~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■ASD09 卒園式 ~ 新生活へ

2018年3月26日



いよいよ4月も目前、

6歳になる息子もついに保育園を卒園し、

4月11日には、小学校の入学式を迎えます。



卒園式後も、3月30日まではまだ登園するんですけどね。



引っ越し作業も十分に終わらぬまま、

最低限の生活空間を整え、

息子の小学校で使う数々の道具を買い揃え、

その全てに名前付けをします。



保育園では、着替えや、ハブラシ、コップ以外は自分の持ち物を持ってきてはいけないため、

自分の物を持って、親から離れて過ごすという事が初めてとなるため、

無くし物をしたり、

壊してしまったり、

ということも多々起きるでしょう。



それを見越して、

ひとつあれば足りるものも、予備も含めて倍以上購入。

洗濯して使い回すものも、一人親のため、洗濯を毎日したとしても夜20時に洗濯したのでは翌日確実に乾かすなど到底無理で、

となると、取り込み自体も出来なくなるため、次の日の洗濯も無理という事も。

平均2.5日に1回洗濯ペースとなるため、洗濯して使うものは体操服以外はすべて5日分用意し、

それを持っていく袋(給食袋)なども2つをサイクルさせる方法で解決しようと。

どんどん物が増えるわけです。

名前を貼る量も、必要な数の2.5倍から3倍近く。



えぇ、やりましたとも!

全部自分でやりましたともι(`ロ´)ノ

まだ私服の一部が残っていますが…

でも、めっちゃ経験値稼いだので、名付けで心配することは何一つ無くなりましたね。

まだシールやアイロンプリントもタップリ予備ありますからね。



ただでさえ一人で全てやっていて時間が無い中で、さらにそういう準備作業も、費用も、恐らく普通よりも余計に掛かってしまい、半端無い作業量なんですが…

いざ本番スタート後を楽にするためなので、心を無にして頑張るしかないっス。



で、

前置きが長くなりましたが。






保育園卒園式。



私は、入園からの様々な思い出、

何としても妻に見せてやりたかった息子の大きくなった姿などの想いが駆け巡り、

恥ずかしながら、涙が止まらない卒園式となりました…



息子はと言えば、

みんなが静かに座って話を聞いているなか、

体を左右にブンブン振ってみたり、

頭を上下に振ってみたり、

音のでない拍手のように掌をパタパタ合わせてみたり、

背もたれに抱き付くように後ろを向いてみたり…

しまいには、足元の花を気にしてしゃがんで花を弄り始めたり、

こっちを向いてタコチューみたいな顔をしてみたり。

写真でその様子が残っているのですが、まるでコント(笑)



あぁ、もう…

と思いきや、終わってから先生に



今日は凄く頑張ってましたね!
今までで一番良かったと思います!



って。

普段どんなだったか凄く想像は付くのですが…

ほんといつも苦労掛けましてごめんなさい
m(__)m💦



でも、
自分が台詞を言わなければならない時とか、
歌を歌うときとか、
やるべき事はちゃんとやってるんです。



直前まで体を左右にビャンビャン振ってて、

おいおい、もうすぐ自分の番だけどわかんなくならないだろうな…(゜ロ゜;

と心配するのですが、

その時になるとピタッと動きが止まり、



👦小学校に行っても忘れません!



みたいな(笑)




自分は、さながら竹中直人のような

泣きながら笑う人

になってましたよ(笑)

(本当は笑いながら怒る人ですがf(^_^;)



ただ、息子が我慢できたのはそこまでで、

その後、お昼ご飯を挟んで午後に謝恩会がありました。

それはもう散々な状況で…



会場に風船がいっぱい飾ってあったこと、

自由に行動して良い空間になってしまった事で、

それはまるで、野に放たれた野獣のごとく(笑)



走り回る、暴れまわる、風船を奪い取る、誰の言うことも聞かない、止めようとすれば殴る蹴る、暴言を吐く…



あまりに回りに迷惑を掛けすぎ、

謝恩会の進行を幾度となく止め、

人の嫌がることをやり続け、

いい加減自分も



やり過ぎだぞ!ちょっと落ち着け!



と、走り回る息子を捕まえようとする腕を、スルリとすり抜け…



最後の、みんなで写真を撮ろうと言うときに、

みんなが待ってるんだから、これだけ最後にちゃんとやってくれ!と、捕まえ、言うことを聞かせようとするも、嫌だ!やらない!と暴れまわる始末。



息子抜きで集合写真を撮っていた他の方も、

さすがに最後の全体写真を息子抜きで終わらせるわけには行かないと、遂にチームボスママが本気に
(◎-◎;)



暴れまわる息子を、二人掛かりで、まさに両手両足全身で羽交い締めにして、自ら集合写真の中に入り、



ヾ(:3ノシヾ)ノシ 体を仰け反らせて暴れる息子

ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛ 羽交い締めで寝転がるボスママ

ヾ(・ω・`;)ノ 被害を恐れて離れる園児



という、華々しい最後の写真を撮って
卒園式と謝恩会を終えました(笑)



園児たちは、

xx君チーターみたいー💦

って息子を恐れていました。



笑い事じゃないですね╭(๐_๐;)╮

本当に、毎度の事ながらご迷惑をお掛けしましたすみませんm(__)m💧



自分がそこまでやらなきゃいけない立場だった筈でしたが、

もう余りの状況に、



写真もう写らなくていいです!迷惑になるんで!



って言ったんですが、

絶対ダメ!写真撮るよ!

って言ってくれたチームボスママ。

本当にありがとうございました。

自分が不甲斐なくて済みませんでした…



保育園で同じクラスになった

お子さんのお父さん、お母さんは、

本当にいい人ばかりで、

こんな息子の事も、私の事も本当に理解頂けて、

自分の子のように遊び、叱り、話し掛けて頂き、

本当に素晴らしい方々でした。



あれだけ問題行動を繰り返した息子に対して、何一つ苦情を言わず見守って頂けたこと、本当に感謝しています。ありがとうございます。



4月からは小学校ですが、

まったく異なる環境で、

今度こそ本当に私と二人、家族で暮らしていく事になります。



どうか、息子のこの特徴が、

悪い方へと進むこと無く、

わんぱくでもいい。

たくましく育って欲しい。

と、懐かしいCMのように成長してくれる事を願って、

期待と不安の新生活を迎えたいと思います。

■舌癌19 東京医科歯科大学病院へ

■漂流番外編



今、引っ越し、小学校入学準備ほか、

新生活に向けての作業がピークを迎えており、

刻々と状況が変化しているため、

番外編として、少しだけ近況報告をしていこうと思います。



引っ越し作業がようやくフェーズ1終了を迎えそうです。

生活必需品の準備が整い、

自炊が出来るようになってきました。

リビングに設置する家具家電もほぼスタンバイとなり、ようやくリビングに置かれているダンボールや、床を隠している荷物の片付けが終わりました。

3月13日現在、
やっとラグが引けて、くつろげる空間が出来ました
_(⌒(_。・ω・)_💕

生活必需品以外の整理はまだ手付かずで、
1部屋はまだダンボールが散乱していますが、

あとは時間掛けてやってけばいいかなって物なので、ようやく息子の小学校入学関連作業に移れます。

まだまだ睡眠時間は毎日3時間…
かれこれ1月からずっとこの生活ですが、
もう暫く睡眠不足は続きそうです(。´Д⊂)






それでは本編に入ります。






2016年7月25日



舌癌再発と診断され、

下顎半分を丸ごと切除される治療法を宣告された妻。



その手術内容、術後経過の想定から、

希望よりも絶望の方が勝ってしまい、

何とか他の可能性はないかと、放射線治療でお世話になった先生に相談した結果、

良い先生、治療法があると紹介された

東京医科歯科大学付属病院、放射線治療

で行っている小線源治療に望みを託すべく、

同病院のY先生を訪ねます。



まだ緩和ケア入院中のため、

外出許可をとり、朝早くから車で移動です。



妻の調子は悪くは無さそうで、
自分で外出準備をして、病院の玄関まで降りてきていました。

早速車に乗り、40分程度の車移動。



調子はまあまあだよ🎵



と言っていた矢先、
車に乗って15分程の所で、突然の吐き気で吐いてしまう。

車酔いは殆どしなかった妻だが、オキシコンチン、オキノームの痛み止め副作用が吐き気を呼ぶらしい。

静かに寝ていればやり過ごせるため、病室で静かにしてるときはコントロール出来るようですが、

起きて活動していたり、乗り物に揺られたりすると、反射的に戻してしまうようです。



ただ、以前にも書いたように、胃腸炎のときのような苦しそうな吐き方とは少し違い、

歯磨きの時にオエッとして、でも吐かない、みたいな感じの反射なのだが、

今の妻の場合、吐いてしまわないと収まらない、吐いてしまえばすぐにスッキリする、

そんな感じらしく。



3分ほど辛そうにしていましたが、
実際には車に酔っている訳ではないため、すぐに調子を取り戻します。



心配して車を止めようとする私をいさめるように、

大丈夫だから、行こう。

と言う妻。



程なく東京医科歯科大学病院へ到着。

妻の経過を記録したDVDを持って、地下の放射線科へ。



放射線科はこちらの病院でもやはり地下にあり、

なんとなく陰鬱な雰囲気を打ち消すように、小児科のような飾りが壁に散りばめられ、

明るい雰囲気作りになっているのは、どの病院も同じような感じなのかもしれませんね。



放射線治療科の受け付けに、主治医から渡されたDVDと手紙を渡し、待合室で待ちます。

暫くして、Y先生自ら診察室から出てきて



🏥xxさん、どうぞーこちらですー

はい こんにちはー

はじめまして。お話聞いていますよ(*^_^*)



と、とてもニコニコと穏やかに話始めます。

(先生の話は🏥マークにしますね)




それに応えるように、こちらからもいきなり病気の話からは入らず、

今入院中の病院の放射線科の先生からY先生を紹介されたこと、

今掛かっている病院の事、

主治医のH先生の事、

H先生は凄く無愛想で、目の前のY先生のようには話してくれないこと(笑 ごめんなさい💦)
それもあって、思っている事をなかなか全部はいつも聞けないこと…



そんな雑談から始めてくれたY先生の気遣いに、診察室の雰囲気がとても柔らかくなります。

しかも、



🏥H先生のこと、よく知ってますよ。知り合いですから(笑)
以前、S大学病院で一緒だったので、そこで一緒に癌治療やってたんですよ。



と。

なんですとΣ(゚Д゚)

H先生そんなこと一言も言ってなかったぞ…



🏥まぁ、あんな感じの先生ですからね(笑)
でも素晴らしい先生ですよ!



なんて、そんな感じで話してくれるものだから、
妻も私も一気に打ち解け、自然と笑顔に。



渡してあったH先生からの手紙をあけて読み始めると、



🏥手紙書いてくれたんですね。(手書き!)
ちゃんとお返事書いて渡しておきますね🎵



なんか、医者どうしの文通みたいですね。

こうして話をしていくうちに、緊張していた心がバラバラにほぐされていく感じ。

これから命の話をしようという人たちを笑顔にする力。

話し方、笑顔、気遣い、ユーモア…
そのすべてが、人を明るい気持ちにさせる、なんとも言えない心地よさ。

妻も、Y先生と話をするのが楽しそうだ。

初対面の初めの5分で、これ程までに人を引き付ける力のある人はなかなかいないと思います。

直感的に、この先生は頼れる、悩みを相談できる、と感じました。






そしていよいよ診察が始まります。



🏥ちょっと口の中見るねー
ごめんね、ちょっと触るね。



妻が ぎゅうっっ と目をつぶります。

舌を指で摘ままれたり、

舌の裏側を押されたり、

窪みが大きくなってきている口腔底を触られたり…



ぼろっ と大粒の涙が1粒溢れます…



🏥ごめんね、痛かったね。もうしないからね。



妻は、目をぱちぱちさせながら、

痛かったー(>_<)💦
でも大丈夫(ノω・、)

と無言で応えます。



しかしここで状況が一変。



主治医から渡されたDVDのCT画像なども見ながら

Y先生が険しい表情で話始めます…



🏥今触った感じと、画像で見る限りだと、
舌の切除部分から少し奥に向かって、口腔底のえぐれてる部分、舌根あたりが再発箇所で間違いないと思います。

まだ触った感じでしかないけど、
少し大きい。



私は少し長く目を閉じ、次の言葉を待ちます…



🏥画像で見ても、このあたりが…大体2㎝を越えている。

舌よりも、口腔底の方に広がっていて、
少しモヤモヤした部分が下の歯の根本と、顎骨との境目辺りの骨膜(骨を覆っている頑丈な膜)の所で広がっていて…
多分、骨膜には浸潤していない感じで塞き止められているような感じに見えます。

小線源治療というのは、舌に出来た比較的小さな、1~2㎝程度までの癌に良成績がありますが、2㎝以上になると思うように効果が出ない可能性があります。

また、舌から口腔底にも広がっていますから、口腔底の方まで十分な効果を出すことが難しいかもしれない。


………



この前の、主治医のH先生から顎切除の話をされた時と同じ絶望感が身体中に駆け巡る。



この治療は、

ここへ来たのは、

妻の病気を、命を救う唯一の方法だったはずだから…



妻はただ黙って話を聞いている。



難しい、と言われ、
あぁ、そうですか。
と、話を聞き入れられるわけが無い。



無理であったとしても、
諦めて帰るなんて出来るわけないじゃないですか。



私から話を続けます。



👨難しいこと、通常は適用外の腫瘍サイズだということを前提として、それでもこの治療を受けたい、とした場合、何か方法は考えられますか?



先生は、厳しい表情で、
しかし優しい口調で答えます。



🏥舌癌への小線源治療というのは、放射線を出す金属の針や、粒型のものを舌に差し込んで、1週間くらいか、粒の場合はそのままずっと留置するという治療をします。

一般的には、M字型をしたホッチキスの針の、両方の先端部分を伸ばしたような、4~5㎝くらいの長さのものを使うことが多いです。

その針の周りに放射線が出ていて、体の中からとても狭い範囲に対して、ピンポイントで放射線治療をする感じです。

放射線の当たる範囲、どの位置に何グレイ当たるかは、針の差し込む位置、本数、向きも含め、コンピュータで厳密に計算されています。

通常は2針 (舌に刺さる部分としては4針分) で治療を行うのが一般的で、実績も十分あります。

しかし、この大きさ、口腔底までの縦の長さ、下の広がりを考えると、多分針を追加しないと足りないんじゃないかと思います。

当然針を増やせば副作用の心配も大きくなります。口内炎も強く出ると思いますし、顎骨にも近いので、放射線性骨髄炎や顎骨壊死も気になります。

過去の治療成績から見ても…
うん、難しいですね。

通常、癌を倒す放射線量となると70グレイくらいは考えます。
当然、小線源でもそれくらいは当てていく事になりますが、顎骨への副作用は60~80グレイあたりから影響が出てくる事が多いです。

その副作用から顎を保護するために、舌と歯の間に入れるスペーサーを作成し、放射線が歯や顎骨の方まで行かないようにするのですが、

今回は、口腔底の顎骨の際まで癌が広がっているため、針は舌だけでなく、口腔底まで深く入れる事になる。

口腔底の方まで入った針からの放射線はスペーサーでは防ぎきれないし、むしろ顎骨のぎりぎりまで放射線を届かせなければならないため、副作用のコントロールが大変難しい。

(実は、小線源治療はその昔、治療した殆どの人たちに顎骨壊死を起こし、癌が治ってもこれでは使い物にならないと言われてきた時代があるようです。そこで、放射線を遮るスペーサーを治療中ずっと口に入れておく事で、その件数を大幅に減少させ、ようやく有効な治療法として確立したという事です。)

しかも、xxさんは、すでに頚部への放射線治療もやってるので、きっと顎付近に30~40グレイは当たってると思った方がいいので…

癌を倒す分放射線を当てたら、ちょっと当たりすぎかな…当然当てる量はコントロールするのですが、それで癌が残っちゃうなら治療の意味が無いですからね…

このあたりがとても難しい所です。

あと、もしやること前提で話をするのであれば、抗がん剤も併用した方がいいでしょう。とはいっても、小線源治療を最短で行う事を優先しますので、通いでも出来るTS-1がいいかと思います。

やらないよりはマシという程度ですが、少しでも小さく、進行を遅らせられたらいいという感じです。
強いのをやって体調が整わずに小線源治療出来ないのでは本末転倒ですからね。

ただ、どうしてもこのサイズの腫瘍ですので、経験上…うーん、と言わざるを得ないのが正直な所です。
申し訳ない。



つまり、

治療自体が出来ないという事ではないが、

もし小線源治療をやったとしても、

癌の大きさと、

今までに受けてきた放射線治療の影響により、

十分な治療効果を出すことが難しいのではないか?

という…



やるべきではない…?

でも、そうしたら、
切除手術という手は残っているが、
何より、妻は全ての希望を失ってしまう。



横を見ると、
妻がボロボロと大粒の涙を溢れさせている…
が、目は先生をまっすぐに見たままだ。

自分も、胸を締め上げられたように息が苦しくなる。



単純に小線源治療を受けるだけでは、十分な治療効果を得られない事はわかった。

では、何をクリアにすれば、
何を妥協すれば、
何を受け入れれば、
何に対処すれば、
本来の治療成績に少しでも近づけられるのか?

まずは可能な限りの情報を集めます。



👨もし、骨髄炎を起こした場合の対処はあるのですか?



🏥程度にもよりますが、骨が腐り、膿のように排出されたり、骨が剥がれて、剥がれた部分が膿と共に皮膚の外に出てきたりします。

放射線性の場合、病気という事ではなく、中から組織が壊れていってしまいますから、根本的な治療法が無く、とにかく膿を綺麗に洗って、消毒して、自然治癒を促すしかないんです。

収まっていく人もいれば、治らない人もいます。
痛みがひどい場合は、顎骨を切除しなければおさまりません。

また、総被爆量が高くなってしまった時の副作用は、顎骨影響だけでなく、敗血症や、放射線性潰瘍もある。
潰瘍の拡大により、頚動脈欠損、失血死という事もあります。



👨膿が出てきたり、骨が剥がれて出てきたりするっていうのは、どこからですか?口の中ですか?顎の下の皮膚のところからですか?



🏥大抵は口の中ですよ。
抜歯や、歯茎の掻爬(そうは)に近い手術になります。

ただ、なかなか治まらずに何度もになったり、その治療が原因で逆に顎骨壊死になったりもするので、普通の歯医者では治療しない方がいいです。
必ずうちの口腔外科に相談してください。



👨もし、小線源をやった後に再再発や、癌の残りがあった場合、どんな治療法がありますか?



🏥小線源治療後の再発の場合、やるとすればH先生の言う通り切除手術ですが、出来るかどうかはわかりません。

放射線を当てている範囲は、組織が、特に血管が脆くなっていて、切って縫合しても血流が足りずに傷が癒え難くなります。

傷が塞がらなければ致命傷になってしまうため、もし切るのであれば放射線を当てた範囲を丸ごと切除しなければなりません。

もし手術が出来たとしても、舌全摘出、口腔底全摘出、右側顎骨の切除摘出くらいの大変厳しい治療になる筈です。



👨何もせず、癌を放置した場合は…どうなりますか。



🏥まあ…
まだ可能性を求めて治療していくのですから、あまり言いたくは無いですし、正直どうなるかはわかりませんが、

腫瘍拡大による、
食事不可、呼吸不可、動脈欠損、などが考えられます。
あとは、抗がん剤治療などがどう作用するかですね。



いま残されている治療法

今後の経過

対処していかなければならないこと

出来ることと

出来ないこと…



すべての条件を机の上に並べ、
起きて欲しくない事が起きてしまわないよう、頭をフル回転させます。



しかし、答えがまとまるよりも早く、



👩副作用とか、骨髄炎とか、そんななるかどうかも分からない事なんて気にせず、小線源治療やってほしいです。
もし、副作用が出たって、骨が腐ったって、癌がなくなるならそれでいいです。
これが最後の希望なんです…!
Y先生になら命を預けてもいいと思っています。
どうか、お願いします…m(__)m



妻の、この言葉を口にする時の気持ち、

自分の命に本当に終わりが来るかもしれない尋常ではない不安、

それを他人に言う度胸、

言わなければならない、言わなければ本当に終わってしまうという現実、

いま、この瞬間がその時だ!という覚悟…



私も、妻と同じ気持ちでここに来たこと、
他に望みが、希望が無いことを先生に伝え、



👨どうか、妻の命を救って下さい…お願いします!お願いしますm(__)m



と、切に頼みます。



Y先生は、

この無理なお願い、リスクの高い治療に、
ひとつも嫌な顔をせず



🏥わかりました(*^_^*)

ただ、

いまここで結論を出さず、2~3日よく考えて、ご家族ともよく相談されてから正式に返事を下さい。
もしやるとなれば、私も全力を尽くします。

返事は今日でも3日後でも、最短の手術日は8月17日で行きましょう。返事があるまで仮予約を入れておきますから。

また、

放射線技師として、
本来お勧め出来ない小線源治療以外の治療法で、当たってみてはどうか、というものをお伝えしておきます。

こちらも優れた治療法で、選択的動注科学療法というものです。

血管にカテーテル挿入し、癌へと繋がる血管に直接抗がん剤を注入し、かつ、全身に中和剤を流すことで副作用も抑えながら治療するというものです。
ただ、抗がん剤だけでなく、放射線も併用する治療ですので、今の xx さんに適用できるかどうかは聞いてみないとわからないですが…



超選択的動注科学療法
J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrhi/48/1/48_1_73/_pdf



関東近辺では以下の病院で受けられます。



動注科学療法 南東北がん陽子線治療センター
http://www.southerntohoku-proton.com/sp/indication/efforts.html

動注科学療法 横浜市立大学付属病院
http://www.ycu-oms.jp/superselective.html

動注科学療法 国立がん研究センター東病院
http://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/head_neck_surgery.html

動注科学療法 がん研有明
http://www.jfcr.or.jp/cancer/type/headneck/index.html



🏥動注科学療法は以前からある治療法ですが、以前は頭頚部全体に抗がん剤を流す辺りまでしかカテーテルが入れられなかったんです。

それが最近になって(2016年当時)顎や舌根の方まで入れることが出来るようになったので、口腔癌にも十分使えるようになったんですよ。



なるほど。

新しい治療法の話、全てをメモに取ります。



最終回答は2日後くらいにします、と伝え、
7月25日の小線源治療をやりたいと伝える事前提のセカンドオピニオンは、一旦これで終わりとなりました。



1時間強の診察、話し合いでしたが、
これからの方向性、治療方針が見えた良い機会となりました。



動注科学療法は、後日各病院へ連絡し、
前向きに相談出来るか、治療までに掛かる期間はどの程度か聞きましたが、

やはり、一度頚部へ放射線を当てている場合、適用が難しく、来院して検査等していくなかで、いけるかどうかを判断することになるというのが基本的な答え。

また治療開始までに掛かる日数が1ヶ月以上は掛かるだろう、という想定。

この時間の掛かり方と、検査をしても適用外の可能性があることから、無駄な時間を過ごしたくないと思い、方針から除外しました。



東京医科歯科大学病院からの帰り道、

妻が私に確認してきます。



👩小線源やろうよ。やるんでしょ?



👨リスクがある事をしっかり教えてくれたけど、どう思う?



👩私、あの先生に診て貰いたい。
あの先生なら命を預けてもいい。



こんな時に不謹慎ですが、
ちいさなヤキモチが…f(^_^;

でも、妻にそこまで言わせる先生を尊敬します。
私も、まだ治療について何もしていないのでこの時は評価のしようもありませんでしたが、
今現在でも、Y先生を尊敬しています。感謝しています。



👨うん、良い先生だと思う。自分も信頼してる。



👩家で相談はするけど、私は小線源やるつもり。ダメだったら全部切っちゃえばいいよ。



いやいやいや、そんな簡単に…
ほんとド根性妻。



後日、Y先生に気持ちを伝え、

6日後の8月1日から転入院、

TS-1の服用を開始しつつ、

8月17日の小線源治療に向けて準備を進めていく事になります。

■舌癌18 みんなの元気を分けてくれ…!

前回更新から
まただいぶ時間があいてしまいました。



■漂流05
に書いた通り、

引っ越しと
息子の小学校入学準備と
都内から千葉へ転出した事による
ありとあらゆる行政関連手続き
などなど…

すべてを一人でやるしかなく
今までに経験したことの無い、猛烈に多忙を極める状態になっている為です。



今一番の作業は、引っ越し後の荷物片付けですね。

時間を忘れて作業してしまい、
気付いたら深夜3時なんて事も…
結局、寝ないと次の日の作業効率が落ちまくって
余計に遅くなるので気を付けるようにしています。

でも頑張ってますよ!
なんせ、こんな部屋になるんですから!






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ウソです(*^ー^)ノ♪



でも、それくらいの開放感があるリビング目指して頑張ってます(ง •̀ω•́)ง✨

とにかく、面倒を感じない部屋作り!

これから息子と2人でスムーズな生活をしなければいけない訳ですから。



小学校入学準備品の買い出しは、こないだの土日で終えました。

名入れは…
こればかりは親の力を借りようと思いますm(__)m
その間に引っ越しの整理をやりきらないと…



ブログは体が動かなくなった時の気晴らしです(笑)






さて、



妻の治療経過は、

舌癌再発
小線源治療へ

というところですが、

その前に、

前回アップした緩和ケア入院の時期に重なる
もうひとつの出来事を…






2016年7月14日



ちょうど緩和ケア入院開始の日。

既にこの日が分かっていた自分は、

辛く、苦しく、悔しい想いをしているであろう妻の為にしてやれることは無いかと、数日前から考え、準備をしていました。

それとなく、
そういう事をしても良さそうか
妻に探りを入れながら…



私は、妻の為に LINEグループ を作り、

最も近い友人、親友にだけ声をかけました。



[グループ名]
オッス!オラ xx !

(名前の部分は xx でマスクしますね)



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[ノート]

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2015年秋から舌癌を克服するために命を削るような闘病生活を続けている妻 xx にみんなの元気をちょっとずつ分けて癌に打ち勝つ力をつけてもらう思いでグループを開設しました。

みんなの元気を xx にちょっとずつ分けてくれ…!





そして、

妻と自分、友人2人、計4人のなかでこう呼び掛けました。



ノートを見てもらえば、このグループの趣旨が伝わると思いますm(__)m

身近な方、妻 を知ってる方で、皆に共通点のある人なら誰でも参加してもらってokです。各自の判断で友人を追加してってください。

どんな些細な事でもいいです。
 今日こんなことがあったよ!
 今xxしてるよー!
とかでいいので、楽しくやりましょう!
妻にみんなの元気を少しだけ分けてください!



はじめは妻も、



なんちゅうグループ名(笑)



なんて笑っていましたが、

徐々にその意味がわかり始めます。



参加者も、1人、また1人と増え、

本当に身近な友人だけでしたが、

私が連絡先を知らない友人まで

しっかりと想いは届き、

妻の本当に好きな友人だけがここに集まりました!



そして、

みな、その趣旨を理解し、

妻が元気になるような会話をし始めてくれます。



そこには、

元気だった頃の妻の姿が(ノ_<。)



妻と、友人たちのやり取りが溢れ、

さながら、
本当にドラゴンボール元気玉のように、

妻にたくさんの元気を届けてくれたのです!



ここ半年以上、こんな妻の姿を見た事はなく、

本当に嬉しそうに

楽しそうに

病気の事も織り混ぜながら

しかし、決してネガティブにはならず

お見舞いの予定を組んだり

お見舞いに来てくれた友人との写真をアップしたり

食事の写真をアップしたり

友人から差し入れて貰ったデザートを食べているところの写真をアップしたり。



ただただ長い入院中の時間を

もて余す事無く、楽しい時間に変えていってくれました。



自分も、息子と遊んでいる写真、動画を

さながら、妻も一緒にそこで遊んでいるような気持ちになれるように、リアルタイムでアップして行きました。

なかには、ディズニーランド、シーに行き、
実況中継しながら、

次どこがいい?

プラン考えて~✨
(妻はディズニーのプランニングの達人でした❤)

なんて、妻が一番好きだったことに病院から参加して貰ったりもしました。



その時の妻は、

病気の事なんてすっかり忘れてるんじゃないか?

と思うくらいに饒舌で

自分からどんどん参加、発言してくれて

自分も一緒にディズニー散歩してる気分に。

これは本当に楽しかった(゜▽゜*)💖



このグループの中で
本当に色んな話をしたのですが…

2016年7月21日

Yahoo!ニュースに、日本で初めて
赤外線による 光免疫治療 のニュースが報道され、それについて自分から話をしています。



👨やってデメリットが無さそうだから、臨床でもやってみる価値はありそう。ただ、症例数が少ないから、未知の副作用がどうなるかわからない。



👩実用化できるようになったらスゴい。
効果が出るガンと出ないガンは何が違うんだろう?
臨床試験をしっかりやって、もっと効果を試して欲しい。私で試さない?(笑)



👨とても希望が持てる新しい治療法だとは思う。
臨床試験は命を懸けたギャンブルだから…ハイリスクハイリターン。



👨1つ言えることは、この治療法は、今から4年間、沢山の人に実験台になってもらって、2020年過ぎに実用化されるかどうかの、未来の話ということ。本来であれば出来る筈もない治療法だから、聞かなかったことにする、というのも正しい選択肢だよね。



光免疫治療…

受けさせてやりたかった。

たとえ実験台だとしても。



このときは、まだ日本にはこの治験を受けられる場所もなく、

何度も、直接開発者に連絡をとって治療を受けたいと言おうと思ったか…

しかし、世界中から、もちろん日本からも、
この治療の有効性に気付き、連絡をしてくる人が絶えずおり、

その度に、全てのメールに対して



申し訳ない。
まだご希望に応える事が出来ないのです。



と返事をしています。

と、開発者本人が話をしている特別番組をNHKでやっており、

自分だけ特別だ、なんて言えない。
連絡をしているその方々全員が、今の自分と同じ境遇で、その方々も断られている。

この治療は早く世の中に出なければならない。

断られる事がわかっていて、先生の開発の手を止めるような恥ずかしい事をしてはならない。

そう思い、悔しながらも想いを噛み潰した事を覚えています。






その後も、

このグループでは、大きな治療、抗がん剤、手術前等には

みんなからの励まし、

前日夜に、真っ暗のなか行ったご利益のある神様へのお参りの様子が送られたり、

入院したまま迎えた息子の5歳の誕生日、

妻自身の誕生日、

結婚記念日と、

全員で妻を励まし続けました。



そして、このグループを作ることを思い立った自分の想いとして、次のように妻に伝えています。



ここにいる皆は、

楽しいことも、
嬉しいことも、
辛いことも、
悲しいことも、
自分一人では受け止めきれないような現実も、

すべて引っくるめて、 妻 が今ここに生きていることを、生きている限りずっと手を繋いで共に歩いてくれる人たちだから…

だから、
一人で抱えないでいいんだよ。
みんなに寄りかかればいい。
楽しければ笑えばいい。
辛ければ辛いと言えばいい。
泣きたければ泣けばいい。
勇気が欲しければお願いすればいい。

今、一人心に抱えているものに蓋をしないで、
真っ直ぐな感情をどーんとぶつければ、
みんなからも真っ直ぐな気持ちが帰ってくるから!

 妻 は一人じゃない。みんなが付いてる!

未来はどうなるかわからないけど、
1ヶ月先も、
半年先も、
1年先も10年先も、
50年先も、
ずっと 妻 の本当の気持ちを受け止め続けてくれるよ!

いつ何が起きるかわからない、
もしかしたら明日二度と目を覚ませないかもしれない、
そういう思いを忘れることなく、
今日、今を常に最高の瞬間に出来るよう、
 妻 の生きている証を刻んでいこう!
みんなで奇跡を起こすんだ!





このグループの会話には、

妻の生きていた証

妻を支えてくれた人たちの想い

妻がLINEが出来なくなるまでの最後の言葉

が詰まっています…(ノ_<。)



今見ても、本当に泣けてくる。



癌の再発は、

また治療すればいい。

では済まされない、とてつもなく大きな意味を秘めています。

その瞬間に、

あ、これはもう本人の頑張りではないな。

と悟ります。

同時に、

この事実を受け止めなければならない本人の気持ちになれば、

いつ何が起きてもおかしくはない、

だから、今しか出来ないこと

今しかやってあげられないこと

楽しいことも、

思い出も、

もちろん治療も、

夫としてやれること…

全部やってやる!



ここから先、

妻が感じるすべてが、

妻の人生の全てになる!

それを、最高の瞬間にしてやれなくてどうする!



もし、治療がうまく行き、

根治したとすれば、

さらに、
もっと最高の人生にすればいいじゃないか。

今やらなくてどうする!



そういう想いに駆られ、

緩和ケア入院の前と、後とでは

意識がガラッと変わりました。

ここで動き出していなかったら、

きっと今ごろ、悔やんでも悔やみきれない

救いようの無い状態になっていた事でしょう。



決して悔いが無い訳ではありません。

しかし、

自分が始めた事で、妻の楽しそうな姿を見ることができ、そのすべてがここに記録されている。

写真や、動画だけでは録りきれない、

妻の言葉、気持ちが残っている。



そう思うと、

このLINEを見る度に、写真なんかを見るよりも

もっと妻を感じる事が出来るのです…






妻は、たくさんの親友から元気を分けてもらい、

小線源治療を受ける勇気に代えて

次の治療へと向かっていきます。

■漂流05 新生活準備

2018年2月11日



誰かコピーロボット

作ってくださ───ヽ(*゚∀゚*)ノ───い!



もうね



ムリ(笑)






引っ越し作業と、新入生準備作業が
いよいよ大詰めとなってきました!



今やってるのはコレ ↓



■今まで住んでいた家の片付け、粗大ゴミ出し

■必要荷物のまとめ、持っていく荷物の清掃

■新居の整理、必要家財、家電の購入、設置対応

■新居の諸々費用の支払い、引き落とし手続き

■息子の小学校入学手続き

■小学校で必要な道具の購入、名前付け

■学費支払い関連手続き

学童保育申請手続き

発達障害を見て貰える病院の確認、
 相談機関の移行、引き継ぎ

■役所関連の転出、転入手続き

■父子家庭関連手当て、手続きの解除と再申請

■保育園卒園の為の卒対活動

■個人的な契約等の住所変更手続き



そして平日は毎日普通に仕事。

作業の8割くらいを土日に集中し、平日は帰宅後、夜21時~24時頃に家の片付けを。

これからの小学校入学等で色々な事が起きる想定をすると、休みなんてとれません!



そこに更に、小学校説明会にて、

PTA参加してねー!
ボランティアに参加してねー!
任意だけど必須だよー! (えっ?)
防災頭巾カバーは手作りした方がいいよー!
設計図を渡すから作って来てねー!
みんなが同じように負担する事なんだからやらなかったら…わかってますよねー(*^_^*)

という、くだらない囲い込み。

本当に書いてあるんすよ。
任意だけど、6年間の間で必ず全員が参加して下さいね❤って(笑)



PTAを毛嫌いしている訳では御座いませんが…

人それぞれ、事情も環境も違うし、
協力したいけど休みまでは取れない人、
協力自体したくない人、
出来るし、やれるんだけど、拒否したくはないんだけど、平日昼間に学校に行く事が頻繁に発生するという事だけは難しい人、
休みを父母で分けて取りながら対応できる人、
全ての休みを一人で消費しなければならない人、
全てを一人でやろうとすると有休では足りず欠勤扱いになってしまう人…

色々あるでしょうに。

そういう相談には乗って貰えるんだろうか…

いや、みんな同じように苦労してるんだから、
と一括りにされて、
なんか嫌な人認定されてしまうんだろうな…

気を付けなきゃね。



保育園の卒園式後にやることになっている謝恩会もなかなかのもんですよ。

園が指示してやることでは無く、
園児と、園児達の親が企画してやるもの
という位置付けなのですが、

園の先生から

「親の代表は、園に謝辞を述べてください。ある程度の定型文はありますので。それを覚えて言って貰えればいいです。」
とか、

「先生達を謝恩会に呼ぶための手紙を園児に書かせてください。その手紙を先生から子供に渡しておきますので家でやって来てくださいね。」
とか、

「子供たちも、親からも、出し物をひとつやってください。ただ、先生たちにばれないようにやって貰いたいので、お迎え後とかに園内で集まって練習したりはしないで下さいね。」
とか言われるんです。

子供の為だけに時間を使える "ヒマだとは認めない人" の集まりならともかく、

そもそもそういう都合が取れない人達だけが保育園入園を許可されたという事を考えれば、園の外で集まってアレやろう、コレやろう、なんて時間はない事くらいわかると思うんですけどね。

園の先生たちには、聞き分けの無い息子をしっかり見て頂いて本当に感謝していて、ずっと関わってくれた今の担任の先生には特に頭が下がる思いですが、

なんか、この演劇染みた、名ばかりの任意の強制イベントに少々気持ちが萎え気味…(´д`|||)



ただ、良い思い出を作ろうと頑張っている卒業対策チームのママさん達の努力には本当に本当に感謝しています。

保育園側の、少々理解の無い対応に負けず、良い謝恩会、良い卒園式にしましょう。

自分は準備を手伝う事が殆ど出来ませんが、当日の写真撮影とかで貢献出来たらいいな📷



話が逸れましたが…

まぁ、なんにしても

溢れかえるほどやること満載です。






本格的に作業開始したのは、

引っ越し先の審査が通り、
入居可能が確定してから。

それが1月中旬。

ここから3月末までは家賃が2重に掛かります💦

3ヶ月間の家賃合計は約60万。



まず始めに手を付けたのは…
引越屋の見積もり。

3社取りました。
業者バッティングしないように。

同時に、

引っ越し予定日の時点で、
どこまで自力で片付けが進み、
どの程度引っ越し屋に片付けて貰うのか。

決めなければ見積もり自体が出来ないため、
兎に角部屋を片付けまくります。

その過程で出る粗大ゴミ処理。

捨てるもの、引越で持っていくものを選別。
自力で運べるもの、運べないものも選別して、
どう処理するのか、いつ処理するのかを決めます。

都内は、粗大ゴミを出すだけでも
1~2週間前の予約、登録が必要で、

しかもうちの区は、
年間持ち込み回数も 3回だけ! 
と決まっているため、

邪魔になったタイミングで持っていく、捨てる、
と言うことも自由には出来ず、

全てスケジュールを立て、
これまた他の作業とバッティングしないように
綿密な計画を立てます。

(訪問回収は何度でも出来ますが、費用が持ち込みの倍掛かり、2週間以上前の予約が必要です。)



また、そういった大物のゴミを先に処理しないと、荷物をまとめようにも、出して広げるスペース自体がありません(爆)

明らかにメモリ不足のパソコン状態ですね(´д`|||)



片付けは、
2月中旬の現在でも続いていますが、2月末前には終わる目処がたちました。



当初、片付け間に合わないかなー?と思って、
引っ越し屋に全部任せた場合の見積もりを取ってみたのですが、

なんと総額27万円!!たかっ(゜ロ゜;

結局、全部自力でやります…という条件にしたら
10万円強の見積り。

まさかこれほど違うとは…

やるしかねーだろ(笑)

この時点で腹を括りました。



どの業者に決めたか、
どこが良かったか、悪かったか、
ふざけんじゃねぇよクソ業者が!
というやり取りもありましたが(笑)
そこは面倒なんで省きます┌(`Д´)ノ)゚∀゚)ォゥ



ということで、

今は2月24日、25日の引っ越しに向けて、
全力で部屋を片付け、新居作成中です🎵






新居生活をするための家財、家電、

その他もろもろの買い物にも

大変時間と費用が掛かっています。



今まで暮らしていた家では、
10年以上大切に使ってきたものばかりで、新しく買い換えた物が殆どありません。

さすがに薄汚れたものが多いので、
冷蔵庫、テレビ、電子レンジ、石油ファンヒーター以外は全て買い換えです。

これからは、とにかく時間を節約したいので、
手間が掛からない生活が出来る、ということに
凄くこだわって家電家具を揃えています。

そして、妻の為の場所も…

賃貸アパートなので出来ることも限られ、
後にまた引っ越すであろう事も考えると、お仏壇を構えるのはなかなか難しい話です。

出来ない訳ではありませんが、
ただでさえ父子家庭、発達障害、小学校入学と
やること満載なのに、さらにお仏壇の管理となれば、時間も体も足りません。

理由はそれだけではありませんが、
結果として、妻の位牌は妻の実家のお仏壇で…

様々な思いがありますが、
私は、私が出来るやり方で、
妻が最も喜ぶ事をしてやりたいと思っています。



そうそう、新しく買った家電ですが、

ルンバ買いました!

こいつはきっと救世主になると思います。



こないだ暫く動かしてみましたが、

新居だからといっても、

新しい家財等を準備するだけでも綿埃って凄いんですね。めっちゃ満タンにゴミ取れてました!

スマホから操作出来るんでネットワーク名を付ける必要があるのですが、

ルンバに名前をつけて下さい!

って言われたので

kinaco

って名前にしました(笑)



家具もルンバが掃除をしやすいように、

足元がスッキリした家具や、

突っ張りラックのような物を出来るだけチョイス。

これが凄い時間掛かりました…

思い描いているような物を探そうとすると、

何店舗見てまわっても、ネットで探そうとしてもなかなか見つからず苦労しました。



今回一番費用が掛かってるのはエアコンですね。

2台買う事になりました。

新居は 2LDK なんです。

子供が中学生になる頃までは住むだろうと考えてますから、個室を用意出来るようにしたかったんです。



今回、エアコン2台と、取り付け費用で、
50万円ほど掛かっています…

他家電家具をあわせると、
カード2枚が利用制限満額まで掛かり、
繰り上げ返済を依頼して、なんとか繋いでいっています。



あっ、借金、ローンはしてませんよ。
全て一括払い、の繰り上げ返済。

auウォレットカード、クレジットを使ってるので
ポイントの付き方が半端じゃないんです。
多分、引っ越し終えて落ち着いたらポイントでスマホ買い換えます🎵

しかも、コンビニとかではauウォレット、ポンタカードなど、ダブルでポイントが付くので、
マジで2倍の現金還元がある状態です。
もう現金使わないっすよL('ω')┘



また話逸れましたが…

家電家具は、ただ良いものが欲しかったという欲求ではなく、

今までの生活でダメだったところ、不満だったところを徹底的に改善したかったんです。



あとは、今まで部屋に物が溢れ、

空間をどんどん狭めるような生活しか出来ていませんでした。

これを改善するため、

とにかく足元に何かを置く

という事を徹底的に無くしていっています。



壁を活用する、

空中に物を配置する、

部屋の壁を見えなくするような家具は使わない。

とにかく見通しを良く、

広い間取りを、生活空間にした後でも広く感じる状態を維持出来るように考えて全てのものをチョイスしています。

ルンバが活躍出来る事も考えて、ですね。



細かい事を言えば、

綺麗を保つために、どうしてもコレだけは必要

というちょっとした犠牲みたいなものも、

徹底的に対処、排除していってます。

例えば、シンクの3角コーナーとか。

あんなん、ゴミはまとまるけど、

すぐに汚れてこまめな掃除が必要で…

時間ばかり食うわけですよ。

自炊する人はよくわかると思いますが。



洗面台回りも、

物を直に置くと拭き掃除が大変になるんですよね。

いちいち物をどかさないといけない。

それが汚れの元。

置きませんよ、もう。洗面台の回りには。

でも、必要なものはすべてすぐに取れる場所にあります。

工夫工夫の繰り返しですね。

100均には大変お世話になっています(ง •̀ω•́)ง✨



ゴミ箱だって、小さな屑入れは使いますが、

45Lや70Lといったゴミ出し用の袋を掛けておくゴミ箱は使いません!

ゴミ箱にゴミ袋を掛けるのがそもそも面倒くさい。

貯まったゴミを出すのも大変だし、ゴミ箱自体も臭くなる。

ゴミ箱を置くスペースがそもそも場所とりすぎ。

もう置きません(笑)



経験上、
どうすればゴミが匂わないか、
周囲が汚れないか、
見た目もスッキリするか、
息子のオムツ処理をしていくなかで
沢山の経験をしました。

そういうやり方をうまく使って、
汚さず、匂わず、場所を削らずにゴミ処理が出来れば良いわけですから。



こういう工夫をするため、

生活の効率を上げるために

雑貨や家電を見に行くのは本当に大変で

3、4店舗まわっても答えが見つからず、

また同じ店を巡ったり、新しい店を見たりするなかで、新しいアイデアが生まれて行きます。

大変なんですが、こういう苦労は大好きです❤



こんな事をしながら、

更に息子の為の色々な準備もしているのですが、

長くなりすぎるので今回はこの辺で…



今日も栄養ドリンク飲んで、

埃まみれになりながら頑張ろう!

これを書いている今はもう2月18日。

引っ越しまであと1週間!

もうやるしかないんだぜι(`ロ´)ノオルァー!

■ASD08 発達の遅れ

2018年1月



先月、ASDと診断された息子の直近の状況です。



あっ、ちなみに今回からタイトルが

ADHDではなく、ASDに変わっています。



最近の息子の様子ですが、

ここ1ヶ月で、今まで出来なかったこと…

ではなく、

出来るくせにやってくれなかったことを

少しずつやってくれる姿が

見られるようになりました。



例えば、日中のトイレ。



今までは、明らかにおしっこがしたくて

モジモジしながらもトイレに行かず、



👨ほーら、トイレ行ってきなー!

と言っても、



👦大丈夫行かない!

と、意地を張り、



👨早く行け!

と強く言えば、



人を睨み付けて、



👦嫌なこといった~🎵
 とーさんが~やなこと~🎵



と、ひどいオリジナルソング(笑)を歌ったり、



👦おとーさんの頭は蜘蛛だらけ~(?)



と、謎な反撃をしながら、

(更に半年前までは、どっかいっちゃえ!死んじゃえ!と、攻撃的な言葉を繰り返していたため、嫌な事を言われた時は "死んじゃえ" じゃないよ、"やめて" とか "嫌だ" だよ。と代わりになる言葉をひたすら伝えていましたので、その効果が変な言葉になって出てきたのかもしれません(笑))



👦出ない!大丈夫!
 ただこういうモジモジ踊りを踊りたかっただけ!



と、100%嘘だとバレる
おしっこ出ないよアピールを繰り返すので、

あまりガミガミ言うと余計にやらないし、癇癪にも繋がっていくため、



👨濡らすなよ?
 したくなったらちゃんとトイレ行きなよ?



と約束だけして放置した直後にはもう漏らしている…という日常が続いていましたが、



最近は、



👨行ってこーい!



👦出ない!大丈夫!



👨いいから行ってこーい!



👦じゃあこれやってから!



👨いいから行けーッ(笑)ほれっ!



👦(トイレの前まで行ってから戻ってきて)
おとーさん、xxxってツムツム取った?僕取ったんだよ!凄いんだよ!でゃーってなってガーって出てきて消えるんだよ!僕30,000円貯めて🎁買ったら一発で出たんだよ!おとーさんなんで持ってないの?出なかったの?おかねな



👨わーったから行けーっ!(笑)行ったら聞いてやるから!



👦わかったー!漏れる漏れるー!



って感じて、行ってくれるようになりました(笑)

漏らさないようにする、という意識は強くなったようで、凄い成長を感じます。



他にも、

朝起き、着替え、顔洗い、うがい、朝ごはん、歯みがき、トイレ…

といった朝のセットプログラムも、着替えの時に少しだらけますが、ギリギリ予定時間を過ぎた直後には終わらせられるくらいになってきました。



今までは、

テレビで 花かっぱ が見たくて見たくて、

それまでに準備終わらせて、ご飯食べ始めよう!

と促しても、

全然間に合う時間(10分くらい前)にも関わらず、

動こうとせず、着替えようとせず、ストーブの前で裸で寝っ転がり、
ストーブが当たってる所が熱くなりすぎて



かゆい…



と言いながら、

花かっぱが終わったら着替える。

なんて言い出す始末で、

そこで一悶着起きて、
不機嫌になり更に何もやらなくなったり、
癇癪を起こしたり、につながっていました。

しかし、今では、



👨ほら、花かっぱ 始まっちゃったぞ!
 まだ歌だから、今のうちに着替えて、
 顔洗って、うがいしてきな!



と言えば、花かっぱの歌が終わって、本編が始まった直後くらいには席についているような感じで動いてくれるようになりました(笑)



元々、ADHDだろうと思うほど多動気味で、
いつも慌ただしく、じっとしていられないという特徴はあったため、

逆に、目的をもって動き始めた時の早さ、
慌ただしさはピカイチで、
やる気になれば行動が早いのは
将来良い方向の特徴となってくれたらいいなぁ
とおもっています。



でも、トイレとか、朝の支度とか、
これくらいの事は、
平均的な発達、という方向から見た場合、
1~2年くらい前(4~5才頃)には
みんな卒業していく事なんですよね。



昔から感じていた事ですが、

息子は、出来るようにならなければならない生活習慣について、

ちょうど健常児が出来るようになっていく時期から、半年~1年くらい遅れて出来るようになっていく感じがします。

少なからず同学年の子と同じようには、なかなかうまく出来ない事を理解している親としては、



多少遅れがあったって、出来るようになるならそれでいいじゃん(*^_^*)



と思っているので、

たまたまそのときに出来なくたって、ガミガミ言わずに自由にやらせてやればいいんじゃないかなって思っています。



大人でも同じだと思うのですが、

まだ不慣れな時に、自分よりも出来る人に見張られて、

ちょっとでも間違ったらガミガミ言われるような状況が毎日続くのは嫌なんじゃないかな。



慣れるまで暫くほっといてくれよ!



って言いたくなりますよね。

多分、そうゆうストレスをもろに喰らって、

怒られて、出来ない出来ないと言われ、

いざ、やるときになったらみんなから 出来るのかな… とマジマジと見られる。

そりゃあ、みんなのいるところではやりたくなくなりますよね。



そんな毎日を過ごしている息子に対して、
親としてやってあげられること。



ストレスをなくしてあげよう。

好きにやらしてやろう。

強要はしないよ。

プレッシャー掛けないよ。

失敗は、咎めることじゃなく、最高の経験。

何度も失敗し、笑って済ませばいい。

次、やりたくないという気持ちにならずに、
もう一度やればいい。何度でもやればいい。

躾、という大切さよりも、
見守る、という事の大切さを常に意識する。



これからの息子との生活、

こういう事を意識しながら

おおらかな気持ちで送っていけたら理想的だな。

■舌癌17 緩和ケア入院の開始

2016年7月14日(木)



癌発覚からおよそ10ヶ月。

続いてきた大変な治療も一段落し、

これから復帰のための生活を始めようとした矢先、

今までの痛み止めでは対処がしきれない状態となってしまった妻。

いよいよ主治医から、緩和ケアのための入院を勧められます。



また、単なる緩和ケアのための入院だけでなく、次の治療をどうするか、それを決めるための期間でもありました。



緩和ケアとは?



この言葉を聞くだけでも嫌な気分になる方も、なかにはいらっしゃるでしょう。

病気や、治療に耐えられず、治る見込みがないと判断されたときに開始されてしまう医療行為…

そんなイメージばかりが先行しているのが実情のような気がします。

緩和ケア病棟、なんて言われる施設があるのもその原因のひとつだと思います。

緩和ケア自体は、別にそのような場所に入らなくても、癌治療等を行っている一般的な大学病院や、癌専門の医療機関であればどこでも行っている医療行為であり、決して、死を待つまでの快適な暮らしを…といったネガティブな医療行為ではありません。



緩和ケアの主な目的は、

癌を代表とする、耐えがたい痛み、苦痛を伴う難治性の病気、怪我などに見舞われた患者の、痛み、苦痛を可能な限り和らげ、または取り除く事を目的として行われるものです。



しかし、目的の最終地点としては、

痛み、苦痛を取り除く事により、肉体的にも、精神的にも、可能な限り落ち着いた状態を維持出来るようにする事で、より適切な治療を受けられるようにし、QOL(Quality of Life:生活の質) を高められるようにする事が目的とされています。



結果として、

根治出来たり、
良く延命出来たり、
好きな事をしながら生活を送れたり、
辛くない余生を送ったり…

結果は "病状により" 様々ですが、

その間に、苦しむだけで時間が過ぎていく事や、
食べたいのに食べられない、
やりたいのにやれない、
治療を続けたいのに体全体の状態が悪くて治療を続けられない、

など、
いわゆる生活の質 QOL が下がり、

生きている価値がない、
希望が持てない、

といった状態になってしまわない為に行う医療行為だと理解した方が良いと思います。



そして、緩和ケア入院とは。

痛みや苦痛、そして、
薬による副作用(特に急性期副作用)に対して、
より適切な薬の量、種類等を確認し、
安定した状態を作るための期間として
行われる入院です。

一言に緩和ケアと言っても、
人により、病状により、
効く薬の種類、
量、
タイミング、
組み合わせ、
副作用、
すべて違います。

ただ、麻薬系の鎮痛剤を使えば痛みは取れる
なんて乱暴、かつ、楽なものではありません。

逆に効きすぎて、生活が出来ないレベルまで意識が低下してしまうような事さえあります。

そういった問題に対処し、
初期の副作用が発現し、それが落ち着き、
その人に合った安定した薬の投与が確定するまで、
最低でも1~2週間程度は掛かります。

そのための、薬の投与方法のプランニング期間が緩和ケア入院の目的です。



勘違いしないようにしたいのは、

緩和ケア入院なんてしたら、薬漬けにされて逆に殺されちゃう!

なんて安易な考えを持ってしまわないこと。

今よりももっと良い治療を受けられるようにするため。
生きていること自体が苦痛になり、希望を持てなくならないようにするため。

そういう生活、治療をするための基盤作りのために、

患者と、家族と、医師とでプランニングしていく事が大切なのです。

そういう取り組みに対して、緩和ケアという名前が付いただけであって、決して麻薬漬けにされて、訳も分からなくされてしまうなんて思わないで下さいね。






【ご注意】

以下で紹介する薬、量、摂取タイミング、組み合わせ、副作用等は、すべて妻の2016年7月時点での病状にあわせたプランです。

同等の症状でお困りの方であっても、ネットにこんな情報があったと医療機関に相談したり、どちらが正しいのかと確認されることの無いようお願いします。

緩和ケアは常に患者様自身の状態に応じて医療機関にて計画されるものです。ネットの情報は参考、予備知識程度と考え、この情報が正しい、間違っている、といった判断材料とされないようお願い致します。






改めて、2016年7月14日



緩和ケア入院の開始。

まず処方されたのは痛み止めの オキノーム。



オキノーム散
https://www.qlife.jp/meds/rx18285.html



最もお世話になった痛み止めです。

痛みの度合いに応じて成分量は変わりますが、非常に即効性があり、強い痛みでも消し去ってくれるほど強力な効き目があったようです。
(痛みの強さに応じて、成分量は増えていきましたが…)

また、一般的な投薬間隔は6時間ごとと決まりがあるようですが、

痛みがある場合に限り、1時間あければ何度飲んでも構わないと言われていました。

主な副作用は、吐き気・眠気・便秘。

使い始めた1日目は、強烈な眠気以外の副作用はなかったとのこと。

暫くこれで痛みのコントロールを続け、適切な量を決めていきます。






2016年7月16日



生検の結果が出た。

やはり舌癌の再発。

小線源治療をやる方向で話を進めてもらう。



オキノームの副作用がまあまあ強く、
飲むと15分以内に強烈な眠気。

薬を飲んで、暫く話でもしながら待っていると、突然意識を失うように、ベッドの上に座ったまま寝てしまう。

食事の前に薬を出して貰い、薬を飲んで痛みが消えたところで食事を食べようとする頃に眠気が来るため、
この頃は食事が出てきてから30分くらい先に寝てしまい、その後起きて食事をする。という具合に。



この日、
昔からスノーボードによく行っていた知り合いがお見舞いに来てくれた。



ヨーグルトをたくさんいただいたよ( ´艸`*)

その中のひとつに、
見たことのない、高級そうな飲むヨーグルト♪



あってるかどうかわかりませんが…
記憶の限りでは↓のヨーグルトだったはず。
四角い形で、白い箱入りだったヨーグルトなんてこれくらいしか見つからない。



プロテオグリカン入りヨーグルト
http://sakurabeautiful.com/?p=13479



口の中の痛み等で、食べられるものが限られることを伝えていたので、色々考え気遣って頂けたんだと思います。

本当にありがとうみんな(ノ_・。)






2016年7月17日



今朝は体重測定があった。

41.4kg。

入院時の体重と変わりなし。

けっこう食べてるんだけどなぁ…。



一時期は、痛みで何も食べられない状態だったが、オキノームを飲み始めてからは結構普通の食事が出来ていた。

ここ数ヵ月の食事量からすれば確かに多いが、
さすがに太れる量では無かったかな。



そして、痛み止めが一部変更に。

1日4回のトラマールから、

1日2回のオキシコンチンに。



オキシコンチン
https://www.qlife.jp/meds/rx18279.html



オキシコンチンは、即効性はオキノームに劣るものの、効果がゆっくりと半日くらいは続く痛み止め。

オキノームだけだと、痛みと、無痛との波が大きく、頻繁に痛みが再発してその度にまたオキノームを飲み、眠気に襲われるため、

一日中、痛みと眠気と追いかけっこをしているような感じであった。

これをオキシコンチンで大きな緩やかな波に変えていきつつ、強い痛みが出る前にオキノームで抑えよう、という感じか。





2016年7月19日



朝起きたとき、痛みが一段とヒドい。

起きてすぐ(6:00頃)ロキソニンを飲む。

7:00にオキシコンチン、7:30にオキノーム。



この頃から、オキノームの強烈な眠気が無くなってきた。

麻薬系の痛み止めは、短期的な副作用が強く出る傾向があるが、暫く続ける事で体が慣れ、消えていくらしい。



強烈な眠気はないものの、常にふんわり眠いようで

午前中は寝て過ごすことが多かった。



夕方、CT検査があった。

遠隔転移の有無を調べるためだったようだ。






2016年7月20日



朝の診察の時に、昨日のCT検査の結果報告。

遠隔転移ナシ!(≧∇≦*)

小線源治療への道、第一歩前進♪






2016年7月22日



息子の保育園での個人面談のため、保育園まで外出。

外出届を出し、妻は両親の車で保育園へ。

自分は会社を午後半休して、保育園で妻と合流する。

が、妻の調子が悪そう…

どうやら、来る途中の車の中で車酔いしてリバースしたらしい。

お昼ご飯せっかく完食したのに…と悔しがる。

保育園の面談では頑張って話を聞いていたが、眠気に勝てず。

頑張ってしまう性格のため、調子が悪いのか眠いのかわからず、途中でトイレに行くも帰ってこず、心配になって保育園の先生に見に行って貰う一幕も。
妻はトイレで寝ていたらしい。

痛み止めにより、痛みに苦しむ事は少なくなったが、起きて活動するということが難しいくらいの副作用が続く。

これら副作用と、痛みと、活動のバランスを取るのが難しいのだ。






2016年7月23日



昨日の保育園外出が思った以上に疲れたらしく、ほぼ1日寝て過ごした。

オキシコンチンの副作用(吐き気)がだいぶ出てきているっぽい。

吐き気止めを予防的に飲んでおき、少ない水で薬を飲めばだいぶ収まるみたいだ。








2016年7月25日



この日は、

顎の切除を伴わない治療法として
受けられることを期待している、
小線源治療を行っている東京医科歯科大学病院へ。

小線源治療の可能性を聞きに、
放射線科のY先生を訪ねます。



が、

この話は次回に詳しくお話をします。



とりあえず、小線源治療について話を聞きました。



ここでも色々な事がありましたが、
納得するまで話をし、
今日はいったん元の病院に戻り、
緩和ケア入院を継続します。






2016年7月26日



あまり眠れず、夜中に何度か目が覚めた。

眠剤もらえば良かったなぁ。

明日はいちばんつきあいの長い親友がお見舞いに来てくれるので楽しみ♪






2016年7月27日



朝ご飯食べたらリバース(;´Д`)!

食事の後に吐いたのははじめて。

最近、胸のモヤモヤがヒドくて、食べるたびにモヤモヤしてたけど…



吐き気を押さえる薬を
強いものに変えてくれるみたい。

これで少しはおさまって、
食べられるようになるといいなぁ…

ナウゼリン坐薬という吐き気止めに変えてもらって1時間後、だいぶ吐き気がとれてきた。



夕方、一番の親友がお見舞いに来てくれた!

親友のお母さんからもお見舞いの品をいただいたよ!

みんなが応援してくれてて、見守ってくれてるんだから、絶対負けるわけにいかないんだ!






2016年7月28日



お母さんが漢方薬をお茶にして持ってきてくれた。

漢方屋さんへ行って、
私に合うように調合してもらったんだって♪

今の症状と、これからやる予定の抗がん剤での副作用を考慮して作ってくれたもの。

味は、甘めでとても飲みやすい。



薬剤師の先生方が言ってたんだけど、
飲みやすい漢方はその人に合ってるんだって。






2016年7月29日



朝、体重測定したら39.8kgだった。

わ~!

ついに夢の30kg台に突入しちゃったよ!



東京医科歯科大学付属病院への転院日が
8/1(月)に決まった。

の~びり過ごそ~っと☆






2016年7月30日



ぜんぜんお腹がへらない!

そりゃそうさ。

午前中はダラダラ寝てばかり。

午後も動かずベッドの上。

それでも午後はストレッチしてるんだけどな。



お昼と夕方2回、嘔吐。

薬を飲むときの大量の水が原因っぽい。

水はチョビチョビ飲むなら大丈夫なんだけど、

一気に飲むと嘔吐反応が…。



今日は隅田川の花火大会だったのね。

入院してる部屋から、小さくだけど花火が見えた。



この花火は二人で病室から見ました。

この緩和ケア入院の頃から、土日含めると週に4日くらいはお見舞いに来ており、

一緒に夕飯を食べたり、

院内を一緒に歩いたり、

ただ一緒にいたり、

調子が良かったり、悪かったりしていたので、

無理をさせず、リラックス出来るように過ごしていました。



自分も以前、怪我で1週間ほど入院したことがありました。

とても辺鄙な所の病院だったのですが、
その時に、まだ付き合っていた頃の妻が2日に1回お見舞いに来てくれた事が物凄く嬉しくて、
病院に一人でいる時間って、

たった1時間でも物凄く長いなぁ…

なには無くとも、誰かが来てくれるだけで本当に嬉しいし、気持ちが楽になる。

と感じた事がありました。

たった1週間でもそんな気持ちになります。



そう思うと、

自分がお見舞いに行っても病気の状態が変わる訳じゃないし、病院にいるんだから、何かあっても一番安全な場所だし、大丈夫だよね…

なんて思うことは到底出来ず、

お見舞い時間終了10分前に着く事が分かっていても、

顔を見てすぐ帰る、という事が分かっていても、

それだけで気持ちは全然違う。

そういう想いを持っていつもお見舞いに行ってました。

実際、

プリン買ってきたよ!
じゃあねーッ! ヾ(@゜▽゜@)ノ

なんて事もよくありました(笑)






2016年7月31日



夜中の2時と5時に痛くて目が覚めた。

痛み止めをもらってなんとか寝られたけど

しっかり寝た気がしないなぁ。





ここまでの、

7月14日~7月31日の経過が、妻の緩和ケア入院の状況です。

結果的に、痛みと副作用の十分なコントロールとまではいきませんでしたが、

急性期の吐き気や、意識の低下、うとうと、ぼんやりなどの副作用も、どうすれば楽になるか本人なりにコツを掴み、

痛みも朝方薬が切れてくるタイミング以外はコントロール出来て、薬の量も決まり、安定した感じとなりました。



痛みをずっと我慢していた妻は、

うなだれ、元気がなく、何も喋ることも出来ず、食事も出来ずにいましたが、

痛みや、吐き気のコントロールが出来るようになってくると、食べる楽しみが戻り、一緒に夕飯やスイーツを食べながら話をする事も出来るようになりました。



私の気持ち的にも、



大丈夫かな…(ノ_・。)



という思いから、



楽しめる事は楽しみながら、治療頑張ろうぜ!



という思いに変わり、

心に余裕と、希望が沸いた事を記憶しています。



妻本人は、当然苦痛が減った事で相当楽になったでしょう。
食事も出来るようになり、笑顔が戻りました。

私としても、
妻の苦痛に耐えている事に対して、自分は何も助けてやれない、という思いが消えたことが何よりも前向きになれたと思います。

緩和ケアの効果ですね。



こうして、約半月の緩和ケア入院を経て、

いよいよ、命を繋ぐ最後の望み。

小線源治療のために、東京医科歯科大学付属病院へ転入院することになります。

■舌癌16 絶望と、希望と・・・

2016年7月10日



舌切除、

頚部リンパ節切除、

頚部放射線治療

と治療を繰り返し、やっと会社復帰と、これからの体力回復と、抗がん剤治療の準備の為に、ようやく前を向いて自分の足で歩き始めた妻の出足を払い、どこまでも付きまとい続ける病魔。



口内の強い痛みの為に救急対応を行った7月10日。

精密検査と、主治医の判断を仰ぐために

また会社を休んで病院を訪れたのは、その翌日。






2016年7月11日



おはよ~✨
調子は昨日と変わらず。
今朝は痛くて3:30に目が覚めた。



妻は、朝早くから痛みがあり、
痛み止めを飲んではいるが、今までのように効いてはくれず、食事もままならない状態に。



癌の再発は最悪の結果だとして、

それ以外の原因があるとすれば…



顎骨壊死は、まさかこんな早く起きる筈はない。

今回の放射線治療は、顎骨に当たらないよう注意しながら行っており、出来る限り壊死を起こさないように治療をしているのだ。

しかし、舌の付け根付近がえぐれ、
その深い位置、右奥歯の虫歯か、右耳の中耳炎か、
そういった類いの強い痛みが消えない事を考えると、顎骨壊死も想定される。

だとすれば、舌の付け根のえぐれた部分から、
骨が壊死した膿のようなものが出てくるために、
そのような変化を起こしている可能性はある。

起きる可能性こそ低いものの、
状況だけで考えれば、顎骨壊死もあり得る。

絶対にあって欲しくない事だが…



舌の神経がビリビリと激しく痛むのは、
口腔カンジダの可能性?それとも…

カンジダの画像を検索すると、妻の今の口腔内の状態に近い画像が沢山見つかってくる。

発生原因も、
放射線治療後や、ステロイドの多用、口腔内の十分な清掃不足(放射線副作用の悪化を防ぐために致し方無い部分が多分にあるが)、唾液の分泌不足など、全ての条件が合致する。

カンジダ、つまりカビ、真菌は、
非常に患部の状態が良くないときに併発する恐れのある、病状を更に悪くする原因にもなり、免疫力が落ちている証拠にもなる。

知らずに放置したり、
舌のかさぶたのような塊を綺麗にしようと磨いてしまったりすると、菌が血管に侵入し敗血症になる恐れもある。

治療に時間も掛かり、他の治療も止めてカンジダを先に治さなければならず、いま、そんな事に足を引っ張られてしまう訳にはいかない。



これら起きて欲しくない問題が起きていないかどうか。

癌の再発は無いか。

今の痛みを抑える方法はあるのか。



病院は大変混み合っていて、すべての検査が終わるまで長い時間が掛かったらしい。

血液検査、口腔内検査、触診、真菌検査、MRI

特に今回の検査では、
MRIで舌付け根のえぐれと、顎骨の状態、癌再発を早期発見するための検査という意味合いが強かったのだろう。



私は、色々な可能性を考え、

癌の再発が頭を過り、

しかし、悪く考えてはいけない、思えば思うほど悪いことが起きるぞ、と妻両親に釘を刺され…

辛い思いをしているであろう妻へ連絡します。



     いろんな言葉が浮かんで、消えて…

     心がメチャクチャだ

     痛みを取ってあげることが出来ない、
     無力で、悲しくて、辛くて、怖くて、



痛みを取るのは医者の仕事。
家族はそばにいてくれるだけでいいんだよ💕

明日、検査の結果聞きに行くから
一緒に来てね✨



これじゃ、どっちが励まされているのか…

本当に情けないm(__)m



この言葉を私に投げ掛けた時の妻の気持ちを
私は2017年5月頃に知ることになります。



この日、妻がひとり涙を流し、

言葉を失い、

明日、旦那様と一緒に結果を聞きに来て下さい。

と言われていた事を、私はまだ知りません。






2016年7月12日



妻と一緒に、昨日の検査結果を聞きに行きます。

妻は、妻の両親に車で送られ、義母と一緒に病院に来ます。



長い長い待ち時間…



ようやく呼ばれ、妻と私だけ診察室へ。
義母は外で待つ事に。

診察室に入った私たちは、MRIの画像を見ながら主治医の説明を聞きます。



舌右側切除部 ~ 舌右側の付け根
付近にあやしいモヤモヤが写っている。

癌の再発の可能性が高いです。
確定診断の為に生検が必要です。



と。



妻は、何も言わずポロポロと涙を流します。

私は、一瞬言葉を失い、

妻の手をぎゅっと握り、



手術では、癌を取りきったんですよね?



と、何を求めているのかわからない言葉で、沈黙を遮ります。



手術では、ちゃんと安全域をとって癌を取りきっています。切除断面にも癌は見つかっていません。

癌は数年掛けて大きくなっていくんです。
通常はこんなに早く癌が広がる事は少ない。
しかし、10人に1人くらい、大変アグレッシブな動きをする癌があります。

手術の時にも言いましたが、
奥さんの癌は浸潤性が高い癌で、あまり一ヶ所に固まっていない。

そういう癌は、癌が手を伸ばしていなくても、
突然近くのリンパや臓器にジャンプすることがあります。



主治医の先生はMRIの画像を見せながら、淡々と続けます。



舌の切除部分と、
口腔低(舌の付け根など、舌の下の部分)に影が広がっています。

これがもし癌だとした場合、

外科手術で、舌を半分以上切除(亜摘出)と、
右顎の骨を区域切除、または、半分近くを切除して、その周辺と、口腔低の肉をすべて一塊として切り取る必要があります。

当然、右下の歯もすべて無くなります。
舌も、以前は神経を残して切っていますが、今回は神経ごと切る必要がありますから、殆ど動かなくなります。

ただ、切ったままでは傷を閉じることが出来ませんから、別の部位から肉を持ってきて、切った部分を移植により補います。

舌も再建します。

その際、十分な血流が見込める血管ごと肉を移植しないと、切った肉が壊死して落ちちゃいますから、そうならないように顎の血管を縫合して、血流を確保したものを当てる必要があります。

通常、肉を補う場合は、お腹、お尻、太股、腕などから切り離した肉を使うことが多いのですが、顎への移植の場合、顎に流れる太い血管が人間には1本しか無いため、この血流が妨げられるとすぐに肉が腐ってしまう。

そのため、切り離した肉を使った移植(遊離皮弁・ゆうりひべん)を行うのはややリスクがあり、最近は組織を切り離さずに繋がったままの組織を使って移植(有茎皮弁・ゆうけいひべん)をする方が良いとされています。

ですから、もしやるとすれば、右肩~右胸辺りの肉を切り取り、首付近の肉は繋げたまま肉をねじり、顎の中に入れて繋げる、という方法がいいと思います。

切り取った肩、胸の所は皮膚の代わりになる医療用の網のようなものを被せて、治癒を促します。
他の肉などで整形するかどうかは癌の再発がない事が確実になってから考える事ですね。

歯も、癌再発が無い事を確認してから口腔外科などと協力して、歯茎や歯を再生させることも出来ます。最低でも3~5年後くらいの話ですね。

傷が癒えて、残った歯でものを噛んで食べられるかどうかは、半年後くらいからリハビリすることになると思いますが、顎骨を切りますから噛むのは難しくなります。

顎骨の区域切除なら、切った部分を補う金属プレートか、人工骨で、骨と骨を繋げて噛めるようにしていきますが、顎骨を半分切除してしまうと、右耳の方まで骨が無くなりますから、その場合は金属プレートなどで補う事は出来なくなります。

金属のプレートも、人工骨も、体からしてみれば異物のため、周囲が膿んでしまい、体の外に排出される事もしばしばあります。
いずれにしても、そうなってくると噛むのは難しくなりますね。

まずは、先の事よりも、癌を何とかしなければいずれにしても顎は無くなりますから。
すぐに準備を始めて、最短で8月24日に手術の予約を入れておきましょう。



悪性腫瘍切除後再建
慶應義塾大学 整形外科学教室
http://prs.med.keio.ac.jp/akusei/



遊離皮弁壊死への対応
J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjshns/27/2/27_141/_pdf



口腔癌切除後の有茎皮弁再建についての検討
J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsot/25/4/25_142/_pdf



ただ淡々と話を進める主治医と、

あまりの治療内容に絶句する私、

静かに涙を流し続ける妻…



顎の半分を切り取る…
あれだけ痛がっていた舌もまた切る…
もし、この手術が上手くいったとして、
妻は、食べ物を食べることは出来るのだろうか。
人として生きていく事は出来るのだろうか。

治療をしなければ、これ以上に辛い結果が待っている。



治療を選ぶも地獄

諦めるも地獄



…絶望しかありませんでした。



もし、手術が上手くいったとして、
妻は食事は出来るようになりますか?
いつ頃から食べられるようになりますか?



少なくとも、半年は経管による流動食。
嚥下リハビリを行って、飲み込みが出来るようになれば、その後は口からヨーグルトなどから始め、徐々に流動食を食べられるようになるでしょう。

私の患者で同じ手術をして、
片方の顎だけでお煎餅を食べられるようになったお爺さんもいらっしゃいます。



最高の結論だった時はそうなるんでしょう。

しかし、

個人的には、上手く行く結果だけを見て、悪いときの結果を考えずに進んでしまい、とてつもない、とても人として耐えきれないような苦痛を妻に与えることは絶対にしたくない。

怖がって治療しない、という事ではない。
この先、自分がどうなるのか見通しが立たなければ、希望を持つことも出来ない。

希望を持てない治療をしても、癌以外の苦痛によって生きる力、意思を無くしてしまうような結果にだけはなって欲しくない。

生きる力を治療によって奪われ、
生きながらにして絶望をし続け、
殺して欲しいと懇願されるような未来を描きながら今の治療に立ち向かっていく事など、どんなに強い人でもそれは無理だ。

もし悪い結果になってしまったとしても、
それでも希望を持って生き続け、
もし癌に負けてしまうような事になっても
癌以外の、死ぬことさえ出来ないような苦痛を
常に感じ続けるような、
そんな人生を妻には送って欲しくない。

だからこそ聞きました。



もし、その手術をして、
万が一、今回のように癌が再発したら
妻はどうなりますか?



今考えるべき事では無いと思いますが、
もしそうなった場合は、
切った傷口が繋がらずに、下顎はすべて無くなり、
下顎が無い、という状態で大変な苦痛を感じる事になるでしょう。
当然出血も続くようになりますから、
その状態でどれだけいられるのかは今はわかりません。



そうですか…



今回の再発までに掛かった期間およそ半年。

直感的に、

最悪の場合、半年後には妻はそのような状態になる可能性がある。

手術結果が悪ければ余命半年…
しかも想像を絶する苦痛が待っている…

そう感じました。



もしうまくいったとしても、
そんなツギハギだらけの顔で生活している人を、私は見掛けた事がない。

治ったとしても、生き続ける事が難しいのか、
家に籠ってしまうのかわからないが、
とても妻がそんな生活でもいいと、心の底から思うとは到底思えない。
たとえ命が助かっても、だ。



その後、

手術をせずに抗がん剤による延命治療の可能性について話されましたが、
口腔癌、扁平上皮癌は抗がん剤が効きにくい事が、統計上で分かっています。

まだ根治が望める方法は切除しかない、とされ、

もし抗がん剤で癌がとても小さくなるようであれば、その時はサイバーナイフによる治療も検討出来るかもしれない、という事だ。



サイバーナイフ
wikipedia
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%83%95



1週間後までに、家族でよく話し合って決めてきて下さい。



あと、今日やるべき事として、
この画像診断結果が本当に癌の再発かどうかの確定診断をしなければならないため、舌の生検を取らなければなりません。



と言い、妻の口の中にゼリー状の麻酔薬を含ませて、生検の準備をしていきます。



麻酔が効くまでの暫くの間、先生と話を進めます。



先日、痛みが酷くて救急対応頂いたのですが、
痛み止めがあまり効かず、処方されている薬でも耐えるのが難しい感じがするのですが…



多分、緩和ケアの為の入院をした方がいいでしょう。

緩和ケアというと、末期症状の方がやるものだという意識があるかもしれませんが、
癌治療と緩和ケアは、癌治療における2本柱で、
どちらが欠けても治療が上手く進まないのです。

もっと強く効く痛み止めはありますが、救急などでは処方出来なくて、入院管理の中で、どの薬をどれくらい使っていけばよいのか決めていく事になります。

奥さんの痛がり方を見ると、緩和ケアを始めるのがいいと思いますよ。



このとき、麻薬系(モルヒネ系)の薬の事など色々聞きましたが、今回は割愛します。

早く痛みを取ってあげた方がいいと思いますので、明後日、7月14日から入院出来るようベッドを予約しておきます。
そのまま切除手術まで入院で管理して行きましょう。
その方が奥さんも安心でしょ?



麻酔の効きを待っている妻が、
口を開けたままウンと頷きます。



なお、
今回の検査前に懸念していた

顎骨壊死、口腔カンジダ

は、検査の結果どちらも起きていない事がはっきりしました。

良かった…

しかし、だとすると今の痛みはすべて癌再発の仕業となる。
どちらも嫌な事だか、結果的に最悪の結果だったということだ。



それでは検査が終わるまで外で待っていて下さい。



私は外に出て、義母へ今の話を伝えます。



………



もう、それをするしか無いの!?
その手術をすれば助かるの!?



助かるかどうかは、わからないんです。

もう、ここからは命を掛けたギャンブルでしかない。

やってみて、
結果が良くても、どれだけ生きられるか。どこまで生きる力が回復するか。
結果が悪ければ、最悪の結末が待っている。



抗がん剤で、癌が小さくなって
癌と共存していく事が出来てる人だっているじゃない。
そういう方法はないの!?



それは、
根治が望めない人が選択する方法であって、あくまで延命治療です。

もし抗がん剤が効かなければ、何もせず放置したのと同じ結果が待っている。

そうかどうかの結果が出るまで、少なくとも2~3ヶ月の抗がん剤治療を行い、結果をみなければいけないんです。

その時、結果が悪かったからといって、今回の手術をやっぱりやります、とは言えないんですよ。

そうなったらもう根治は望めないんです。

まだ根治が望める今のタイミングで、あえて根治が望めない方法を選択しますか?
妻がそれを望むとは思えないんです…



もう何も他に出来ることは無いの!?



他に出来ることが無いか自分も調べます。
手術をするかどうか、1週間後に伝える事になっています。それまで考えます。

ただ、この癌のプロフェッショナルが、この方法しか根治が見込める方法は無い、と言っているんです。今の状況はそういう状況なんです。



そんな話をしながら二人で涙を流している所に、妻が生検を終えて診察室から出てきます。



妻をぎゅっと抱き締め、背中を何度もポンポンしながら、何も言えずにいると、



そんな顔しないで(*^_^*)

まだ死ぬと決まった訳じゃないよ。

そんな顔をしないで…



一番辛いのは、妻なのだ。

治療をしなければ、何をするか決めなければ、

という苦しみが待っている。

どんなに辛くても、逃げたくても、

決断しなければならない。

諦めている暇などない。

絶望なんかしてる時間はない。

生きるために何をすべきか、

考え、決断し、覚悟を決めなければならない。



妻は、今回の報告を受けて、

どうしても話をしておきたい人がいる。

と言って、病院地下にある放射線科へ向かいます。

義母は、誰かに連絡をするのか、携帯を持って 上で待ってるからね とそこで待ちます。



つい先日まで治療を受けていた放射線科。

その担当医であった女医さんが、とても親身に話を聞いてくれる良い先生だという。

とてもフランクな話し方をする方で、名前が純粋な日本名ではない事から、恐らくハーフの方なのだろう。

急な訪問だったが、ちょうど診察がすべて終わるタイミングだったため、快く私たちを迎えてくれた。



妻が、

再発しちゃったみたいです…

と伝えると、



ええー!
ついこないだ放射線終えたばかりなのに…
再発って、どこ?



と言いながら、電子カルテを見始めます。



舌と、口腔低か…
場所が切った場所だもんね、転移じゃなくて再発なんだろうね。

確かに、放射線治療は頚部リンパ切除後の掃除としてやってるし、転移予防だからねー

しかも顎の中には直接は危なくて当てられないから…でも、それでも20、30グレイくらいはその場所にも当たるはずだから、ある程度予防くらいにはなるかもしれないけど…

そっかぁ…

で、主治医のH先生は何て言ってるの?



下顎の半分を切って、胸の肉を持ち上げて再建するしかないって…



でもそれじゃ何も食べられなくなっちゃうじゃない!
んー…もう少し早く気づいていれば、切らなくても放射線で十分治療出来たと思うんだけど…



半年は経管だろうって。
歯とかを再建するのは3~4年掛かるみたいです…



先生は妻の背中を撫で、無言で妻の気持ちを受け止めます。

私も、妻も、涙が溢れ、我慢していた感情が溢れてきてしまいました…



私から先生に訪ねます。



正直に言います。
今回の顎切除治療は、どうしても他に出来ることが無い時の最終手段だと思っています。
他に何か治療方法はありませんか?



本当は、舌に出来た小さな癌が対象なんだけど、同じような口腔低癌に対しても根治できた放射線治療があって、私実際に見たことがあるんですよ。

小線源治療といって、医療用の放射線を出す針を舌に刺して、その周囲の癌だけをやっつけるやつ。

ちゃんとした設備がないと出来なくて、子宮頸癌や、前立腺癌にはうちの病院でもやってるんだけど、口腔癌で出来る所は少ないんですよ。

この辺で有名なとこは、
癌研有明
東京医科歯科大学放射線科ならやってるんですよ。医科歯科大学は症例数も非常に多く、日本で一番治療成績残してる所なんですよ。



舌癌の小線源治療について
広島大学病院
http://home.hiroshima-u.ac.jp/housya/medical/disease11.pdf



東京医科歯科大学 放射線治療
http://www.tmd.ac.jp/medhospital/medical/department/housyasen.html



実は、東京医科歯科大学で小線源治療やってるY先生と友達で、本当に素晴らしい技術のある先生だから、もし小線源治療やってみるなら、私から連絡しておきますよ!
あと、主治医のH先生にも伝えるようにするから、もし本当にやるなら私のところに来て。全部話つけてあげる!



小線源治療ってどんな…



まだ知識の無かった私たちは、小線源治療に対して聞きまくりました。

また、小線源治療がダメだった場合に、主治医の言っていた切除手術は可能か聞いたところ、状況にもよりだけど、出来ないという事は無いはずだよと。



これは…いけるかもしれない。まだ残された治療法があった!



その場で過去の治療実績などを調べ、すぐさま



やる方向で調整します。早めに結論を出します!
ありがとうございます!
これが唯一の希望です!



といって、この治療をやりたい事を義母に伝えに行きます。



義母に伝えると義母もすぐに納得し、
もう、今すぐやるって先生に伝えてきなよ!
と言われ、もう一度地下へ駆け降り、先生にその旨を伝えます。

明日朝イチで主治医に伝えておくから、主治医からの連絡を待ってくださいね。

と快く引き受けて頂きました。



絶望のなかに見えた、唯一の希望…

7月12日、たった1日の間に起きた天国と地獄。

私たちは、小線源治療にすべてを掛けてみる事にしました。



そして、

主治医からの報告を待ちつつ、
2016年7月14日、妻の緩和ケアが開始されます。