~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■ADHD18 報酬系  と学級崩壊

2019年9月



(この記事は、夏休み後半から書き始めて、
9月末まで編集をしていたため、
前半後半で話の流れが少し違います。)




夏休みも終わり、

一気に涼しくなってきましたね。



息子は2年生になって、

情緒の特別支援級 + 交流級で過ごしていますが、

その甲斐もあってか、はたまた成長かわかりませんが、

まずは、謝罪を要求されるような事態は

1年前に比べ、だいぶ少なくなりました。



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↑ 夏休みに、扉に挟んだ親指と、交尾中のバッタを捕まえる息子ムシキング(笑)



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↑ 夏休みにタンスの角におでこ強打したケガ💦

↓ 今ではここまで回復しました!

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1年前と比べ、だいぶ落ち着いた息子ですが、

突発で友達を叩いてしまったり、

怖い言葉を使ったり、

相手の気持ちを考えずに



あー、そんなことするんなら
100回ぶっ叩いて、おもちゃ壊すから!



といったような発言を、

自分に気を向けたい一心で言ってしまったり。



これらの発言には、あまり怒りの感情は無く、

自分の思い通りに周りが動いて欲しいという思いで

挑発するような感じで口にしてしまうようです。



使っている言葉はトゲトゲしいものが多く、

当然相手は嫌がります。

そして、その言葉に反発され

いやだよ!

などと言われたりすると、

さらにしつこく嫌な言葉が並んだり、

瞬間的に手が出てしまう…

そんなやりとりは、まだ散見されます。



友達と上手に接する事が出来ず、

どういう言葉を使えば

気分を害されずに自分の思いが伝わるのか、

そのやり方がわからない…

といった感じです。



傍から見れば、

なんて思いやりのない子なの…

という印象でしょうね。



しかし、本人は

これで友達と楽しく遊べる!

という思い全開で

その行動をしているので、



本人が 正しい と感じている事を、

間違っている、

悪い行動をしている、

という事を伝える事自体は出来ても、



それを本人の中で、

正しかった筈の、実は悪いことを、

悪いと思っていた、本当は正しい行動に

差し替えるように理解を促す事が

とにかく難しいのです。






自分の思いを通すには、

まあ、色々な考え方があって説明はしきれませんが、

まず相手の思いを通してあげる事が

一番いいんじゃないかなー、と

大人ながらには思いますが、

それはあくまで大人の考え。



さすがに子供同士では、

相手を立ててあげる、なんて事は

よく出来た子でも難しく、

通常は相手を立ててあげるのではなく、

自分が、嫌だけど、我慢もしなきゃ…

悪い子になったら、怒られるし、

自分のお願いも聞いて貰えなくなっちゃうから…

というくらいが殆どだと思います。



これって、

我慢出来る子かどうか、という見方もありますが、

根本は、報酬系のやりとりなんですよね。






報酬系とは、

簡単に言えば、



A(オモチャ)が欲しい。

でも、ただ欲しいと言っても貰えない。

B(勉強)を頑張れば、A(オモチャ)を買ってあげるよ!

と言われた。

A(オモチャ)が欲しいから、

A(オモチャ)を欲しいとは言わずに、

B(勉強)を頑張ろう。

それがA(オモチャ)を得るための一番の近道だから。



という考え方です。






欲しいものを買ってもらう、とか、

大人なら、頑張って働いて給料を貰う

といった話は、

まさに報酬系では一番わかりやすい話ですが、

こんなのも報酬系のやりとりになります。






早く食事が終われば

しばらく遊ぶ時間作れるよ!

(そしたら、その時間でyoutube見れるね!ゲーム出来るね!)



とか、



ゲーム出来るのは、

宿題と、明日の準備終わった人だけ!



とか、



10時に寝る約束が守れないなら、

明日はタブレット使うの無しね。



とか、



(以下は、あまり好ましくない対応ですが時に必要なケースありとして)



間違った事をやめられない時、

叱られる、罰を受けるという恐怖を与える。

本人は、その恐怖が嫌で、罰から身を守るために

言うことを聞くようになる。



など。






つまり、



AとB、更にはC、Dといった、

いくつかの要素同士を1つの話で繋ぎ合わせて、

本来の目的、希望であるAを叶えたいが、

それを達成するためにはBやCなど

希望以外の行動をとならければならない。

希望以外の、興味が無いものに対して

興味を向けなければならない。



という、

2つ以上の要素を、1つの話の中で

関係性を持たせて理解させるやりとりの殆どが

報酬系の話、ということになります。



別段、障害を持つ子の多くが

報酬系の理解に問題がある、という事はありませんが、

ADHDに関しては特に、

この報酬系回路の能力低下とみられる傾向が

強いとされています。






報酬系を通した注意欠陥、多動性障害の病態理解
J-Stage
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbpjjpp/22/4/22_253/_pdf






以前は、報酬系の制御が殆ど不可能で、

以下のような行動がほとんどでした。






オモチャ欲しい。

でも、ただ欲しいと言っても貰えない。

B(勉強)を頑張れば、A(オモチャ)を買ってあげるよ!

と言われた。

A(オモチャ)が買えないという事実が頭に充満する…

嫌だ!買って欲しい!買って!買って!買って!

買わなければお父さんはクソボウズ!(嫌味のつもり)

だから言ってるでしょ?勉強終わらせたら買うよ。

嫌だ!今買って!今買って!買って!買って!買って!

(無限ループ)






このまくし立てる感じ。



とにかく、自分のやりたい事、欲しいものを見つけたら、

まずそれを先にやらないと、貰わないと、気が済まない。

他の事など一切関係なく、

ただひたすらに要求を続けます。

タダをこねるというレベルではありません。

そこでこちらが強く出れば、

怖がる、という事もなく、

暴力、罵倒、という手段に発展するだけです。



報酬系が効かないと全ての行動がこうなりますので、

躾もクソもない世界になります。



まあ、今までこれで色々とありましたが、

小学校2年にして、ようやく報酬系が効くようになってきて

それでも衝動的な行動は出るものの、

少し落ち着いて話をすれば、

我慢したり、納得したり、目先を変えたり

という事が出来るようになってきました。



これは大きな前進です。



報酬系のやり取りは躾の基本になります。

これが出来るのと、出来ないのとでは

天地程の差があります。



息子にもようやく…

と、感慨深いものがありますね(。´Д⊂)









と、まぁ、ここまでまとめて来ましたが、

記事のまとめに少々時間が掛かってしまい…



9月中旬~下旬に掛けて、

息子の行動に少々問題が起きてしまいました。



特に、学童と、

療育の放課後デイルームの方で、

自分の思いを他人に強要する、命令する、

先生の言うことを聞かないどころか

舐めてかかり、殴る、蹴る、引っ掻く

という状況が暫くありました。



ちょうど掛かり付けの発達の病院で

相談をするタイミングだったため、

状況を細かく説明しましたが、



今起きているのは、

場所に要因する問題と思うので、

または、その場所で会う人と反りが合わない

という問題に思えるので、

(他の場所、自宅、小学校内、支援級などでは

そういった行動がしっかり抑制出来ているため)

場所を改善しないと本人が辛いだけ、だと。



しかし、薬等による対処療法は、

その状況ならまだ不要でしょう。



という言葉には、

安心して胸を撫で下ろしました。






その後、

学童と、放課後デイルームと面談を行い、

対処について相談。



放課後デイルームは、

さすがに療育のプロだけあって、

安心しておまかせ出来るだけの話が出来ましたが、

やはり、学童はそうもいかず…



先生方に技術があるかどうかのまえに、

ひとクラス80名の混合1~3年生が入る部屋が2つ、

という猛烈な刺激を受ける環境を

先生方も、どうにも出来ないことがある。

という話には、

先生に対してではなく、

行政に対して色々と思う部分もあれど、

ただ一方的にこちらの思いを押し付けるだけでは

何も解決しない、という部分もあり。



まずは以下のような対応を

これから沢山取り入れて貰えるよう

掛け合いました。



■我を通そうとする時に、全力で会話のキャッチボールをせずに、話を遮らずしっかり聞いて、その上で揉めている事からは目を逸らす第三案を提示する。

■約束、順番を守らずに、先に自分の思いを通そうとする行為には絶対に応じず、毅然と対応する。

■会話の多くを、ダメ、拒絶、反発の言葉で遮らず、受け止めた上で、それが今の状況に好ましくない事であれば、ポジティブに別案を提示する。

■まずは、息子をどうするか?よりも、周りの子に被害が及ばないようにするにはどうすればいいか?を中心に対応してください。



結果は、暫く様子を見てからですね。

去年夏休み後のような状況にだけは

ならないようにしなければなりません。



aegis-pilebunker.hateblo.jp









また、別の話ですが、

夏休み明けに、同学年のひとクラスで、

学級崩壊状態が起きているとの話を聞きました。



まずは担任の先生が即変わる事になるようです。



状況としては、

調子に乗る数名の児童が先生の指示に従わず、

授業中でも教室の外に飛び出してしまい、

ついて行く生徒もいるとのこと。



やはりこの夏休み後の時期は

色々な要素が重なり、荒れる時期なのでしょうか。

まだ小学2年生だというのに…



その調子に乗る子の1人は、

1年のときに散々うちの息子とトラブルを起こし、

過去のトラブル記録を辿ると、

こんなやりとりも見つかりました。



息子 → A
調子乗り1 → X
調子乗り2 → Z

朝の待ち時間にXとZが教室内で鬼ごっこしていて、
息子Aがトゲのある言いかたで止めるように言いケンカに。
息子Aが、先生を呼ぶよ! と言ったら
そんなことをしたらお前が先生に怒られるからな!
とXZから言われて息子A腹を立てる。
息子Aが、Zをパンチ。
Xは、それを見て バーカバーカ! と言ってきて
息子AはXにもパンチ。
息子Aの問題行動として報告される。



今回の学級崩壊には、Xが関わっている事は分かっていて、

Zは関わっているのか知りませんが、

Xは、調子に乗った行動を繰り返した挙句、

どうも高いところに登って遊び続け、

頭から落ちて大ケガし、

アイスホッケーのヘルメットのようなものを被って

暫く登校していたと聞きました。

頭蓋骨にヒビが入る怪我だったんじゃないかと

噂されています。



1年の時のXとのトラブルは、

何が原因で、何が悪かったのか

私は見ていないので分かりませんが、

今の状況を見ている限りでは、

うちの息子が一方的に問題行動を起こしていた、

とは言えないんじゃないかと改めて思います。



なによりも、この学級崩壊の現場から

息子が離れていて本当によかったと思います。

きっと近くにいたら、息子は間違いなく加害者側として

この大ケガの原因を作った1人として

吊るし上げられていたでしょうから。



特別支援級を選択して本当によかったと

実感させられました。






息子は、特別支援級の中では

とても落ち着いて過ごしており、

遊び道具の取り合いや、

自分の思いの押し付けなどはまだまだありますが、

先生の指導を聞くことができ、

授業はビックリするくらいに集中して

立ったり、音を立てたりすることなく

しっかり勉強しています。

やたら消しゴムを落とすようですが(笑)



今年の2学期は、何とか崩れずに

冬のスノーボードの時期を迎えたいですね!



あ、そろそろ宿予約しなきゃ!