくくなるので、

やりたくないというワガママ。



もしアプリ使わず、

スマホ表示でカードリンクの入れ方ご存知の方

いらっしゃいましたら教えてくださいませ_(-ω-`_)⌒)_



あと、購読メール復活方法とか、

全然関係ない話とか、

なんでも募集中です(笑)

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まってるぜ!

■ADHD13 てんかんの検査と最近の状況

2018年11月現在



最近、息子の様子が安定しません。



前回、

てんかんか、チックか分からないような

目をキョロキョロするような動作がある事をお伝えしていますが、

前回の記事投稿後、直ぐに病院へ相談に行きました。



その動きは、

食事中に頻繁に起き、

普段通りの行動や、食事中に、

突然目を大きく開き、

目玉を左右の限界までキョロキョロと動かしながら、
ゆっくりと背筋をのばし、頭が起き上がっていく。

頭も、ごくゆっくり左右に小さく振るような動きも。



その動きが出ると、

顔周辺の他の動きだけ全て止まってしまうが、

首から下の体の動きは、まだ自分のコントロール

多少は残っている感じ。

時間にして約2~5秒くらいだが、

その後、ハッと気付くように元に戻り、

また1~5秒後くらいに同じ動きを繰り返す。

長い時で、この動きが2分程度は続き、

その間は、連続的にその動きを見せるが、

落ち着いてしまえば、一切その動きは無くなる。



何故か食事を始めた時にだけ頻繁に起き、

それ以外の時は、出たとしてもそこまで酷くは無い。

学校の授業中でも数度、発生を確認しているらしい。






息子のその動きをビデオに撮影し、

先生に見せます。



気になる動きですね。



と、後日、脳波の検査をすることに。





脳波の検査は初めてでした。

他の刺激の影響を受けない為に、

睡眠導入剤のシロップを飲んで、

検査室で眠りについてから検査を行います。



頭に、ガムとクリームの間のような

白いボンド状のものを付けて、

電極を何本も頭皮に貼り付けていきます。

この状態のまま、20分くらいでしたでしょうか。



静かな暗い室内に、

脳波計のロール紙を送る音と、

サラサラと何本もの波形を描いていく音だけが響きます。



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参考画像:てんかんinfo 「やさしいてんかんの本」より



私も、子供の様子が気になるため、

見てますか?

と、先生から促されて室内で待ちましたが、

下手に音も立てられない、電子機器ももちろん使えない、

暗く、暖かく、静か…

まあ眠くなりますが、息子の脳波を見ながら頑張りました。



そこには、

何の反応も無いような、なだらかな波形と、

突然振り切れる程に、四角い芋ようかんのように書かれる波形や、

真っ黒にグシャグシャグシャ!と塗りつぶしたような、激しく上下に振れる波形とが

数秒おきに繰り返し記録されていました。

その間、寝ている息子は微動だにせず、

スヤスヤと寝ています。



明確な結論までは未だに出ていませんが、

一旦の結論としては、

異常な脳波。



細かく見ていくと、

脳全体が激しく興奮しているような状態以外にも、

右脳には一切反応なしで、左脳だけが振り切れる程の反応、という特徴的な波形も度々出ていました。

右脳だけが反応しているという状態は一切無く。



外的要因によらないもののため、

多分、生まれながらにして持っている特性ではないかということですが、

ここ最近で行動にまでその影響が出てきているのは、

何らかの負担や、心の問題、

簡単に言えばストレスが関わっているのではないか、と。



まずは、暫く様子を見てから再検査をするために、

テグレトール (カルバマゼピン) を通常の半量を飲んで

症状が改善するか様子を見ます。



くすりのしおり
テグレトール (カルバマゼピン)
http://www.rad-ar.or.jp/siori/print.cgi?n=43061



この薬を飲み始めたのが9月後半からですが、

てんかんのような症状のピークは

検査前の診察に行った9月頭で、

夏休み直後が最も酷かったように思います。

脳波の検査をした頃には、だいぶ状態も落ち着いていました。



また、夏休み明けから

学校で居眠りをしてしまうことが増えました。

これは薬を飲む前からで、

現在も居眠りは続いています。



薬自体にも当然、てんかん症状を抑える効果や、

副作用として、眠気、倦怠感、やる気が出ない

などの副作用があります。



今現在、

てんかんのような症状はだいぶ軽くなっていますが、

薬を飲む前からその状態になっていたため、

悪くなるのを抑えられているのか、

まったく効果無しなのか、判断がつきません。



眠く、やる気の無い状態が続いているのも、

夏休み後からあった事なので、

薬を飲んでいるから、という断定的な判断は

まだ早いかと思います。

しかし、薬にそういった副作用があることは確かです。

症状が悪化していかない事を確認の上で、

どこかのタイミングで薬を止めてみて、

今の居眠り、やる気無しが少しでも改善するのか確認したいところです。






やる気の無い状態や、

声掛けしても動き出さない状態、

朝起きれない状態が続いているため、

やるべき事がしっかりと出来ない事が多くなった。



やりなさい、時間が無いよ、起きて、

という声掛けが、必然的に増えてしまいます。



言われれば、やはり腹を立てます。

腹を立てれば、また好ましくない行動を取ります。



結局、多動、衝動的な行動から行き着いてしまう結果と、

薬の効果か分かりませんが、行動力が甘くなった事で行き着いてしまう結果は、

同じ所に辿り着きます。

怒り、反発、癇癪。



最近、学校、学童でも、

友達へ酷いことをすることも増え、

以前のような、理解してもらえない事からの承認欲求による暴れは無くなったものの、

ちょっとしたやり取りの中で腹を立て、

相手の首を締めたり、目をパンチしたり、

縄跳びで叩いたり…

怪我をさせてしまった子が息子を怖がり、

学童に行きたがらなくなってしまったという連絡もあって、

まずはお電話での謝罪をさせて頂いたご家庭もあります。



その節は本当に大変申し訳ございませんでした。



縄跳びで叩かれるなんて、

大人でも痛く、怖いのに、

子供であれば尚更です。

こういった事に対しては 

障害児だから

なんていう言い訳は一切ありません。

息子が理解出来る順序、話し方で伝えては行きますが、

最終的には、大カミナリを落とすところまで言い聞かせをして、

二度と同じようなことをしないように!!

と何度も何度も、忘れていかないように伝えていますが、

本人の中で、どういう意識でいるのかまではわからない状況です。

叩いてしまった子が学童に戻ってきたら、

心の底から謝罪して、

二度とそういうことはやらない、という事を

誓ってきなさい!

と伝え、

本人も、自分の口でそれが言えるとこまで理解はさせましたが、

ちゃんとその行動が取れるかどうか分かるのは

もう少し先になりそうです。






薬の副作用かわかりませんが、

思わしくない行動がある事を病院にも相談したら、

11月からはテグレトールは量を減らし、

イーケプラドライシロップ (レベチラセタム) 

を追加処方されました。



くすりのしおり
イーケプラドライシロップ (レベチラセタム) 
http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=37358



今はこの薬を飲みながら様子を見ていますが、

大きな変化は感じられません。

未だにてんかんのような症状は出ます。



学校の方でも色々対処を考えて頂いており、

息子は、体育が楽しみな日は、

それを目標にすごく頑張れているが、

体育が無い日や、

別イベントの練習の為に体育が削られたりすると、

とても調子を崩して、2~3時間は授業に戻れずに

寝てしまったり、

校長室に行ったり、

保健室に行ったりしてしまいます。



そんなことで何時間も授業を受けられないなら、

まだ、毎日体育をやらせて、

気分をスッキリさせたほうが授業に参加出来るんじゃない?

と、本人と先生方が話してくれたようで、

息子も



それがいいヾ(@゜▽゜@)ノ



とアホ面…じゃなくて、満面の笑みで答えていたようで、

これから一日1時間だけ、

いわゆる特別学級の子がやっている

毎日の体育に参加させてもらえる事になりました。

3時間も無駄にするよりは、

まだやる気のある事をやって欲しいですからね…



学校の対応も、

家庭の対応も、

治療方針も、

薬の合う合わないも、



どうすれば良くなる、という答えが無く、

暫くやって良くなるか、様子を見てみましょう。

という時間の掛かる対応ばかりです。



次回、今やっている結果がどういう結果となって

出てくるのか、ちゃんとお伝え出来たらいいですね。

良くても、悪くても、

それで1歩は前進できる事に繋がるのではないかと思います。

■舌癌27 4ヶ月前のプレゼント

2016年11月上旬に、

癌転移のあった左頚部リンパ節の切除をしてから1ヶ月。



癌は、右頚部リンパ節へ更に転移。



また、以前から顎下に

放射線治療の副作用か、癌転移か判断を付けられず、

徐々に赤みを帯び、腫れ、

黒ずみを伴って500円大の大きさまで膨れてしまった

手の付けようが無かった病変部も、

遂には、硬結を伴って赤みが広がり、

膿が溜まっているような新たな膨らみまで

出来てきてしまった。



通常、切除という判断をするのは、

癌を全て取りきり、根治を目指す場合に行う。

一部、苦痛を取り除き、

延命をする為に切除手術を行う事もあるようですが。



今、この時点では

右頚部リンパ節の転移は、悔しいながらも確定してしまったが、

更に、顎の方の状況が悪化してきている事から、

そちらをどう対処するかを決めていかないと

癌を取り除く、という判断が出来るのか、

薬が上手く効くことを願って延命治療に舵を切るのか、

それも決めることが出来ない。



まずは、近日中に治療方針を決めることを前提に、

少しでも癌の進行を食い止めるために

抗癌剤 TS-1 を直ぐに開始します。






2016年12月6日



抗がん剤 TS-1 を開始して約1週間。

今のところ副作用らしい辛さは無いようだが、

口内炎、食欲不振は出てきている感じはするらしい。



副作用よりも、

しっかりと癌にきいてくれているかどうかが重要だが、

副作用の見え方に比べ、

望むべき効果が出ているのかどうかは、

非常に分かりにくい。



体を痛め付けてまで抗がん剤を飲んでいるのだから、

単純な毒薬にはなって欲しくない。



抗癌剤の副作用か、

手術による両リンパ節切除の影響か、

顎の下の腫れ、顔の浮腫みが酷くなってきている…

まぶた、ほっぺた辺りが腫れぼったく膨らみ、

表情が大きく変わってきてしまう。



先日撮影した顎のCT、MRIの画像では、

顎骨には異常は無いようで、

骨と、口腔底の間には、はっきりとした骨膜が確認され、

口腔底に広がる白い雲のようなモヤモヤしたものが

骨膜にくっついている場所は無く、

癌が顎骨に転移しているような所見は無し。



また、

骨自体の映り方にも異常は無く、

顎骨壊死らしき所見も無かった事は、

まだ望みを持てる診断結果だった。



顎の腫れている部分は真っ白の塊のように映り、

癌転移したリンパ節と同じような状態。

多分、癌転移しているんだろうな

と、画像を見た妻も思ったという…



ただ、膿が溜まっていたとしても同じように映るらしく、

主治医としては、まだ画像だけでは判断が出来ないとのこと。



しかし…

このサイズで癌だとしたら、

今までには無かった最悪の大きさだ…

顎の下に張り付くように広がっているが、

1つの球体のように考えれば、

直径3センチくらいの玉が

顎の中に半分埋まって、

半分は外にせり出してきているようになっている。



この顎の内部も、明日、生検をする事になった。



生検の際、膿しか出てこなければ、膿を排出した上で抗生剤を飲んで対処を続ける事になる。

が、もし膿ではなく、癌だった場合、

右下顎を、骨の一部を残して区域切除し、
(当然、切った場所の歯も無くなる)

舌は、高い再発の可能性があり、全切除となる。
もし少しでも残せる可能性があるなら、飲み込む力を残せるように、舌根の一部は残すかもしれない。

そして、大きく欠損することになる顎、口腔底を、有茎皮弁(肩、胸付近の肉を、血管を繋いだまま、切り離さずにねじって持ち上げ、顎の血管と繋いで顎の欠損を埋める)で再建しながらの手術になる、との事だが、

放射線を当てている場所のため切除範囲はどうしても広くなってしまう。

持ち上げる肉が足りない可能性もあり、

その際は、腕や腿から遊離皮弁(血管を含む肉組織を切り取り、手術箇所の肉の不足を補う)まで必要になる可能性もあるとの事だ…



既に体重は40キロを下回っており、

体も痩せてきてしまっている。

補うための肉組織も十分とはいえず、

広く体を切ってしまえば、

それ自体が命取りになる可能性だって十分ある。



いくら医療行為とはいえ、

体を切り刻んで無事に済むわけは無い。

顎を補う為に切られた他の部分を補うものは何も無いのだ。



このような再建手術をされた方の記録を見ると、

癌などの切除箇所よりも、

腕や足の肉を切除した場所の方が遥かに痛く、

暫くは身動きが取れず、

リハビリにも相当に時間が掛かる、

と、よく書かれている。



院内だけは自分の足でまだ歩けているが、

外出時は常に車椅子で、

歩くこと自体が少し大変になってきているため、

そんな大手術になってしまったら、

リハビリなどまったく出来ないのではないか…

寝たきりになって、

全ての生きる力を失っていってしまうのではないか?

という不安と、



それでも、生き残れる僅かな可能性があるなら、絶対にあきらめたりしない!

という妻の強い思いが激しく対峙する。



妻がそう思っているなか、

私から、



もう諦めよう



よく頑張ったよ!
キツい手術はやめてさ、出来る限りの時間を楽しく過ごそうよ。



なんて絶対に言えないのです。






今回の、顎病変部の生検結果次第では、

妻の命に直結する選択を迫られる可能性が高い。



妻は、

一緒にいても、うつむき加減で、

何処か1点を見ていることが多くなった。



みんなで息子の七五三をお祝いした頃のような笑顔、

まだまだ元気そうな姿は、

たった1ヶ月の間にだいぶ変わってしまった…



癌治療を始めた時に目標にした息子の七五三を、

無事に、幸せを噛み締めるように終えた日から、

急速に、

全てに満足をしたかのように…



もうあの笑顔を見ることは出来ないのだろうか…



どうか妻を助けて欲しい…



どうかこれ以上辛い思いはさせないで下さい…



コンビニしかやっていない夜道を

一人歩きながら願いを掛けても、

思いは虚しく夜空に吸い込まれていくだけ。



誰もいない

誰も助けてくれない

最愛の人が、

これからの人生を共に歩いて行く筈の人が、

自分の目の前で、成す術も無く

体を蝕まれ、心を粉砕されていくのを

見ていることしか出来ない気持ちなど、

理解出来る筈も無く、

慰められる人もいない。



人は、本当の不幸を背負った人に

掛けられる言葉を持たない…






妻もまた同じ…



先日の七五三のお宮参りの際、

子供の将来の幸せを願ってご祈祷、

なんてやって貰ったが、

この子の幸せな将来は、母親無くしては叶わない。



母親がいない家庭が幸せではない、と言いたい訳では無い。



しかし、望まず病気になり、

何とかしてそれを乗り越えようとしている、これからが正に母としての幸せ、家族の幸せ、という時に、

我が子を抱きしめてやることも出来ず、

致し方なく子育てを放棄しなければならなくなった母親と、



3歳の頃から母親が家におらず、

父親とも離ればなれの生活となり、

結局は母親を亡くし、母の愛情を知らずに育つ子と、



そういった苦労、不幸が一切無い普通の家庭とでは、

どんなに上手い言い方をしても、

母親がいない家庭よりも、

一家団欒が当たり前にあって、笑顔が絶えない家庭の方が、

あらゆる意味で幸せである事に間違いは無い。



我が子の幸せを願うなら、

まずはその母親が幸せであり、

せめて生きて子育てが出来る環境でなければ、

それが無くなる前提での、我が子の幸せを願う、

なんて話は有り得ない。



私は、七五三のお宮参りのご祈祷のとき、

正にこれを神様に願い、お祈りをした。



この子の幸せのために、

どうか、妻を病気から解放してください。

子供の将来の幸せを叶えるのであれば、

まず必要なのは、妻の命を救うことです!

どうか、本当にご利益があるものなのであれば、

妻の命を救い、この子の未来を明るいものにして下さい…



…… あなたの、神としての力が本物ならば、この不幸、取り去ってみろ!!そうしたら、神の力も信じてやる!それが叶わないなら、私はもう二度と神の力など信じない!!こんなことになる前から、あなたに献身的に貢物を与え続けなければあなたは人を助けようとはしないのか!神は自分を満足させてくれる人しか幸せにしないのか!順番が逆じゃないのか!全ての人を平等に愛し、救うのではないのか!そうではないのなら、あなたは悪魔と何も変わらない!妻を救うことが出来たなら私はあなたの奇跡の力を信じる!



そう願いました。



後で妻にそう報告した際、

笑顔でこう答えました。



👩あはは(笑)
凄いお願いしたね。確かにそうだよね。

でもね、
居ない神にお願いなんてしたって無駄なんだよ。
神様なんて居ない。
あれだけ祈って、何も変わらないなんて、
シカトもいいとこだよね。

神様は居ない。
お願いなんてしたって無駄なんだよ。



(この当時、妻の御両親は毎日早朝6時頃に、欠かさず八幡様へ妻の病気が治るようお祈りに行き、それから1日を過ごす生活をしていました。)



妻の気持ちを表す、突き刺さる一言でした…






2016年12月7日



👩細胞診やってきた。痛いので寝ます…😖💧



ここまでくると、

生検なんて正直どうでもよくなってくる。



誰がどう見ても、切って拡大を食い止めなければ

どうにもならないものだ、と一目で理解出来る。



わざわざ痛いことをしながら時間を無駄にするのではなく、

まだ可能性がある方法があるなら、

今すぐにでも手を打って欲しい、と

ただただ焦りだけが込み上げてくる。






2016年12月8日



👩まだ生検の結果は出ないけど、多分年明けくらいに手術を予定する事になるだろうから、年末はリフレッシュの為に家族で過ごしてきなよ、と看護師さんから言われました。



🧑そっか。1ヶ月くらいなにもしない感じになるのが気になるけど…



👩年末あたりは、病院といえどもやっぱり体制が手薄になるみたい。この病院が、じゃなくて、ほかの病院(がんセンター等)も、別科の体制としても。
そういう時にリスクある手術とか治療とかは、何かあった時に対処出来ないことがあるから、避けるんだって。



🧑こっちはそれどころじゃないって言いたくなるけども、他の病院のバックアップ体制まで何とかせい!とも言えないところなんだよな。



👩早速だけど、土曜日、お母さんと 息子 とDisneySea行ってくる。
で、日曜日のお昼はイクスピアリの今半で、すき焼き食べたい!



🧑食べたいって気持ちはとっても大事!予約しとこう!






2016年12月10日



実家のお母さんに車椅子を押してもらい、

息子と一緒にディズニーシーへ!



自分は残念ながら別の病院通いのため、

今日は一人行動。



息子が、寒い中アイスを食べながら、

更にギョウザドッグを食っている写真が送られてきて笑いました(笑)



妻は、病院にいると、ふさぎこみがちなようで、

ディズニーシーでは息を吹き返したかのように

元気に楽しんできたようです。






12月11日

昨日から外泊で、妻実家に。

お昼からは、妻希望のイクスピアリの今半ですき焼きランチ!

すき焼きなんかより、食べたい!という思いがある妻の気持ちの方が嬉しい。



家族、妻両親でイクスピアリへ。

みんなでディズニーに行くのは11月の息子七五三振りで、

1ヶ月くらいしか経たないが、随分久しぶりに感じる。



今半のすき焼きは、お肉が本当に柔らかく、

今の妻でも小さくちぎって食べられた!



本当に美味しそうに食事をする妻。

こんな姿、ごく稀にしか見ることが出来なくなった。

妻と一緒の時間を過ごしている中で、

最も嬉しい気持ちになる時。

全てを忘れ、笑顔になれる一瞬。



そして、食事中に

妻から唐突に手紙を渡される。



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なんと、ディズニーランド、シーの2パーク年間パスポート!



👩誕生日プレゼントね!
私が行けない分、息子を連れて行ってあげて(*^_^*)
私もまだ4月までは年パス残ってるから、外出でも一緒にいけるね!



この時、私の誕生日の4か月前…

妻は、なぜこのタイミングで年パスをプレゼントしてくれたのか。

今となっては理由もわかります。

でも、当時は嬉しい反面、相当複雑な気持ちに。

泣きながら笑いました。



妻も、私も、暗黙のうちに、

これが最後のプレゼントになるかもしれない…

そう感じていたような気がします。



ランチも終え、そろそろ店も出ようかという時、

先日の顎下の生検をした部分に貼ってあった大きめのガーゼに、

少しの滲出液が滲んでいたのを見て、



🧑えっ、それ…



👩こないだの生検をやってから、膿っぽいのが出るの。



生検で顎下に針を刺した時にも膿は出たらしく、

その傷が塞がらずに、今でも滲出液がでてくるらしい。



東京医科歯科大学のY先生が確か言っていた…

滲出液が出てこないか?と。



生検で針を刺した後の傷が、塞がらないのだ。



癌化した細胞は、正常細胞のように治癒しない。

一度傷が付いたら、最悪、失血死するまでそのままだ。

また、傷を治そうと身体中から集まる栄養をがん細胞に横取りされ、

更に癌細胞の分裂は、傷口に沿って拡大していくと言われている。

だから、癌細胞は、闇雲に傷を付けるような事をしてはならない。



生検自体にリスクがある、というのはこういう事で、

恐らく、妻の顎下では、そういう事が起きている可能性がある。



そこにいた妻の両親、妻本人も気付いていなかったようだが、

この状況は本気でマズイ。



口腔内のえぐれていく潰瘍部分もどんどん穴が広がっているらしく、

本人曰く、喉の奥の、鼻と繋がっている所くらいまで

えぐれた状態が拡大している、との事。

ご飯粒などを飲み込む際に鼻の穴に入りやすいらしい。



壊死?潰瘍?

いずれにしても、えぐれていく穴が拡大していくのは

癌のせい?放射線性壊死のせい?

正確な判断は、先生にもわからない。



いずれにしても、これを切って食い止めるとなれば、

最低でも、喉の奥、鼻腔と喉の繋がっている部分の方まで切除しなければならないが、

それで食い止められるかどうかも定かでは無い。

喉の奥、脳との境目境目辺りまで切除して行くなんて、

そんな状態で生きていく事など出来るのか?

そもそも手術など出来るのか?

今の状況ですら誤嚥性肺炎などになりやすく、

急を要する自体にもなりかねない程だ。



明日は顎下生検の結果報告。

とにかく結果が良く、

妻にとって、みんなにとって、

辛い結果にならない事をただひたすらに祈る。






12月12日



👩生検の結果が出まして…。
再発を宣告されました。

今後の予定
・12/14(水) 外出許可にて勤務先(人事部で休職説明)へ
・今週末、一時退院
・1/4(水) 入院
・本格的に抗がん剤治療

今日だけ少し泣かせて下さい。
明日からまた笑えるように…

抗がん剤治療で病巣部を小さくしてから手術になります。今度の手術はかなり大掛かりなものになります。






顎下部の生検結果は悪い結果だった…

やはり、癌が見つかった。

再発か、残存か、恐らく残存の可能性が高いだろう。



1つの望みとしては、

今のところ骨や骨膜は綺麗に見えるため、

骨は残せる可能性がまだあるらしい。



ただ、癌は広範囲に広がっていること、

右頚部のリンパにも、以前見つかった癌転移があること、

舌にも怪しい影が見え始めている事…



ここまで再発、転移を繰り返している事を考えれば、

全身への遠隔転移をしていてもおかしくない。

しかし、最も遠隔転移の可能性が高いと言われる

肺には怪しい兆候は見られない。



これらを考えると、

手の施しようがない、という状況ではなく、

身体中に散って、まだ集積していない癌を叩きながら、

顎、頸部の手術で、まだ治療の可能性がある。



体力、気力が必要になる治療になる。



年末は、家族で過ごし、

頑張る力を蓄えてきて欲しい。



年明けから、

TS-1で癌細胞分裂のタイミングをコントロールしながら、

プラチナ系抗癌剤のネダプラチンで癌を叩き、

集積部が少しでも縮小するのを確認してから手術をする。



この先は長い治療、入院が予想される。

抗癌剤をフルドーズで行えば、

暫くの間、免疫力も無くなる期間があり、

外出も思うようには出来なくなる。



手術は、

舌の半分、口腔底の赤く変色した範囲、頬の方までを切除し、

出来れば骨は残し、

右脇肉を使った有茎皮弁で再建。

右足付け根の肉で脇を塞ぎ、

右頚部のリンパは単純に切除する計画だが、

いきなりは手術出来ない。



今までの経過、今の状況から判断して、

癌が散らばっている可能性が高く、

切除部分全てが癌化して、

傷が閉じることも出来ずに命を落としてしまう。



そうならない確率を少しでも上げるためには、

抗癌剤を使い、

癌に確実に効いている、縮小している事を確認する事で、

飛び散った癌にもその効果が出ていると判断し、

ようやく手術出来るかどうかが決まる。



まずは今のTS-1を年末まで3週間で終え、

年を跨いだ2週間の休薬期間を経て、

1月4日からネダプラチンを2週間。



更に2週間の休薬期間を経て状況確認後、

抗癌剤をもう1クールか、

手術をするかを選択する事になる。

早ければ2月上旬に手術の予定。



まだ若いから検討できる計画です。

それなりのお年の方や、体力を失った人には、

緩和ケア、延命治療をお勧めする状況です。

ですが、

私の診ている舌癌の患者さんで、80代の方がいるのですが、

これとほぼ同じ治療を行い、

1年くらい頑張って、自力でお煎餅を食べられるくらいまで回復されている方もいます。

体力さえあれば、まだ望みはあります。

お子さんだっていますし、まだまだこれからじゃないですか。

少し大変な治療になるとは思いますが、

がんばってやっていきましょう。



生検の結果報告の際に、

主治医のH先生から告げられたのは、

このような内容だった。






12月14日

妻、会社へ行き、

治療の経過と、これからの方針を伝えに行く。

癌再発が見つかり治療が長期化、

その治療のための長期休暇を取得するためだ。



🧑いっぱい励まして貰って、いっぱいパワーを貰えたかな?



👩会社のみんなに会えて嬉しかった!💖
かつての部長もわざわざ会いに来てくれたし!



🧑みんなの想いを背負って、夢を叶えよう。大きな大きな夢。
仕事に戻れるかどうかはわからないけど、
これは 妻 にしか出来ない壮大なプロジェクト。
癌を克服して、また会社のみんなに笑顔を見せる!
みんな、最高の笑顔で迎えてくれるよきっと!
絶対成功させよう!






12月16日

抗がん剤の経過も悪くはなく、一時退院可能となった。



抗がん剤は12月20日まで継続し、

1月3日までは休薬期間となるため、

そこを自宅で過ごせるようにすれば、

負担も少なく、

年末年始を家族で過ごすことが出来る。



手術後の治癒期間でも無く、

放射線の副作用期間でも無く、

抗癌剤も落ち着いてくる休薬期間。



2016年 年末

この年の年末年始は、

家族にとって忘れる事は出来ない

大切な1年の締め括りとなりました…。

■舌癌26 覚悟

2016年11月24日



前回お伝えしている、

左頚部リンパ節切除手術から15日が経過した

冬の匂いを感じる寒い日。



この日、例年よりもだいぶ早く

東京に雪が降りました。






いつもなら、

毎年スノーボードに行っている妻と

_|\○_  ε== \_○ノ   ヒャッフー!!

と小躍りして喜んでいる筈ですが、

この時はそれも叶わず…



しかし、LINEの画面に

雪がはらはらと降ってきたのを見て、

少し嬉しいような、

少し悲しいような、

来年は、一緒に雪見れるかな…

見れるよね?

きっと、旅行にも行けるよね?

という気持ちで、

2人違う場所で、

同じLINE画面を見ていた事を思い出します。






🧑寒くなってきたけど、痛みとかはどう?
痛み止めの薬とかは以前と変わらず?



👩今はこんな感じだよ。

オキシコンチン
  6:00 20mg
 14:00 20mg
 22:00 80mg
オキノーム散
 4時間半空けて 60mg



🧑オキノームは1時間空けて飲んでもいい10mmだったよね?痛みは小線源の頃に比べれば落ち着いてるって言ってたけと、前より薬増えてるよね…






言わずも、

そうだよな… 

と感じる病気の進行状況。

きっと、今の痛みに対しては、この薬のバランスが一番疼痛を感じにくい処方なのでしょう。






🧑前、オキシコンチン飲んでた時は吐き気があったけど、今は大丈夫なんだ?



👩今は吐き気ぜんせんないねぇ。






医療用麻薬は、

体が馴れないうちと、使いすぎている時には、

吐き気や強い眠気に襲われるが、

痛みと拮抗している時と、必要量であれば、

副作用が殆ど無いと、緩和ケアの先生から聞きました。

しくみや、原理はわかりませんが。






主治医のH先生による、

左頚部リンパ節切除手術の術後報告。



リンパ組織で取った部分は5個。

うち、画像で見えていた1つと、
もうひとつ見つかった固い部分から、
転移で間違いない結果。

他の取った所からはガンは見つからず、
炎症後の組織みたいなものがあっただけだった。

2つの転移のうち、1つは節外浸潤していて、
周囲の組織に少し染み出していた。
これがどこまで広がっていたのかは判断出来ず。

その周囲組織も含めて切除しているので、
悪いものは取りきっているという判断ではありますが、
このケースの場合、術後放射線治療が必須です。

しかし、以前の右頚部リンパ節切除の際にも
放射線治療を行っており、

小線源治療も行っているため、
もう放射線は掛けられないという判断に。

少しでも再発の可能性、
進行を遅らせる、という効果を狙って、
抗癌剤治療を、まずは1年継続して
様子を見ましょう、という事に。

取り急ぎ開始出来る抗癌剤
まずは TS-1 を明日 11月25日から開始。

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今回は東京医科歯科大学病院のように粉タイプではなく
錠剤しかないとのこと。

錠剤は飲みにくく、舌の底の穴に落ちやすいため、
出来れば避けたかったのですが、
気を付けて飲むしかないと…

12月始めまで入院で経過を見て、
強い副作用が出なければ、
外来で検査を続けながらの治療を計画。

抗癌剤の種類も、経過を見て強いものを使うかどうか
この間に治療計画を検討。

抗癌剤の副作用が辛い場合は
入院管理はすぐ出来る体制を整えていきます。



まずはここまでが、今の治療に対する方針。



私は、

東京医科歯科大学のY先生からも言われていた顎の組織変異について、早いうちに手を打たなくていいのか先生へ確認します。



顎下の状態は、H先生の判断としては
悪くなっていく感じでは無いように見えていた、
というのが少し前の判断でしたが、

現在としては回復傾向ではなく、
前方へと拡大している事から、
近日中にMRI検査を受けることに。

ただ、結果がどのようなものだとしても、
顎に穴が開き、口腔低と顎下とが貫通する前兆との見方。

本人が顎骨の激痛を訴えなければ
顎骨壊死が原因で起きている可能性は低く、
このあたりは、MRIの検査で判断がつくでしょう。

もし病変部の中から癌が見つからず、
炎症組織、膿が出るだけなら
膿をよく洗い、清潔にして、
治癒を促す治療を続けるしかない。

癌が出てしまうようであれば、
やはり顎を広く切除か、
抗癌剤治療とするか…

再発無く癌が落ち着けば、
再建手術も検討出来るため、
まずは今出来ることから始めて行きましょう、と。



H先生の術後報告は以上。






癌の転移、進行が止まらない。

切っても、叩いても、
1~2ヶ月で他の場所に姿を表す。

今回のリンパ節切除でも、
転移の可能性が高まる節外浸潤が。

癌を囲い、全てを切り取れていなければ

たった1粒でも残っていれば、

また確実に癌は姿を表し、体を蝕む。



顎の病変部も、

正直に言って、
素人目に見てもただごとではない状態なのはたいぶ以前から感じていたこと。

ここ数日で、今までの病変部よりも前方の、
顎の先の方まで赤く、皮膚が固くなり始めている。

500円玉大になった病変部の更に隣には、
またビー玉程の新しい膨らみまで出てきている。

非常に深い放射線被爆の影響により迂闊に手が出せない。

出すなら顎もろとも切るしかない。
という状況なのは理解していたが、

何も手が出せずに拡大していく病変部を見ているのは、

何か出来ることはないのか!

と声を荒らげたくもなる。



実際、この件についてH先生に
何か出来ることは無いか、と何度も話を聞きに行き、
少し煙たがられた感じもありました。

何も出来ない事のもどかしさは、
私だけではなく、
先生もきっと感じていたのだと思います。






しかし、

不安な事はこれだけでは終わりませんでした。



その後、病室で妻と話をしたり、

マッサージをしている中で、

右頚部耳後ろあたりの異変に気付きます。



丸く硬結した、小さな膨らみが2つ。



つい先日、
左頚部から摘出した、がん転移したリンパ節と同じ感じのものだ。



これは、先生は知っているのか妻に確認すると、



まだ言ってない と。



ついさっきまで、
術後経過の説明に先生と話をしていましたが、
妻は、黙っていました。



4日程前から、肩凝りみたいな感じがしていて、
触っている間に大きくなってきた。
多分先生も気付いていないはず。

という…






この瞬間に、



凄く沢山の事を、



瞬時に悟りました。






あれだけ 絶対治るんだ! と

意気込んでいた妻が。



込み上げてくる想いに耐え、

ただ寄り添うしか出来なかった私に、

妻から声を掛けてきます。






👩今日はもう疲れたから寝るね。
家に帰ってゆっくり休んで。
一緒に報告聞いてくれてありがとうね。






私は、涙を噛み締めながら家に帰りました。






最後の大治療のつもりで望んだ小線源治療。

あの過酷な1週間と、壮絶な副作用に襲われた日々は、

恐らく人の体が耐えることの出来る

限界ギリギリの苦痛だったと思います。



それさえ乗り越えれば、

抗癌剤など薬物治療はあるとしても、

癌を切る手術、放射線などは、

もう受ける必要が無い筈なんだ!



そういう思いで治療に望み、

また今回も治療から2ヶ月で

癌が暴れまわり、姿を見せる。



まだ、しこりや、顎の病変部の

検査結果は出ていないが、

本人にしてみれば、

調べなくたって、こんなの間違いないよ…

そう言いたくなるだろう。



先生に言えば、また痛みを伴う検査もされる。

このペースで、次から次へと事が起きれば、

誰だって嫌になるし、

心も折れる。



そして、その折れた心と体を無理矢理引きずりまわして

更に辛い治療を強要される。



やらなければ、もっと激しい苦痛が待っているから…






11月25日



どこからの感染か、妻が院内で

急性胃腸炎になってしまった。



夜、嘔吐、下痢を繰り返し、

血圧も70まで下がるような状態となり、

相当に辛かっただろう…



抗がん剤なども出来る状態ではないため、

3日程安静に。






11月28日



急性胃腸炎から3日。



👩さっき個室隔離から解放されて、元いた部屋に戻って来ました✌
お昼ご飯も半分くらい食べられて、点滴も取れました🎵
夕方は3日ぶりのシャワーだー!😆💕

腸炎になって、さすがに私もちょっとふさぎ込んでた。
でも、みんなとLINEしたりメールしたりしてたら元気が出てきた!






11月29日



👩今朝体重はかったら、また30kg台に逆戻り…😖💧
やっと40kgになったばっかりなのに!
先日の胃腸炎で3日ばかし絶食したからなぁ。
今も、食欲はあるけどいっぱい食べられないし。



右頚部のしこりを生検した。

3つも大きくなっていた。

3箇所とも針を刺し、中の組織を吸引する。

また痛い思いをして…



このしこりが癌じゃないということは無いだろう。

もう、顎周辺を中心に、

両リンパ、もしかしたら全身まで癌が行き渡っていると考えてもおかしくない。



妻の体の中で癌が暴れまくっている…

そう思うと、もう悔しくて、辛くて、

言葉にならない(ノ_<。)






11月30日



👩今日から朝晩、1年計画で、抗がん剤が始まりました!

2週間飲んで1週間休薬、が1クール。

抗がん剤(Ts-1)飲むときは「消えろ~」と呪文のように、祈りながら飲んでます💖






12月1日



外出届けを出して、息子の待つ実家へ。






👩今日は息子5歳の誕生日🎉

ジィジとバァバにサーティワンのアイスケーキでお祝いしてもらってます💖

そしてそのアイスケーキをひとりで食ってます(笑)

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👩私、去年の息子の誕生日に入院してた💧
まさかの2年連続、誕生日入院になるとは。

来年こそは一緒に祝ってあげるぞっ🎵





息子が3歳の夏から入退院を繰り返し、既に1年半。

子供からしてみれば、ちょうど記憶が残る頃から

お母さんが一緒にいない。



でも息子は、元気だった頃に

沢山ディズニーに連れていってくれたお母さんを

よく覚えている。



いつもお母さんが、

ディズニーでどうやって楽しんでいたか、

どんな事をしていたか、

ボクをどうやって乗り物に乗せてくれていたか、

そこに行くと、

興奮したように沢山の言葉で教えてくれる。



でも今は、度々病院に連れていかれては、

やせ細り、聞き取りにくい言葉で話しかけてくる

点滴に繋がれたお母さん。



子供の目にはどう見えて、

どう感じているんだろうか…






12月5日



👩今日はウォルトディズニーの誕生日。

そして1年前の今日、
病理検査の結果「ガン」と宣告された日です。

あれからもう1年かぁ~。
時が経つのは早いものです…。






正式な結果ではないが、

H先生から、先日の右耳下頚部の生検で

癌が出たことを知らされました。

詳しく検査中で、今後の治療方針も含め、

詳細報告は後日との事。



癌患者にとって、

再発の知らせほど嫌なものはありません。

ようやく這い上がってきた落とし穴に、

もう一度蹴り落とされるような感覚を覚えます。






🧑やっぱり、そうだよな…右頚部。くそっ…
もしそうだとして、取り除く事出来るものなの?
前に1度大きく切っている所だし、
放射線も強く掛かってるし、
切れなかったら、取れなかったら…





もう、諦めるしかないの!?

という言葉を思わず言いそうになり、飲み込みます。






🧑厳しいなぁ…厳しいなぁ…(ノ_<。)
俺は 妻 の気持ちに寄り添うよ。
何があっても 妻 のための選択、判断をする。
ずっと寄り添うから…



👩また気持ちが後ろ向きになってるよ!
しっかり前を向いて!



🧑全部受け止めるよ、ちゃんと前を向いて全部受け止める。でも、俺は 妻 のために今、何もしてやれていない…見てることしか出来てないじゃないか…



👩そんなことないよ?
いてくれるだけでいいんだもん💕
治すのはお医者さん、
応援とお祈りは家族&友達、
本人はお祈りだけ。
本人、いちばんラクじゃん(笑)



🧑治ることを信じると言うことが、なにもしないで待ってると言うことと同じになっちゃってるんだよ(ノ_<。)
本人一番楽なんて、そんなこと絶対ないよ!!

でも、少し 妻 の気持ちわかった気がする。
何があってもその気持ち、曲げることは無いのな。
本当に 妻 は凄いと思う。
でもその決意が悲しくて、涙が止まらない…(ノ_<。)



👩ありがとう

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🧑そうか、いつの間にその気持ちを語ってたんだろうな…今まで気づいてなかったよ…
もう、俺に出来ることは先生を信じて、見守ることしか出来ない。
ただ、 妻 から寄り添ってきたとき、俺が必要になったとき、その時はどんな願いも叶えてやる!

一度しかない人生、自分で選び、前向きに進もう!



👩自分で選択した道がいちばん!



🧑ただひとつ、お願いがあるんだ。

俺は、残された時間、
俺たち二人の一生の総てを、
全部 妻 と話をしたい!!
気持ちをひとつにしたい!!
これまでのこと
これからのこと
妻 が考えていること
時間があるかぎり、全部話しよう!!



👩うん!そうしよう!!






妻 はもう全てを受け入れ、覚悟を決めていた。

今まで選んできた選択総てに後悔は無く、

何があっても前を向いて歩こうと。



私は 妻 の全てを支え、寄り添い、

一緒に前を向いて歩いていく。

もう後ろを見る事は出来ない…。

■ADHD12 障害と共に生きなければならない家庭への理解

今回は息子と、自分を取り巻く環境についてお話したいと思います。






1年生2学期が始まり、

一応大きな変化は無く、今まで通り過ごし、

学校にも学童にも通えています。



ですが、決して毎日何事もなく、

平穏になんて過ごせていません٩( 'ω' )و



毎日毎日、

よくもまぁこれだけやり続けてくれるな…

という問題行動の連続。



学校、学童では

殴る、噛む、寝転がってダダをこねる、

注意されれば反抗し、怒りをまき散らし、

遊ぼうと誘われれば遊ばず、嫌だと跳ね除け、

それを受けた友達が、礼儀正しく

じゃあ今は遊ばないね。

と断りを入れてから離れようとすると、

"遊ばない" という言葉のネガティブな意味だけを

狙ったようにすくい上げ、その子に食って掛かり、

嫌がらせ、泣くまで羽交い締めにしたりして、

それを止めに来た先生には顔面パンチ。



この前なんて、先生の腕を思い切り噛んで、

前歯が一瞬でグラグラになり、

翌日には抜けてしまいました(汗)



本人は、帰ってきてから少し(´・ω・`)ションボリ

噛むんじゃなかった…

と落ち込んでいたのですが、

不覚にも笑ってしまいました(笑)






毎日続く、やってはいけないことの連続。

どんなにしつけ、諭し、言い聞かせ、叱りつけても。

2時間くらい掛けて、ようやく嫌がらせをしてしまった相手に謝ることが出来ても。

何が悪かったのか本人は分かったと言っていても。

それでもなお、

数時間後、翌日には同じことを繰り返します。



とはいえ、

1日の間に1~2回、

1回あたり1~2時間でこのような行動はピタリと収まり、

何事も無かったかのようにみんなを誘って、

きゃあきゃあ騒ぎながら一緒に遊び出す。



二重人格?

まさかね(笑)



みんなもどう付き合えばいいのか

怖かったり、楽しかったり、

困ってるのではないかと想像します。



トラブルに繋がる最たるパターンは、

自分では悪い事と思ってなかった事を指摘されたり、

守るべきルールだと思っていることを誰かが守らなかったりした時に、

瞬間的に手が出てしまい、

手が出た瞬間に怒られる側になってしまうので、

さらに指摘されて怒りだし…

というやりとりが最も多いようです。

そもそも我を通そうとするのが強いため、

トラブルの切っ掛けは

息子が作ってしまっている事も多いです。



自宅で私と一緒にいる時は、

学校とは環境も異なり、

同学年の子や、沢山の人は居ないし、

遊ぶものもある、逃げ道もある、

私も息子の気持ちを理解する事は出来てしまうため、

学校で起きるような問題は起きませんが、

自宅ならではの事で問題は起き、

その度に 躾 という名の激しいやり取りが始まります。



家でも、

学校でも、

学童でも、

友達とも、

これ以上の問題を起こさない為に。

大きくなっても続けていたら

警察沙汰になってしまうような行動の

芽を摘むために。



そして、

一筋の光り射す未来に向かって行けるよう、

ゆくゆくは、苦労しながらも

しっかりと自立した生活を送って行けるよう、

成長を促すために。



どんなに大変でも、

それをやり遂げなければ、

どこかで途方もない壁にぶち当たる。

親子ともども生活が立ち行かなくなる。

大きな犯罪を犯してしまえば、

親もろとも生活は一変する。

下手をすれば一家心中すらチラついてしまう人も

少なくは無いでしょう。

将来、手が付けられなくなった子供に、

包丁で刺されるかもしれない。

犯罪者を育て上げてしまうかもしれない。

そんなことになれば、

本人も大変な事になりますし、

親も社会的に大変辛い立場に置かれ、

今まで通りの生活は出来なくなるでしょう。



障害にも色々なパターンがあり、

それぞれの困り事が沢山あるとは思いますが、

特にADHDは、こじらせれば将来

犯罪者予備軍

とも言われており、

ADHDを抱えた子と親は、

「この子を犯罪者にしてはならない」

「他人様に迷惑、危害を加えるような人間にしてはならない」

「カッとなってやった。なんて事が起きないようにしないといけない」

それくらいの覚悟で、

それくらいの気負いで、

毎日の生活、躾をしていることも珍しくは無いと思います。






今、うちの息子も、

日々の生活習慣で出来るようになって欲しい事への理解、

意識付けが思うように進まず、

成長の度合いとしては、多分4~5歳児くらいの状態。

いや、今から1年以内に出来るようにならないなら、

3歳児でもまだ足りないくらい。



わかりやすい例えで言えば、おねしょ。

今でもおねしょは当然で、毎日オムツです。



障害、夜尿症、そもそも改善しようという気持ち無し、

と、いくつもの要素が重なっておねしょに繋がっていると思われますので、

夜尿症治療なんて選択肢も簡単には選択出来ません。



たまに買い物の時 お留守番してるー! と

家で遊びたいアピールする事があるのですが、

ある時は、その間にオムツを自分で出してきて、

パンツからオムツに履き替え、

その中にオシッコをして、

オムツをテレビの後ろに捨ててありました。



よくネットとかでもおねしょの悩み相談をしている

ママさんなどを見かけますが、



小学生にもなってオムツが外れない!

どんなに濡れて気持ち悪い筈なのに起きない!

もうどうしたらいいか分かりません!



なんて、気が気じゃない様子の方を見かけますが、

障害を抱えた子を育てる苦労なんて、

そんな程度の話じゃないですよ。

まずそこがスタート地点くらいですね。



しかも、

他にも、年齢相応に出来ない事がいくつもありますので、

同じレベルの悩み、出来るようにならないこと、

出来るくせにやろうとしないこと…

どうすればいいのかわからない!

と叫びたくなるような事が5つも6つもある!

って状況になります。



オシッコだって、寝てる時だけじゃないですから。

どんなにトイレを促しても行かず、

普通に拳大くらいのお漏らしを

日中2回くらいはやってます。

毎日です。



今年の夏、小1の夏休み頃から

ようやく昼間のお漏らしは減りましたが、

それまでは、毎日毎日

時間がない中、夕飯を準備している途中で、



トイレ行きなさいよー!

今ならまだ漏れてないよー!

トイレ行ってからまた遊んでなー!



と、間に合うタイミングで伝えても、



大丈夫!!



と頑なに拒否し続け、

結局漏らし、怒られ、

バツが悪そうにトイレに行き、

そして私は、

オシッコまみれのズボンとパンツを洗い、

ご飯の時間が遅れ、

気分を悪くした息子は、全ての行動を素直にはやってくれなくなり、

宿題が遅れ、

寝る時間が遅れ、

朝起きれず、

朝から声を荒げなければコントロールが効かず、

もう遅れる!という時間にも関わらず、

テレビを見ながらご飯食べる!

と聞かず、

やらせてみれば一向にご飯はたべず、

時間が間に合わない事を理解させた上で

テレビを消しても怒って泣き始め、

やはりご飯は食べず、

食べないなら片付ける!となれば、

食べるー!(泣)

と癇癪を起こす。



こういった無限ループに入らないようにするために、

学校から帰れば宿題を促し、

食事を促し、

寝る時間を早くし、

朝も、テレビを見ないよう誘導し、

とにかく、気が逸れないようにする事が

普通の日常を送る唯一の方法なのですが、

そんな簡単に済む筈も無く。



夜はまだ寝る時間が多少前後するだけなので

切羽詰まる事は無いのですが、

朝の時間が無い中で起きるテレビ見たい攻撃は

本当に対処が大変です。

なんで毎日毎日言い合いをしなければならないのか。

我慢が出来ないと言うより、

我慢するかどうかを考える前に、

まず、見たい!

と言ってくる感じですね。

そして、引かない。



何とかそれを回避して

テレビ無しで食事を始めれば

ちゃんとご飯を食べてくれるかと思いきや、

今度は、空想の中に集中してしまうようで、

ぼんやりする時間が増え、

上の空で食事が進みません。



それを更にコントロールしようと、

声を掛け続けて、意識をこちらに向かせ続けたら、

今度は チック症 のような症状が出はじめてしまい、

目を見開き、顔を振りながらものをみたり、

目を左右にキョロキョロさせて視点が定まらず、

2秒後くらいにハッと気付いたように

普段の行動に戻ります。



チックっぽい症状は、ここ最近の話ではありますが、

制御制御を繰り返した結果は、

子供の強いストレスへと発展し、

更に望まない状態への入口が見えてきてしまいます。



これが本当にチック症かどうかは分かっていませんが、

チック症の治療法は医師により見解も異なるようで、

現在でも確立された方法が無いようですが、

現状としてはよく経過を観察する事に集中しています。



以下は参考文献として。



NPO法人日本トゥレット協会
「チックをする子にはわけがある」
https://blog.goo.ne.jp/cuckoo-cuckoo2/e/35896962e6efd621a96086c3deb2df73



てんかん の症状にも近いものがあり、

てんかんも、ADHDも、

初期の治療に使われる漢方薬は非常に近いものがあり、

代表的なものでは、

抑肝散

甘麦大棗湯

など、神経の興奮状態を鎮める効果のある漢方薬

よく使われるようです。

うちでも、甘麦大棗湯を飲ませています。



チックも、ADHDと深い関係のある症状と言われており、

チックよりも重い症状であるトゥレット症になってしまった人の、

50~80%の人がADHDを併発しているという統計もあります。

うちでも、見過ごすことが無いよう

早めに主治医に相談をしていこうと思います。






結局、どんなに手を尽くしても、

やって欲しいことだけに集中したり、

守るべき事を常に意識し続けるといった行動は

相当に難しいようで、

(やろうとしても難しいのではなく、脳機能的に、そのような意識した状態、注意した状態にならない。)

集中して欲しい事以外の事に

必ず集中力が持っていかれる感じに見えます。



結果、

なにをやっても望んだ成果が出ないストレスは、

今度は保護者に全て降り掛かってくるんですね。






多くの、障害を抱える子の親御さんは、

こういう事に毎日のように対処し、

最悪の事態にはならない回避策を探し続け、

どんなに言っても、躾ても

容易には出来るようにならない子供と折り合いをつけ、

ギリギリ吊り橋から落っこちない生活を

毎日毎日続けている方ばかりだと思います。



その対処の仕方には、

通常の躾や、約束とは違う、

最悪の事態に吸い込まれていかない言い方、

やり方があり、

それが、一般的な躾、言い聞かせとは違うため、



なんで?

こうすればいいんじゃない?

ここはズバッと言わなきゃダメよ!

親の対応に問題があるんじゃないか?

そんなキツイ言い方したら言うこと聞かないよ。

なんで黙って見てるの?

結局甘やかしてるのよね。



という見方をされがちなんだと思います。



こういう言われ方、見方をされるのは

本当にキツイです。



オネショなんて、

気持ち悪ければ自然になおるよ。

オムツ取ったら、1年くらいはオネショされるよ。

うちはそれをやってきたから、オムツ取れたんだよ。



なんて言われたりしますが、

実際は、オネショがなおる時は

オムツにもオシッコをしなくなる筈なんです。

(これは沢山の経験を積まれてきた年配者さんの意見ですが。)



そもそも、オシッコで濡れていること自体を

きもちわるい、という感覚自体が無いと思います。

濡れても寝てるのが普通なんです。

やっちゃった…なんて気持ちにならないんです。



怒られたら、 おこられた… 

という気持ちにはなると思いますし、

気持ち悪いでしょ!?

と聞けば、 きもちわるい…

と言うでしょう。

でも、それは親の言葉、プレッシャーに

反応しているだけであって、

きっと本人の意思では無いでしょう。



そして、あまりに小言を言い続ければ、

一方時に心を閉ざし、

だまって、嘘をついて行動するようになったり。



実際、うちでは親に黙ってオムツを使って、

部屋の中に隠す、という行動は出始めていますからね。



こんな生活が毎日続いていても、

私なんかは、

平常な毎日を送っていますよヾ(@゜▽゜@)ノ

と言うわけです。

裏では、やるべきことをやりながら、

これだけの躾、言い聞かせをしながら。






やっぱり、

理解して欲しい

という気持ちはあります。



でも、受手側としても、

大変なのは分かるけど、

じゃあ、どう接すればいいの?

という気持ちもあると思います。



以前、NHK発達障害特集で、

障害を持つ子のお母さんが、



理解して、心を開いてくれればいいんです。

何かをやってくれなくていいんです。

手伝ったり、助けたりなんて、絶対に出来ませんから。



と言っていましたが、

まさにこれだな、と私も思います。



変に寄り添おうとしたり、

同調しようとしたり、

あなたの為に何かしてあげたい!



なんて思わなくていいんです。



可哀想、

大変だね、



なんて、

同情して欲しいなんて誰も思ってないと思います。



同調しないと、

馴れ合わないと友人になれないような人には

理解が難しいかもしれませんが、

普通に、距離を保った良い関係で、

一方的に拒絶しないでいてくれたら

それでいいんです。



最近調子どう?

相変わらず?

何とかやれてるみたいじゃん(笑)



そういう事がただ言い合えるような関係で、

障害に対しての理解だけ心を開いて頂けたら

それでいいんです。



そして、

障害を持った子をちゃんとした大人に育てるために、他の人の何倍も時間も労力も掛かっていること。

普通とは違った対応をしなければならない事もあること。

みんなに迷惑を掛けてしまう事がとにかく多いため、こちらから御遠慮させて頂いたほうが、皆様が気持ちよくいられるだろう、と思うことも多いこと。



本当は、みんなと同じようにしたいし、

息子も、みんなと同じように遊んだり、勉強出来るようになって欲しい。

でも、訓練や、日々の繰り返しで行動が改善される訳でも無く、

脳が適切に育つまで、道を外れないようにじっくりと待つしかない。

そんなもどかしい思いを常に感じながら、

毎日を過ごしている事を、ご理解だけ頂きたいのです。



なにか、こちらから一方的に要求ばかりしているような言葉にも聞こえるかもしれませんが、

望んでいる事は、ごく普通の人間関係だと思いませんか?



頑張って友達になろう、

人気者になろう、

話題を提供しよう、

ずっと笑っていよう、



そんな事を続けなければ

友達ではいられないような関係のほうが

よっぽど大変です(@_@;)






障害に対する理解が広まったのは

本当にごく最近だと感じます。



家庭でも、仕事でも、学校でも、地域でも、

望まずして障害を抱えた家庭にとっては

苦しい、辛い決断を迫られる事ばかり。



みんなと同じに出来ないなら

ここにはいられないよ?

どうにかならないの?

という無言のプレッシャー。



そういう、悲しくなるような仕打ち、

人を追い詰めていくような対応を無くして行かなければ、

障害と共に生きていかなければならなくなってしまった人達が救われることは無いと思います。



上手くいかない事は多いけど、

みんな、迷惑を掛けまいと必死に生きています。

そんな思いの出足を払うような仕打ちをするのが当たり前の社会にはなって欲しくないと、切に思います。



最近、色々とおもうことがあり、

だいぶネガティブな思いを言葉にしてしまいました。



あー、何かスッキリする事したいっ!ヽ(`Д´)ノ