~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■舌癌37 急転直下

2017年2月7日



昨年末から予定されていた

舌癌、口腔低転移癌の切除手術。



年明けから1ヶ月間、

TS-1、ネダプラチン、ドセタキセルの3剤による

抗癌剤フルドーズの化学療法を行い、

aegis-pilebunker.hateblo.jp




少しでも癌の拡張や、活発な動きを止め、

手術、切除時にしっかりと癌を全て囲った状態で

切除出来るように準備をしてきた。



しかし、この1ヶ月の経過を見る限り、

顎の下の腫瘍は増大し、

頚部リンパへの更なる転移を起こし、

とても抗癌剤が効いていたとは言い難い

病状の進行が素人目にも見て取れる状況。



それなのに、

副作用だけはしっかりと現れ、

特にネダプラチンの投与後は

辛い吐き気に何度か襲われ、

何も食べられず、胃液を吐くような状況が

2日ほど続いた事もあった。



しかし、

1クール目後半の休薬期間、1月末頃は、

ブログでも記事にしていった通り、

妻はいつもの調子を取り戻し、

外出許可を取って、ディズニーに遊びに行ったり、

食事をしたりと、



手術で体が辛くなる前に、

できる限りの楽しみを1つずつクリアしていき、

私も妻との大切な時間を重ねていくことが出来た。



実は外泊の直前には、白血球が異常に減少し、

骨髄抑制の副作用も強く現れていたが、

翌日には回復し、無事外泊の許可が貰えた

という経緯もあった。



そんな綱渡りもありつつ、

無事に抗癌剤副作用を乗り越えて迎えた手術前日。



主治医から、手術に関して最終説明を受けます。









🏥全身の精密検査では、遠隔転移の所見無し。



 麻酔の管を口から入れて全身麻酔を掛けると、

 顎の穴から麻酔が漏れてしまい、

 正確な麻酔量が分からなくなるため、

 気管切開を先に行い、

 確保した気道から全身麻酔を行い、手術に入ります。



 気管切開は、首周りの大掛かりな手術時の

 首周辺の腫れ、浮腫などによる

 気管の圧迫、窒息に対する対策にもなります。



 声帯の下に気道を確保しますので、

 口や鼻に空気が抜けなくなり、

 声が出せなくなります。

 また、タンの排出も咳き込むことは出来ますが、

 自力での排出が困難になりますので、

 吸引器を使って気道確保した穴からカテーテルを入れ、

 タンの吸引が必要になります。

 必要な場合はナースコールして頂ければ

 都度、看護師が行いますので安心してください。



 また、気管切開されている間は、

 基本入浴出来ません。

 気道に水が入ると、自力で排出出来ず溺れます。

 入浴に関しては、状態が落ち着いた後に

 入り方等を指導しますので、それまでお待ち下さい。



 今後の抗癌剤治療、および、栄養補給のため、

 太い静脈(中心静脈)への点滴が出来るよう、

 皮下埋め込み型ポート(CVポート)を埋め込みます。

 これにより、皮膚のすぐ下に埋設したポートに

 点滴針を刺すだけで、強い抗癌剤の投与や、

 高カロリー点滴を流す事が出来るようになるため、

 しばらくの間飲食が出来なくても、

 生きていくために必要なカロリーを摂取出来るようにもなります。



皮下埋め込み型ポート
ganjoho.jp



 癌の切除に関してですが、

 先日見つかった左の頚部リンパ節への転移が、

 頸動脈に癒着しているように見えます。

 非常に近い位置で、血管を押しているように見え、

 密着している状態です。






🧑ん、なに?






🏥左の頸動脈に癌がかじりついています。

 癌が血管に癒着していなければ、

 血管から癌を剥がす事が出来るかもしれませんが、

 もし癒着していた場合、

 無理やり剥がすと頸動脈がやぶれ、

 手術中に大出血を起こして、

 脳梗塞脳死、最悪は術中死亡の可能性があります。






🧑……その癌は取り除けない、という事ですか?



妻は、私の横で

感情を無くした人形のように1点を見つめたまま

何の反応も示さない。

この報告も前日には一人で聞いていた可能性がある。



ドクン!

と、心臓が強く打ち、息がしにくくなる。

心拍は上がらないが、

一拍、一拍、心臓を握りつぶされているような

むせるような息苦しさが襲ってくる。



直感的にこの先の話の流れが

全て組み立てられるように

頭の中に次々に流れ込んでくる。



🧑バイパスとか、人工血管とか、

動脈ごと切って、置き換える事は出来ないんですか!?

前に右頚部の手術したときに

人工血管に変えてるじゃないですか!



(前回は、脳から帰ってくる静脈をバイパスしており、動脈ではないが、この時の私はそれに気付いていません。後で調べた事ですが、動脈をバイパスする方法は無いようです。

兵庫医科大学脳神経外科の先生のサイトが、頚動脈に出来る治療方法について説明しており、非常にわかりやすいです。)

www.e-oishasan.net






🏥頸動脈は、心臓から脳へ血液を送っている血管で、

 非常に高い圧が掛かっており、

 血管も太く弾力があり、他のもので置き換えたり、

 バイパスなんて事は出来ないですよ。

 数分血流を止めただけで脳梗塞

 脳死してしまうので、血流も止められません。



 昔は頸動脈のバイパスなんかをやったケースが

 あるかもしれないですが、

 どれも成功している例は聞かないですね…

 我々医師は、実績のある方法があればいいですが、

 実績のない手術は出来ません。



 ただ、実際の状態は切って開けてみなければ

 分かりませんので、

 癌を残さず取れるようであればそれは取ります。

 しかし、どうしても切れない状況だった時は、

 その時点で傷を塞ぎ、撤退します。



 その際は、顎を切除する事も中止します。

 結局、癌が取り切れない状況で大きく切除をしても、

 その傷にすぐに癌が転移し、収集がつかなくなる。

 顎を切った所に癌が広がれば、

 切除部すべての傷が癒える事無く、

 喉まで見えるような大穴が開いたままの状態で

 苦しみ続けながら、

 命が尽きるまでただ待つしか無くなります。

 いくらなんでも、そういう結果は

 本人も、ご家族も、望んではいないのではないですか?






🧑………



何も言えないが、



納得していない訳じゃない。



顎が無く、



癌も治らず、



既に開いている顎下の癌と同じような状態が



顎が無く、喉まで見えてしまうような状態の



その周辺が全て癌に侵されて、



それでも死ぬに死ねない妻の姿、気持ちが



一気に押し寄せてくる。



そんな状態で懇願するような目で助けを求める妻に



私は、何をしてやれるんだろう…



いくら、助かる可能性を求めて、と言う理由でも、



出来ること全てをやろうとすることが



本当に幸せな事かどうか、



治療、という範疇を超えて考えなければならない岐路に



今、突然立たされた。






どう死ぬか。






1番の幸せを目指すために、



どう死ぬか?



を考えなければならなくなる。



死の瞬間に向けて、



どう、辛くないこれからを組み立てるか、



本人の辛さにとっても、



それを受け止める私自身にとっても、



どれだけの辛さを回避して、



しかし、確実に、



出来る限り幸せな死を迎える為に。






もう、じたばたしないで、覚悟を決めなさい。






そう言われている気がした。






🧑まずは、最後まで話を進めましょう…






🏥手術不能の確率は、50%以上だと思ってください。

非常に厳しい状態だと思います。



予定どおりであれば9時間~11時間くらいの

手術になる見込みですが、

撤退する場合は、

可能な限り予後を良くする為の切除等だけ行い、

2時間くらいで終わる可能性があります。



もし手術が出来ない場合、

分子標的薬セツキシマブを使って、

全ての癌を小さくする事が出来たら、

頸動脈の癌は、サイバーナイフで焼き切る事が

出来るかもしれない。



そこまで抗がん剤の効果が出れば、

顎の下も縮小が望めるだろうから、

そうなれば、改めて顎切除も含めて

予定していた手術が出来るようになるかもしれない。





🧑それは そうかもしれないですね…

もし、今のまま癌が進行したら、

どういう状態になる事が考えられますか?






🏥このまま癌が進行すれば、

 口腔低癌の進行により頚部が圧迫されて、

 気管切開していなければ息が出来なくなる。

 次に動脈圧迫による脳への血流不足で、

 脳梗塞が起きる可能性。

 もしくは癌が動脈をやぶり、大量出血による失血死。

 という結果が想定されます。






手術が出来なければ、

抗がん剤を続けながら、

これら致命的な症状が出るのを、

ただ待ち続けるしかないという現実。



酷すぎる。



しかし、為す術も無さ過ぎる。



病気に負ける、という現実の惨さ。



今はただ、頚動脈への癒着が無く、

手術が継続され、全てを切り、

無事に回復する、という奇跡を信じ続ける以外に

やれる事が何も無い。



あまりに受け止めきれない現実。

ただ、開けてみなければ分からない、

という一片の望みに、全てを託すしかない。



妻と病室に帰り、

何から話そうかと考えていた時。






👩明日はまた早いよ。

私はただ寝てるだけ。

10時間くらい寝てればいいなんて

楽ちん楽ちん✨

後は先生が頑張れはいいだけだから。

明日は付き添いも長いでしょ?

早く帰ってよく寝ておいてね💕



🧑わかった。

どんなことがあっても、 妻 が辛くない毎日を

送れるように判断するから。

絶対に辛い思いはさせないから…



👩うん。明日はよろしくね。






病院の外に出ると、

キーンと張り詰めた空気に満たされ、

今にも雪が降り出しそうな2月の夜道を

一人、駅に向かって歩く。



この道を何度行き来しただろう…

妻が、この道を自分で歩く事が出来なくなったのは

いつくらいだっただろう。



病気が発覚して約1年半。

まだ妻が、元気にしていた頃から

たった1年半しか経っていないのに、

遥か昔の出来事だったように感じる。






家に帰り、

妻を励ますLINEグループに報告します。






🧑手術前の全ての説明を聞き終えました。
予定通り、明日朝8時30分には手術室に入る予定です。

命を掛けた戦いになります。
家族の未来を掛けた戦いになります。

正直涙が出ます。
こんなときこそ笑って励ましてやらなきゃと、
ずっと思ってはいますが、だめだ無理だわf(^_^;

みんなが出来る、みんなにしか出来ない事で
妻を勇気づけてやって欲しいです。
身勝手なお願いですが、どうかお願いしますm(__)m






沢山の友人から、

妻へのエールが次々に送られてきます。






いよいよ決戦だね!

悪いもの全部取ってまたディズニー行こう!



f:id:aegis-pilebunker:20190422111247j:plain



今日一日、ずっと元気玉送り続けます!

みんなの思いもあるから絶対大丈夫!



悪いとこ全部取れるよう願っています!

応援しています!



元気玉とどけぇー❗❗

頑張れぇー❗❗






ご利益のある神社にお参りに行った写真、

思い出の写真、励ましのスタンプ…



明日は奇跡を信じよう…!!









2017年2月8日



手術日。



手術着に着替えた妻と一緒に、

手術室まで歩いて行きます。



手術室までの道のりは、

手術着1枚では寒く、

私の上着を着させて…






👩手術前最後の姿を写真に撮って欲しい。






手術前の妻と、私のツーショットを

手術室前の廊下で1枚。

妻の顔は、元の素顔が分からないくらいに

浮腫んでいました。



その写真を、昨日のLINEグループにアップして、



🧑今、手術室に入りました。
皆さんからの心強いメッセージ、
元気玉はしっかりと妻に届けました!
妻を勇気付けて頂き、本当にありがとうございますm(__)m



手術室に入る際、

妻がいつも見せた、孫悟空のように勇ましく



じゃっ!いってくる!



と手術室に入っていく姿は、

そこにはありませんでした…






8時30分 手術開始。



🧑長い手術となる予定ですが、どう処置をすべきか、
早い段階でいくつか判断が入ります。
とても難しい判断です。
時には手術不能の判断が下される可能性もあります。

ただ、どんな結果になるとしても、
今の医療で可能な最善の判断をすることになります。

妻の生きる力、強運を信じて、手術の成功を待ちます。






11時30分 状況説明。



🏥左頸動脈に食い込んでいる癌が取れない!

既に頸動脈を圧迫し、血管が折れ曲がり始めている。

無理に取れば血管が破れる。

手術中止を判断。

セツキシマブを使った状態維持による延命治療、

緩和ケアに変更を決断!

少しでも予後を良くするために、

取れるだけの転移リンパ節は切除して

切除部を閉じます!






この瞬間、妻の癌が治らない事が確定した!






ちきしょう!ちきしょう…



助けてやれなかった!



妻は、治るためならどんな治療にも耐えると、



恐怖に負けること無く決心したのに!






妻の両親、妹さんへ状況を連絡。



🧑治してやる事が出来なかった!

もう、癌が取り除けない!

出来ることが、化学療法と、緩和ケアしか

無くなってしまった!





私も相当動揺していた。

多分、連絡を受けたご両親、妹さんには

とても辛いストレスを与えてしまったに違いない。



もう助からないの!?

抗癌剤で小さくなる、って事もあるんだよね!?



確かにそういう事も可能性はゼロじゃない。

でも、今までの経過、抗癌剤の効き方を見てくると、

別の抗癌剤を使ったくらいで状況が好転するとは

とても思えない。






ただ…顎の切除をしたことによる、

更に悲惨な状況になるよりは、

下手に手を出さず、穏やかな経過で

今後の経過を見守っていく事が出来るのではないか

とも思っている。



いや、そう思う以外に、

この状況を納得出来る方法が無かったのかもしれない…






13時30分


ICUに移る。



手術室からICUに移された妻に会いに行く。

通常、ICUに一般人が居続けるなんて

認められる事じゃ無かったのかもしれないが、

妻の思いを、その目線だけで感じ取れるのは

自分しかいない、と

私は、暫くそこに付き添い続ける事が許されました。



常にけたたましく警告音が鳴り続ける室内は、

決して、辛い身を置く環境としては

楽な場所ではなく、警告に対処する人の数も

足りない雰囲気。



昼と夜の感覚が一切無く、

時間の流れがわからない。



妻に、手術は無事におわったよ、と

出来る限りの事はやったよ、と伝えるが、

妻は、自分が想定していた痛みや、状況とは違う、

切除は出来なかったんだな、とすぐに感じただろう。



気管切開を行ったため声が出せないが、

昨日までの息苦しさは無いように思える。



頚部の切開部の痛みで身動きが取れず、

さらに、痰、血液が気管に落ちる等で、

頻繁に呼吸困難になりそうな咳を続け、

5~10分に1度くらいのペースで

看護師さんに気管にカテーテルを入れて

痰吸引をしてもらいながら、

とにかく辛い時間を乗り切っていく。



今回も、術後は汗をびっしょりかいており、

しきりに、暑い、扇いで… と

手をパタパタさせて訴えてくる。



それから3~4時間程経過した頃、

ようやく、呼吸も落ち着いてきて、

眠ることも出来そうなくらいに安定してきた時、

今回の手術の結果を伝える。



左右頚部(耳の下あたり)のリンパ節転移は

すべて取り除いた事。



しかし、動脈の癌癒着はやはり剥がすことが出来ず、

結果、顎の切除も、舌の切除もせずに

閉じるしか無かったこと。



それでいい、という判断を

私がしたこと…






🧑癌を取りきる事が出来なくて

本当にごめん…

無理せず、閉じてくださいと、

自分が先生に伝えたよ。

最後の最期まで、一緒に生きよう。

ずっとそばに居るから。

妻 の手をずっと握って離さないから。

自分たちにしか出来ない人生を

最後までやり遂げよう。

それで… いいよな…?






喋ることが出来ない妻は、



一番嬉しい時に見せる



真ん丸な瞳で私を見て、



指を👍👍👍と強く握って見せたあと、



私の手を握り、



ゆっくりと大きな瞬きをして、



( ありがとう! )



そう伝えてきた。






初めて二人揃って、



     死ぬんだ。



という事を認めた瞬間だった。

■漂流13 節

2019年4月上旬



しばらく振りのブログ更新です。



3月末に息子の学校が終わってから、

新年度の始業式まで、

色々と多忙でブログ更新出来ずにおりました。






我が家にとっては、3月末~4月が

お正月以上に節目になっている感じです。



実際の年末年始は、年越しスノーボードや、

いつもと違うお節料理的な食べ物の用意、

妻実家へのご挨拶など、イベント目白押しで、

かつそれを私ひとりでやりますので、

ゆっくりするヒマなど無く、

正月らしくダラダラ過ごす、なんて1日も無いんですね💦‬



これに対して、3月末~4月の時期は、

息子を妻の実家に1週間くらいは預けられる事もあり、

1年の中でも、だいぶ長い休息の期間となります。



とはいえ、普通に仕事はあるし、

その間にやることも一杯なので

体が休まる時間はあまりないのですが…

休息なのに多忙_:(´ω`」 ∠):_



それでも、息子を預かって貰える貴重な休息時間、

ワインなんかを買ってきて、好きな大人味の料理を作り、

少しだけストレス解消の時間を作ったりしていました。



お酒なんか飲むのは、1年に3回くらい

この時期と、年末年始、クリスマスくらいですからね。

それ以外はたった1滴もアルコールは口にしていません。



しかもタバコも吸わないなんて、

なんて健康的な生活なんでしょうか(笑)



そもそも、そんな嗜好品に掛けるお金無いですからね。



よく、遺族年金とか、死亡保険金なんかを

受け取ったと聞くだけで、

たんまり金持ってるんだろう!

なんていう声を聞きますが、



働こうと思えば働ける環境があるのと、



働きたくてもフルでは働けず、

そんな境遇を受け入れてくれる職場も無く、

バイト + α 程度の収入で親子生活の生計を立てる、



というのでは、

生涯を通じての収入に大きな開きがあります。



不幸が重なり、妻や夫を失った時、

望まず保険金や遺族年金などを受け取ったとしても、

それは、残された伴侶が時短などをせずに

働けた時の収入の代わりでもあり、

共働き出来た筈の生涯収入でもあり、

本来であれば生涯を通して得るはずだった

収入の一部を受け取っただけ、

という事になりますので、

決してお金持ちでは無いわけです。



しかも遺族年金は、年金ですから、

一度に降りる訳ではなく、

長期で分割されるもので、

再婚や、同棲など、事実上生計を共にする人がいたら

遺族という判定では無くなりますので、

その時点で年金支給停止となります。



正直に言うと、

たとえ子供の健全な育成と未来の為に!

という大義名分を掲げたとしても、

妻が命と引き換えに残した遺産を受け取り拒否してでも、

一生を添い遂げられるかどうかわからないリスクもある

新しい伴侶を探す、

という道に踏み出すことが出来るかどうかは、

子供を巻き添えにする人生を掛けた大博打となるため、

そうそう簡単にはそんな判断は出来ないでしょうね。



今後どのような人生を送ることになるのか分かりませんが、

今の待遇では決して得ることが出来ないくらいの大きな収入が無い限り、

定年退職を過ぎた頃には底を尽きてしまう可能性がある程度のお金しかないので、

その中で、毎月数万の貯金を切り崩す生活をしているのは

精神的にもあまり良い感じではありません。



老後、どうやって生活していこうか、

息子もしっかりと働けるか分からない状況なので、

40歳半ばを前にして、

本当に切実な問題になっています…

一応、それなりに2重3重の

対策、貯金、運用、保険などを掛けていますので、

出来る限りの事はしているつもりですが。



それでもたまには、

ストレスや、気持ちをリセットするために

パーっと好きなことやって、

心に肥料を与えてあげたいですね。

当然息子にもね。






で、この休息の間にこんなことをしてました。



■キッチン周りを含む大掃除

■学校から持ち帰った制作物の展示、整理

■教科書等の整理、2年生の準備(息子と一緒に)

■体操服の名札の貼り替え、その他持ち物のクラス書き換え

★息子の身長がのびたので、新しい服のネットまとめ買い

■新しい服の名前付け

■着れなくなった古い服の整理

■ついでに自分の服を少し買い足し

■メルカリでスノーボードブーツ売れた(笑)

■年に5日くらいしか出来ない友人との外食

★GWの旅行計画!



それと、これは2月頃からしていた話ですが、

★2年になるにあたっての学校面談



そして、

★原因不明のリンパ節腫脹…






ピックアップして、

★の内容についてお話していきます。






★息子の身長がのびたので、新しい服のネットまとめ買い

服を買いに行く時間が無いので、

服は基本ネットでまとめ買いです。



3万円くらいで、春秋、夏物を

来年3年生くらいまで着られるようなサイズで購入。

冬物は昨年冬前に大小いくつかのサイズで買ってるので、

これで暫く、1年半以上は持つでしょう。



安く済ませられているのかなぁ?



ちなみに、購入先は

ベルメゾンセシール、マザウェイズ、ユニクロ

auのWawma!で出てくるブランドあたり。



GAPとか、海外ベースの服は、

息子のガッチリ体型にはあわず、

すぐ太ももとか、腕からキツくなってしまうため

避けています。



あとは、たまたま出掛け先で見つけた

これイイネ!ってやつをたまに買うくらいでしょうか。



子供服で、他にオススメのサイトがあれば

教えてくださいね(゜▽゜*)



で、新しい服買うと、古いキツくなった服を見つけて

整理しないとタンスに入らないですよね( ˘•ω•˘ ).。oஇ



こういう作業って、日々やってく事だと思いますが、

それをやる時間が無いのです…



そこで、夏物の服を引っ張り出し、

たたんである服を全部広げて、

サイズチェック、選別、たたみなおし!



まとめてやると、結構大変なんですよね💧






★2年になるにあたっての学校面談

2月中から進めていましたが、

息子の2年次のクラス分けをどうするか、

学校でどう対応していくか、です。



結論としては、

特別支援学級での対応となりました。



つまり、

ひまわり学級とか、なかよし学級とか、

呼ばれ方は様々ですが、

少数生徒のクラスで、特に情緒の発達凸凹を持った子

だけて構成されたクラスです。



やっぱり、悩みましたよ。

散々。



しかし、最終的には

トラブルの原因や、集中が削がれる原因が、

本質的には本人の中にある特徴が原因ではあるのですが、

それを刺激するトリガーは、周囲の子供たちである事が殆どという事。



余計な刺激がある環境に比べれば落ち着いていられる

という部分は確実にあるため、

⚫学校は勉強をしに行く場所

⚫理由、原因に関わらず、トラブルや嫌なことが続き、学校に行くこと自体を嫌いになってしまわないように

⚫不要で過剰なトラブルを避ける(他の心無い親対策でしかありませんが)

⚫高学年になって対処するより、低学年で対策した方が、本人や周囲の受け入れもスムーズになる

という事を優先した結果です。



今のところスムーズに事が進んでいるようです。

ただ、これで何かが楽になったとか、

気にしなくてよくなったと言う事ではなく、

”この環境だからこそ能力を発揮して、伸ばせる部分を伸ばし、出来ることを増やし、自信を付けて欲しい”

と思います。



特別支援学級での生活も、

ただの 保育 になってしまわないように、

どのような教育、活動を希望するのか、

しっかりと伝えていかなければなりません。






★GWの旅行計画!

やっぱりこれですねー

一番時間が掛かったのは旅行のプランニングと宿の予約。



スノーボードはいつもの恒例なので計画も何もなく、

宿もいつもお世話になっている所で1泊3,000円(!)

で済んだりするので、計画なんて何もしないのですが、

それ以外の旅行は初めての所ばかりなので、

プランニングが大変ですヾ(・ω・`;)ノ



でも、うまく計画が立てられた時は

行く前から凄くワクワクしますよね!



前回の夏の旅行は、

御殿場の方から裏箱根、大涌谷あたりを

1泊2日で巡りました。

aegis-pilebunker.hateblo.jp



今年のGWは北の方に行こうと思い、

那須高原にしました!

しかも長ーいGWなので、2泊3日にしようと。



しかし、このプランニングが凄く大変な事に…






3月上旬頃に宿の空き具合を見た時は

まだまだ余裕の感じでしたが、

多忙で時間が過ぎてしまい、

3月末に見たら、既に宿がほとんど取れない!



空いているのは、親子2人の2泊で84,000円とか、

110,000円とかの、半端じゃない価格のホテルか、

値段が安い駅近くのビジネスホテルが少し。



とにかく、

2泊

というのがどうやってもアウト。



そもそも、

大人1人、子供1人

という宿の設定が無く、

その時点で空き無しにされます。



大人2人とか、

大人2人、子供1人なら

同じホテルでも空き部屋が出てくるのに。

差別だよ差別ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛プンスコ!



それを直接、予約専用ダイヤルに電話で問い合わせても、



webに出てこなければ予約出来ません!



だと!?

そんな対応しか出来ないホテルなんて潰れてしまえ!



1度は諦めそうになった計画ですが、

あの手、この手、プラン、場所、条件を変えていくと、

また、何日か探し続けてみると、

今まで出てこなかった宿もちらほら。



で、最終的に辿り着いたのが、



別の宿に1泊ずつ、計2泊にする!

1泊は多少高くても、やりたいことが出来るホテルに。

もう1泊は、安くサービス無しでも観光しやすいところに。

かつ、大人1、子供1ではなく、大人2人で予約。

予約後に、金額はそれでいいから、1人分は子供扱いの食事とかをお願いします!

とする事で、何とかプランニング出来る所が出てきました!



息子は温泉大好き。大きいお風呂大好き。

なので、1泊は大きな温泉があるホテルへ♨️



もう1泊は、温泉ではないけど、

土日のみ宿泊をやっている、

普段はカフェを営むオシャレなお宿に︎💕︎

しかも安い!



これで、8万~11万などのぼったくり価格から、

2日で5万強まで値を下げられました(ง •̀ω•́)ง✨



また今回も、

🏇💨 アドベンチャーあり、

🗻 大自然あり、

💎✨ 宝探し大冒険あり、

♨️ 露天風呂あり

ฅ^•ﻌ•^ฅ 妖怪伝説の秘境あり、

>゜))彡 魚ピチピチ、

( ・θ・) 鳥モフモフありと、

盛り沢山の3日間で構成しております✨






★原因不明のリンパ節腫脹…

私の事ですが、3月12日に右鼠径部のリンパ節が

ビー玉のように硬く腫れました…



お風呂でこれを見つけた時は愕然としました。

私がよく知っているもの…

妻の首筋に出来た、癌のリンパ節転移と同様のもの…



痛み無し。

ただ硬い。

1cm強くらいの丸い塊。



一瞬で沢山の事が頭を過ぎりました。



この息子を一人投げ出して、

妻と同じような闘病をしなければならないのか、と。



もう生活なんて成り立たない、と。



万が一、これが癌だとして、

妻と同じ流れを当てはめると、

原発巣がどこかにより、

既に手遅れ(リンパ節転移するほど原発巣は拡大している)

とさえ考えられる。

その場合のステージは、見つけた時点で既にステージ3。



そんな最悪のラインを想像しながら、

絶対にそのラインに近づかないようにするため、

可能な限りの速さで対応を進めました。



今現在の結果としては、

即日で、血液検査、造影CTを行い、

リンパは腫れているが、他に悪い所見無し。



しかし、この検査をした先生の態度が最悪で、

(もしこれが誤診であった場合は公開しようと思いますが)

正直に言って、今回の診察結果を

鵜呑みには出来ない感じがしています。



一応、結果が出た時には、カチカチだったリンパ節は

銀杏くらいの弾力に変わり、

ひらべったく潰れるように、無くなっていきました。



この間、身体中をくまなく触診しました。

お腹をへこませて、体の奥の方に違和感が無いか。

別の場所のリンパ節に影響は無いか、

関節痛、筋肉痛のような場所は無いか。



毎年人間ドックを受け、

今回の検査でも原因は不明だか問題無し、

自覚症状もまったく無しで、

リンパ節腫れに伴う痛み無し、

熱無し、

およそ2週間で縮小し、

2ミリくらいの名残のようなものが残っていて、

一連の問題が起きていなければ

まず気にする事は無いだろう、という程度なので、

総合的に考えて、悪性のものではないだろう、と。



ですが、ほぼ同じ場所の足の筋肉の中に、

コロコロと丸い塊を奥の方に感じる気がします。

これが、実は元からあったもので、

気になったからそう感じるものなのか、

それとも今回出来たもので、

今だ腫れているリンパ節がある、という状況なのか

はっきりしません。



しかし、態度は最悪でしたが

造影CTと、血液検査で何も悪いことはない、

リンパ節は自然としぼんだ、

これだけ問題がない状況が揃っているにも関わらず、

今すぐ命に関わる問題があるかもしれない、

なんていう事は、通常は考えられない!

という先生の診断は、とりあえずは信じてみます。






そして最後に、

ついに43歳を迎えました。



今年は誰にも祝ってもらう事も無く、

一人寂しく、色々な思いを巡らせながら

1つ歳を重ねました。






年度末、年度始め、



新生活を初めてから1年、



1年生から、2年生へ



通常級から、特別支援学級へ、



42歳から、43歳へ、



リンパ節の突然の腫脹はどういう結果を迎えるのか…



この節目に色々な思いを巡らせながら、



お彼岸には、妻のお墓参りをしてきました。



そして、どうか息子が一人でも生活していけるようになるまで、



まだ、どうかまだ生かして欲しい。



もう少し見守っていて欲しい。



そうお願いをしてきました。



リンパ節がしぼみ始めたのはその後くらいからでした。



妻は、私を生かしてくれたのでしょうか。



それとも、はやく連れていこうとしているのでしょうか。



頼りない親父の漂流生活は、



まだ暫くの間は不安定なまま、



人生を漂い続ける事になりそうです。

■舌癌36 2人のすれ違う後悔

2017年2月4日



4日後に控えた、

舌亜切除、右下顎骨区域切除を含む広域切除手術。



まだ若く、手術に耐えられるであろう予測の上で

行われるこの手術の後、



本当に癌を取り除き、

体が回復するか、

退院が出来る状態になるか、

判断は非常に難しいとハッキリと言われるなか、



もしかしたら、自由に行動出来るのは

半年先か、1年先か、

もしくは、今だけなのか…



そんな思いで、手術前最後の外泊日を過ごしていました。



2月4日は外泊最終日。

夜までには病院に戻らなければならない。



昨日はディズニーリゾートへ外出していたため、

今日は大事を取って自宅でゆっくり過ごす。



自分たちが今まで10年以上住んできた家。

次、この家に戻るのはいつの頃か…



妻のために食事を作り、

マッサージをして、

ゆったりとした時間を過ごす。



息子は風邪をひき、妻実家で療養中のため、

この時間を二人だけで楽しんだ。



夕飯は、妻のリクエストで美味しいお肉が食べたい!

という事で、

イクスピアリの今半でスキヤキの予定だったが、

予約をしていなかったため店が一杯で

急遽、焼き肉のトラジへ。



本日の特選肉、ザブトンが最高に美味くて、

妻に食べられるだけ食べさせてあげた。



焼肉なんて、妻はあまり好きじゃなかったから

殆ど行ったことはなかったが、

病気になり、

色々なものが食べ難くなった中で、

とろけるような柔らかい肉だけはとても食べやすく、

味もわかりやすい、

何より、肉を食べると元気出るね!

と、

病気の前の妻からは絶対に聞くことがなかった

肉Love❤

な発言もあり、

それほどまでに好きになったものであれば

好きなだけお食べよ(*^ー^)ノ♪

と、手術前最後の豪華な晩餐を振舞った。



決して、そう思っていた訳では無いが、

万が一の事があれば、

これは妻にとって最後の晩餐になる…かもしれない。



もうこのあとは…奇跡の根治がなければ、

口から物を食べる事は叶わないかもしれない。



笑顔で、いつもの二人のままで過ごしたが、

どんなに思わないようにしていても、

最悪のケースであった場合、

食事をする、美味しいを感じる瞬間は

今、この時が最後になるかもしれない、

その時間は決して取り戻せない、

そうなってからでは後悔してももう遅い…



でも、

これが最後だから、とは絶対に言えない。

だからこそ、

全ての行動、判断を、

常に最高の、後悔のないものにしていかないといけない。






妻は病気の事を、殆ど誰にも話さなかった。

妻を知る友人、仕事仲間、昔からの親友にも。

私にすら、病気のことや、これからの生活のこと、

何があった時、どうして欲しいか、など。



刻々と病状が進行していくなか、

みんなが心配するなか、

妻はただ、自分の思いを叶えようと行動し、

今日は何がしたい、明日は何がしたい、と

自分の思い、願いを、1つずつクリアしていく、

そんな毎日を過ごしていた。






そんな中でも、唯一口にしていたのは、



今まで選んできた治療、判断、選択に

なにも後悔はないよ。

だって、自分でこれが一番と思った事を

ちゃんとやってきたんだもん。

後悔してないよ。

それで治らないなら…

それ以上やりようがないなら仕方ないよね。



と。



そう言う妻に対して自分が出来る事は、

妻のやりたいようにやらせてやり、

やりたいことが出来るようにサポートしてあげること。



そして、

この先、どんな事があったとしても、

妻のやりたいことをやらせてあげるために、

痛さや、苦しさを最大限取り除き、

辛さを感じない状態で過ごして貰うために、

自分の出来る全ての事をして行くよ。



そう誓った。






夜、病院にもどり、

また妻を一人残して家路につく。

この瞬間は、何度経験しても辛い…






あと数日後、

とにかく手術が成功し、

ただ癌が体から消えれば、

顎の半分を切った人でも1年後には、

再建手術、リハビリを通して、

お煎餅を食べられるようになる人もいるという。



主治医の先生が治療した80歳を超えるおじいちゃんが

実際に同じ治療を受けて元気にやっているらしい。

妻も…そうなれる事を信じて励ますしかない。






生きて、家に帰る。



もう願いはこれひとつしかない。






2月6日



手術の方法に変更あり。



麻酔を吸入させる際、

顎の穴から出てしまうため、

適正な麻酔量の計算が出来ない。



より麻酔量の正確さを求めるために、

意識のある状態で、先に気管切開を行ってから

気管切開の穴を通して、そこから麻酔を掛け、

手術を開始するらしい。

と妻から連絡があった。



手術説明は、明日ちゃんとした説明がある予定。

また、術前MRIの診断結果も

手術説明の中で確認するとの事。






なんとも…



全身麻酔中の気管切開なら

少なくともその時の痛みや恐怖は無いのに…



通常、気管切開は、

手術の全身麻酔中に行うか、

事故や、病状の悪化などに伴う命に関わる呼吸困難など、

一刻を争う場合などに行われる場合が多い。



いくら部分麻酔をされたからといっても、

部分麻酔後の生検注射でさえ痛いというのに、

気管まで貫通する大きな穴をあけられ、

そこに無理矢理、小指程度の太さ、長さの管を、

突っ込まれて気道を確保されるという、

この痛みと恐怖はハンパではない。



どうしてこうも辛い選択ばかり迫られるのか。



やることは決まっている中でも、

出来る限り辛さを感じないように対処をして欲しい、

と願う一心、他に方法はないのか…

とも言いたくなるが、

方法はこれしかないのが現実。

少しでも痛みや辛さから守ってあげたい、

という気持ちを押しつぶして、

ただ、わかりました。と言うことしか出来ない。






昨日の夜は息苦しさで殆ど寝れなかった、

と、妻から連絡もあった。

今日は昼寝も出来なかったと…



手術に向けての緊張感や、

プレッシャー、

癌化組織の肥大による痛み、圧迫など、

色々な要因はあるとは思うが、

辛い治療を行うのであれば、

せめて、この慢性的な息苦しさからは

気管切開で解放されて欲しいと思う。






今日、顎の創部の状態を見た。

指1本が入りそうなほどの穴が、

顎の下にあいているように見える。



回りの皮膚、肉はめくれ上がるように外に開き、

噴火口のような形状に腫れ上がっている。



中は皮膚組織が溶けたような状態で、

灰色のドロドロしたものが広がっている。



顎の下にあんなにも大きな病巣、穴が広がり、

顎片方の区域切除なんかで足りるのだろうか…



正直、素人目で見ても、

下顎前部はすべて切らなければ

癌は取り除けないように見える。



しかも、あれだけの広がりを見せている癌が、

その範囲にとどまっているとはとても…

思いたくないが、とてもその範囲にとどまっているとは

考えられない!



2016年11月、ディズニーで七五三をやった時の、

肉組織が異常な形を形成した時に

すぐ検査をして切るべきだったんじゃないのか(ノ_<。)



どうか、どうか、この考えが間違いであって欲しい。






この日の記録はここまでになっている。






今でも、本当に放射線治療の後は、



副作用からの回復も含め、



2~3ヶ月近くの療養期間を経過しないと



手術が出来ないのか、疑問を持っている。






あの時に、明らかに腫瘍らしきものが



顎の下にコブを作り始めた時に、



即座に再発だとして手を打てば



命までは奪われずに済んだのではないかと、



妻は後悔していないと言っていたが、



私は、今でも後悔の念は無くならない。






でも、



あの時は、あれで精一杯だった。



私も、



妻も。

■ADHD16 福祉サービス受給者証と療育

2019年3月



小学校に通い始め、はや1年が経過しようとしています。



7歳の子供にとって、この1年という時間は

長いのでしょうか、短いのでしょうか。



私が小学生だった頃は、

1年という時間は本当に長くて、

夏休みなんて、どんだけ休めるんだよ(笑)

と半ば呆れるくらいの長さに感じていました。



40歳を超えると、いや、30歳くらいからかな。

1年が本当に早くて、

あっという間に過ぎる感覚になりましたので、

今、息子を見ると、

成長が早いなぁ、なんて思ったりします。






この1年間、本当に色々ありました。






チームボスママを本気にさせる事件
aegis-pilebunker.hateblo.jp



みそしるにしたほうがいいんじゃない?
aegis-pilebunker.hateblo.jp



先生に噛み付いたら歯が抜けた…
aegis-pilebunker.hateblo.jp



コンサータ服薬開始
aegis-pilebunker.hateblo.jp



コンサータの効果と服薬中止
aegis-pilebunker.hateblo.jp



スノーボードが上達した!
aegis-pilebunker.hateblo.jp






今、息子は、

ADHD対策薬や、情緒が安定する漢方薬などは、

どれも服薬せずに過ごしています。



夏から秋に掛けてコンサータを服薬していた時、

一時は行動が改善された、と思える状況もありましたが、

結果的に非常に気性が荒い状態となり、

反抗挑戦性障害も疑われるような状態と、

完全無気力な状態が入り交じり、

人間らしい生活が維持出来ないような状態にまでなりかけました。



どうにも対処のしようが無くなった時に

いちかばちか薬をやめてみたところ…

笑顔が戻り、怒りが消え、

しかし、ふざけが過ぎたり、過干渉だったりと、

私が良く知っている息子が帰ってきました。



薬が悪い、と言う訳ではなく、

息子には効果がネガティブな方向に強く出ただけで、

これは人それぞれだと思いますので、

盲目的に「やっぱりコンサータとかは飲まない方がいいんだ!」とは思わずに、

合っている薬なのか、そうではない薬なのかを

しっかりと見極めてあげることが重要だと思います。






薬をやめてから、徐々に行動は改善され、

最近は、トラブルなどもだいぶ少なくなり、

授業を抜け出したり、

妨害したりすることも殆ど無くなり、

だいぶ頑張っている様子が報告されてくるようになりました。

薬を毎日飲むのが嫌だった、という気持ちもあったんだと思います。

薬飲まなければ頑張れる!

といって、頑張ってきていたところもあります。



それでもまだまだ、行動の切り替えが苦手だったり、

同年代の子から指摘を受けたりすると、

素直に聞き入れられずに手が出てしまうこともあります。

また、過干渉な性格から、しつこくて嫌がられたり、

やり過ぎ、言い過ぎ、ふざけ過ぎ、

という事からもトラブルに繋がりやすいところは、

まだ残っています。



あと一歩、

人に迷惑を掛けない生活が出来るように、

何でも楽しく、自分から進んで行動出来るように、

怒りの感情をコントロール出来るように、

なってくればいいなと思います。






で、最近始めた事が2つ。

セントラルの体操教室と、

福祉サービス受給者証で利用出来る療育。






しかし、ここでもまたトラブルは起こります。

セントラルの体操教室の方です。

しかも、非常に理不尽な形で。

その話は後ほど…






ここ数ヶ月、私は

福祉サービス受給者証を取得する為に、

諸々の書類作成、行政相談、医師の診断書取得などに

奔走していました。



で、ようやく入手した福祉サービス受給者証。

f:id:aegis-pilebunker:20190317073618j:plain



これで、放課後等デイサービスによる

療育を受けることが出来るようになります。



受給者証入手までの手続きは、

書類の作成や、平日の役所対応など、

時間の無いひとり親には厳しい所が多かったですが、

難しいものではありません。



放課後等デイサービスは、

様々なサービス、施設がありますが、

主に、何らかの障害により

日々の生活に困難を抱えている子、家庭を対象に、

適切な医療の知識もあるスタッフが、

1人1人の子にあった、生活を円滑にしていける力を

身に付けて貰うように、医療の考えを盛り込んで

子供を預かって頂ける施設です。



以前から、通わせるかどうか検討はしていましたが、

学童から引き剥がして、そこまでやる必要があるか?

と悩んではいました。

当然お金も掛かりますしね。



しかし、ADHDなどの困り事に対しては、

一時でも早く適切な対応をしてあげる事で

将来の困難さは大きく変わると言われています。



という事で、3月から週2回、

通わせ始めました。



室内の運動プログラムの中に、

四肢をしっかり動かす内容が盛り込まれていたり、

達成感を得られる仕組みや、

友達との関わりが必要な場面、

悔しい思いを感じるトラップなども仕掛けられ、

それを、安全に守られた環境の中で、

楽しく、体を動かして学んでいきます。



息子は凄く楽しんで通い始め、

学童の日は、みんなと外遊び!

療育の日は、室内で簡単な体操教室!

と、気持ちを切り替えて、

嫌がらずにやり始めてくれました。



スタッフの対応もとても良く、

息子と同じような特性をもつ子の中に

放り込まれていても何ら問題は起きずに、

子供たち同士が互いに助け合いながら

楽しく活動をしています。



対応の仕方が適切だと、

ここまで違うものか、と感心させられます。






そして、もうひとつの始めたこと。

セントラルの体操教室にも、年明けから通い始めました。



学童から子供たちだけで送迎バスにのり、

隣駅のセントラルまで行きます。

バスに乗る時は、バスカードを運転手に渡し、

カードは帰りのバスに乗る時にまた受け取ります。



セントラルに着いたら、ますチェックインのために、

会員証をカード読み取り器にかざします。



同じような子が沢山ごった返すなか、

靴を脱ぎ、共同の下駄箱に突っ込み、

短い時間で着替え、準備をして、

荷物も共同の荷物置き場に置いて、

(50人以上の荷物が乱雑に置かれている着替え室💦‬)



体操教室を1時間やります。

同じ学童からは、水泳に参加している子が多いですね。



また帰りの送迎バスに間に合うように

人がごった返す着替え室で荷物を見つけ、

着替えて帰り準備し、



靴を見つけて、



チェックアウト処理をして、



バスカードを受け取り、

4路線あるうちの、正しい1路線に乗って

学童まで帰ってきます。






1度は私が全行程付き合ってやり方を説明しましたが、

全力で私を頼る息子(◎-◎;)

もう、自分でなんかまったくやってない…



これを、うちの息子が1人で出来るのか…╭(๐_๐;)╮

やる気だけは満々ですが、行き帰りが不安…



なかには、バスに乗れず帰って来れなかった事を

セントラルから連絡を受けてから、

親が隣駅まで迎えに行く、なんて事もあったらしく。



ぜったいやる…

うちのは絶対にそれやらかす…






で、考えた苦肉の策が、

行き、帰り、の手順を超簡単に書いたカードを作って、

バスカードや入館証と一緒に付けておく!

そのために、ラミネーターを買いましたよ!



小さい紙の表裏に、行き、帰りの3手順くらいを書き、

ラミネートでカードにする!

これで、どうすりゃいいか分からなくなった時の、

ボロボロにならない説明書の出来上がり!



………(´・_・`)

まぁ、気休めにもならないのですが…

どうせ見ないし、

ピンチの時こそ冷静さを真っ先に失う息子なので。

たた、取り扱いが難しい息子に対して、

親が出来ることは可能な限りやっておこう

という姿勢の意味もあります。



それを持たせ、

いざ、他の子と一緒に子供だけでレッツゴー!



1時間後、

ちゃんと言われた通りにやって、

無事に帰ってきました!



運動神経はそこそこの息子なので、

体操とかは大好きで、

好きなことをやっている時はトラブルも少なく、

先生の言うこともちゃんと聞きます。



なので、こういう得意を伸ばしてあげて、

自信に繋がる何かを掴んでくれれば

また少し行動も改善されるかなー

運動でも、勉強でも、人より出来ることがあれば

一目置かれて、嫌味を言われたり、

除け者にされる事も少なくなる。

そう思って体操を伸ばしてあげようと思っていましたが…






通い始めてからたった1ヶ月。

事件は起きます。



とある1日に色々な問題が集中し、

なんと、セントラル側から



未受講分の費用を全額返金するので、

どうか、ご退会をお願いします。



と、強制退会の連絡が。



はぁ!?

そんなことってあるの?



事の概要は以下の通りです。






私は、入会前から息子の問題をオープンにし、

入会可能かセントラルに相談をしていました。

見学、体験会と進めて、

本人も、コーチも、問題ないと判断出来そうであれば

問題ありませんよ。

他にもそういう子はもちろんいますので。

という話で、無事入会をしていました。



さすがに発達障害専門のコーチなどはいませんが、

トラブルや怪我が無いように、

ちゃんと見ていきますので。

と、入会時は快く受け入れてくれました。






しかしその後、

予想外の個人攻撃が始まります。



誰だかは分かりませんが、

同じ学校からセントラルに通う子の親が、

うちの息子は、学校でも学童でも、

暴力を振るう危険人物だとして、

セントラルに詰め寄ったようです。

(これはセントラルの店長から直接聞いた話です)



そんな子を受け入れて、セントラルとしては

安全に全ての子を教育出来るのですか?

何があった時の対策はどうされていますか!?



これに対してセントラルがどう答えたかは知りません。

ただ、うちの息子は学校で他の親からマークされている

という認識を持ち、

各コーチに問題行動があれば報告するように、と

通達が行っていたようです。



そして、問題行動は起きました。

ある日の体操中、

いつもの様に、じゃれ合うふざけ合いのうちに、

うちのがしつこくし過ぎたのかもしれません。

もしくは、相手がやりすぎてヒートアップしたのかもしれません。

真相は分からずですが、

結果的に、うちの息子の拳が、

とある年上の男の子の顔にヒットしてしまい、

泣かせてしまったようです。

その時の様子を、近くにいたコーチは、

「僕にはあのパンチを止められる自信はない」

と言ったそうです。



次に、

その日の帰りのバスを待っている時に、

持ってきては行けないはずのオモチャを

持ってきている子がいて、

それが気になって、

貸して! 嫌だ! の取り合いに。

そこで子供同士で折り合いが付かなかったのか、

それともバス待ち付き添いのコーチの声掛けが

未熟だったのか分かりませんが、

注意したコーチの手を噛み、

相手の子の手の甲を引っ掻いたそうです。



この2つの行動と、

他の親からの詰め寄りに対して、

セントラルとしては、うちの息子を強制退会させる

という判断に決まったそうです。



体操をやりたい、という子供の気持ちも反故にし、

注意されて、反省して、次はもうしない、

と気持ちを改めた息子への、

たった1度のチャンスも与えられることなく。



私も、あと1度様子を見て貰えないか、

それでダメならこちらから退会する事を伝えても、

「我々としてはこれ以上の対策は取れず、対応したコーチも、次また同じように人を殴る行動が出た時に、それを止める事は難しい、と判断しています。今回はこれ以上続けて頂く訳にはいきませんので、申し訳ごさいませんが退会願います。」

とまで言われました。



ただし、半年後くらいを目処に、

行動が改善されたなら、

またチャレンジしにきて下さい。

と、再受け入れのチャンスだけは頂けて。






それにしても理不尽な要求。



いや、一番よろしくないのは、

我が子の可愛さ故か、過剰に守り通したい一心なのか、

大人の力で、集団生活する児童に対して干渉し、

行動や楽しみを制限するような言動をしたり、

経験させる機会を奪い取ったり、

特定の児童を爪弾きにしようとしたりする親。

これ、まさにイジメ体質の元凶となる行動だと思います。



余りにも酷すぎる。



うちも、言われている通り

コントロールがしにくい特性がどうしてもある事は

重々承知しており、

そういった行動があることについて

棚に上げて話をしようとはしていません。



出来る限りそれで他の児童、家庭への影響が無いよう、

少しでも良い成長を促して、不適切な行動を

減らしていこうと努力していますので、

何の話も、相談も無く、

爪弾きにされるような事をされるのは

心底腹が立ちます。



そもそも、今回のどちらのトラブルも、

何の問題もない他人に対して、

いきなり息子が殴りかかったり、

噛み付いたりは通常はしないんです。

必ず理由がある。



嫌なことを言われた、とか、

除け者にされた、とか、

強かれ弱かれ先に手を出された、とか、

頭ごなしに注意され、気持ちを分かってくれなかったとか。



そういうことがあったときに、

度を越して何かをしてしまいやすいのが、

息子の悪いとこ、というか、

今は障害によるコントロールの効きにくさがどうしてもあり、

一線を超えてしまいやすい。



周りの子は、どんな子も

その一線だけは超えてはいけない、と

コントロールが出来る。

なので、トラブルが最後まで行ってしまうと

必ず息子が最後に一線を超え、

その瞬間に大人が動いて、こちらが悪いことになる。



そうなる前に、放課後等デイサービスの療育のように

トラブルの元になるやり取りや、

ルール違反などを発見した際に、

即座に指導者が動けば、一線を超えることはない。

そこで、何が悪かったのかをしっかり説明して、

双方理解して貰えれば、

怒ったり、叱ったりせずに対処は出来るはずだと

私は思います。



バス待ちの時のトラブルは本当にハッキリしているが、

そもそも持ってきてはいけない遊び道具なんか

持っていれば、誰だって見せて欲しいし、

触ってみたくなる。



そこで既に他の子によるルール無視は起きていて、

トラブルは始まっているのだが、

結局、その瞬間に悪い行動を指摘する大人は少なく、

一線を超えるまで放っておかれる。



これが、子供たちがトラブルを起こす原因であり、

なによりも、少しのルール違反は見逃される

という事から、

真のトラブルメーカーを生む切っ掛けを

大人が作ってしまっているんですよね。



一番悪いのは、

手を出した人、にされてしまいますが、

本当は、真のトラブルメーカーが一番悪いんです。

でも、大抵そのトラブルに巻き込まれた誰かが

一番悪い人にされる。



こういう理不尽な思い、

経験ありませんか?



これって、トラブルを起こす子供が悪いのではなく、

先生や指導者の意識不足、初動対応のミスなんだと思います。

子供たちは、未熟ゆえに常にトラブルは起きますから。



しかし、

子供たちの人数が多ければ、

監視しきれない所が出てきて、トラブルは起きる。

その時点で、指導者側の人数が足りてないんですよね。



それを全部賄え!と訴えるのは

暴論だとも分かっていますが。

でも、それが必要な対策なんだと思います。



放課後等デイサービスでは、

こういった問題は起きません。



何故か。



子供の数に対して、

指導者の人数が適切で、

トラブルに対する対応が適切で、

それだけの能力ある指導者を働かせる環境として、

しっかりと賃金も払い、環境を整え…

未熟な児童を育てる場所として必要なことを

すべてキチッと対応しているから。

だから、利用の費用だってしっかり取っています。



そうやって対応すれば、

未熟な子供がただガミガミ怒られたり、

強制退会などさせられたりすることは無く、

不適切な行動の、初動を捉えて指導出来る。



これが出来ている所と、

そうではない所に通う子供の

素行の違いは歴然だと思います。






結局、

子供を預かる施設の体制不足然り、

過保護、過干渉な理解のない親の言動然り、

うちの息子は、楽しかった体操を

心無い人達、指導が未熟な人達の

一方的な思いだけで、

強制的に辞めさせられました。



相当に悲しい、悔しい思いをしています。



こういう、人から認めてもらえない、

爪弾きにされるような対応が、

障害を持つ児童の自尊心を傷付け、

自己肯定感を下げ、承認欲求に飢えた、

自立出来ない子供へと変えてしまうのです。



更には、

そういう親の子も、

散々保護され、過干渉され、

善し悪し沢山の経験を積むことなく、

なかよしこよし、楽しい仲間で徒党を組む事しか出来ない

ストレス耐性の無い大人にしてしまう訳です。



それも、生きていくために必要な力のうちの1つを

大事な時期に得ることが出来ず、

思春期以降に親の対応に対して

人知れず悩みを持つようになったり、



社会に出て、1人の力が試される時の

ストレスに耐えきれずに潰れたりする人が

増えてしまうんだと思いますよ。






今回、息子は体操教室を他の親に奪い取られ、

辛い経験をしましたが、

これを良い経験に変えて、

半年後、またセントラル入会にチャレンジするために、

この悔しさを真正面から乗り越え、

成長するためのサポートをしてあげようと思います。

■舌癌35 現実と非現実の境界

2017年2月3日



手術前最後の外泊。



先日のディズニーシーで疲れてしまったのか、

息子は、熱を出して調子を崩してしまったため、

今日、明日は妻と二人で過ごします。

息子は、残念ながら妻実家で療養中。






妻は、2月2日から、

顎の下に出来ていた皮膚に穴が開いていた部分が、

口の中、口腔低と完全に繋がり貫通してしまった…



口の中のものがそこから出てくる。

飲み込む時の圧力で、

空気と一緒にジュルジュルと吹き出してくる。



モルヒネ系の痛み止めを複数、

痛みの出方に応じて緩和ケアとして利用しているため、

痛くはないらしい…



いよいよ癌が顎の下を食い破り、

周囲組織にも広がってきている。






手術が遅いのではないのか…






2016年年末に、

「今後の治療方針は、抗癌剤を1~2クールやってから

手術しましょう。」

と言われていた時から思っていたことだ。



いや、もっと小さな思いの頃まで遡れば、

小線源治療をした後、過酷な放射線副作用に耐え、

ようやく体が回復してきたと同時に、

顎の下に腫瘍が出来た時、

これを今すぐ取らないと大変な事になりそうだ…

と感じた、2016年夏~秋頃まで遡る。

aegis-pilebunker.hateblo.jp



その頃からずっと、

どちらにしても取らなければならないものなら、

今すぐ取った方がいいのではないか?

と主治医には相談していたが、

放射線治療の後は、血管、組織が脆くなり、

影響範囲が分かって、治癒する範囲を把握しなければ

切ることは出来ない、と言われてきた。



そもそも、それが癌だと判断出来なければ

仮定で顎切除は出来ない。

放射線副作用による壊死か、癌かの見極めは

治療直後では難しく、治癒を待つしかない。



放射線治療後の判断の難しさを

とても強く感じたところでもあった。



そう言われてきて、手術まで3~4ヶ月。



この間、

本当に大丈夫か、手遅れではないか?

と、気持ちは焦り、

どうすれば早く退所出来るかを聞いてきたが、

選択肢は今の流れしかなかった。






妻と2人過ごしたこの日、

毎年恒例になっていたStettlerのチョコを買うために

イクスピアリへ…

f:id:aegis-pilebunker:20190306085432j:plain



ステットラーはスイスのチョコレートメーカーで、

1日に何個作れるか?ではなく、

1粒にどれだけの技術とまごころを込めたものを

作れるかにこだわった60年も続く老舗ブランド。

www.chocolaterie-stettler.com



一応、日本にもブランド展開はされていますが、

基本、店舗は無く、バレンタインの時期だけ、

各所に臨時店舗が何店か出るだけで、

ネット販売でも、バレンタインの時期以外は

買える所が無かったんじゃないかな?

在庫が残っていたら時期外れでも

販売を続けることはあるかもしれませんが…

間違ってたらすみません。



最近は並行輸入とかも横行するので、

どこかで買えるのかもしれませんが。



ディズニーリゾートにあるイクスピアリには

毎年店が出ますので、気になる方は是非。



以前にもこのチョコの紹介はしていますが、

これが本当に美味しい。

とくに、代表的なチョコである

パヴェ・ド・ジュネーブ(ジュネーブの石畳)

と名が付いた上記写真のチョコは、

私と妻が、世界一美味いチョコとして

ハマりにハマっていたもので…



チョコ以外の要素は何もない、純然たるチョコ。

フルーツの香りやら、可愛い見た目やら、中に何か入っているやらと、

そういった余計なものは何も無く、

ただ純粋にチョコの美味しさだけを追求した

究極のチョコ。



特に、一番感動するのは、

重さ、ベタつき、チリチリとするような甘さを

一切感じないこと。

食べた後に、何かで流したくなるような

チョコ独特のあのモッタリ感が一切ありません。

物凄く強いチョコ感を口の中に広げたあと、

全てが蒸発するように消えていく口溶け。

本当に美味しいです。



チョコの楽しみ方は人それぞれですし、

見た目の可愛さや、

チョコ以外の要素をいかに追加して、元のチョコの魅力を更に引き立たせる事が出来るか、

なども勿論チョコの楽しみ方の1つですので、

純然たるチョコだけがキングオブチョコという訳ではありませんけどね。





ただ、やはりそれなりにお高いです。

金額の方は紛れもなくキングオブ高級品です((((;゚Д゚)))))))

でも、これを楽しめるなら全然払いますけど(*´ω`*)






来年はこれを買いに来れるのか、

また2人で見つけた、2人だけの楽しみを

また感じることが出来るのか…



私はそんな思いを抱きながら、

1年前には妻のその足で元気に歩いていたイクスピアリの石畳を、

今年は、車椅子でガタガタと押しながら、

チョコの販売店が並ぶイベントエリアを目指します。



顔も相当に浮腫み、

明らかに、重篤な状態1歩手前ではないか…と

一目でそう見られてしまう状況の妻でしたが、

妻は、そんなことはお構いなく、



👩また買いに来ました!



と、目を輝かせて、

予め書いて持ってきたメモを店員に渡して、

3万円以上にもなるチョコを

躊躇することもなく買っていきます。



人が喜ぶことをするのが大好きだった妻。

お世話になった人達みんなへ、

自分が大好きだったものを渡すために。

私の分も、普段の倍の量を…



一切口には出しませんでしたが、

世界一大好きだったチョコを楽しめるのは

もしかしたらこれが最後かもしれない…

きっとそう思っていたんじゃないかと思います。






嬉しくて、



悲しくて、



普段と違う買い方をする妻に、



何か、遠くへ行ってしまうような感覚に襲われ…



こんなにいっぱい…!と、

計算機を片手に金額を間違えまくる

困惑する店員さんに、



私は、ただ



本当に好きなんですよ。



今しか買えないですからね(*´ω`*)



と、笑顔にならない笑顔を返すのが精一杯で…






チョコを袋一杯買った後は、

ナナズグリーンティで昼御飯を。



抹茶専門のカフェですが、

ご飯ものがとても美味しくて、

妻もよくディズニーおひとり様だった時に

食べていたみたいです。



天然マグロとアボカドのとろろどんぶり が

大好きでした!

f:id:aegis-pilebunker:20190307172759p:plain

写真は公式サイトのメニューから拝借しました。



妻は、穴が空いてしまっている顎下に

大きなガーゼを何重かに貼って、

医療用の大きなマスクで覆って、

そこから食べ物や、水分が吹き出さないように

苦労しながらも、上手に食べていました。



周りの客からすれば、

とても気になる状況だったんでしょうね。

酷く浮腫んだ顔に、

大きなガーゼとマスクを顎に付けたまま

食事をする二人。



私はまったく周囲が気になる事はありませんでしたが、

自分が逆の、周囲の立場だったとしたら、

状況が把握出来るまでは、

そちらをチラチラと見てしまうでしょうね。

普段の日常では、決して見ることがない光景ですから。






自分の想いを貫き、

やりたいことを、やりたいようにやる妻らしさ。

この、自分の想いを貫く行動力に

私は惚れていたんだと思います。






私も、自分の好きなことは好きなようにやらせて貰い、

やはり同じように、自分の好きなことに妻もついてくる。



お互いに好きなことをやり、

相手の好きなことに付いていき、

知らないことは教えてもらう。



自分が1番知っていること、

自分が全然知らないこと、

互いに興味を持って、面倒くさがる事もなく、

自分が1番好きなことをやることが、

相手にとって一番の刺激になり、

相手の喜ぶ顔が、自分の一番の嬉しさになる。



ダメだ…

妻との思い出が詰まっている時の話をすると、

本当に色々な事を思い出してしまいます…






そして、昼食後はディズニーシーにIN。



スウィートダッフィーのオブジェの前で写真を撮り、

f:id:aegis-pilebunker:20190307213135j:plain



タワテラ、トイマニと、いつものコースをこなして、

夕飯までの時間、想い出話をしながら、

車椅子でパークを回る。



ミラコスタの外壁を金色に染める、

日が落ちていくほんの15分くらいしかない

全てのものが輝く瞬間、

この景色を目に焼き付けるように。



👩やっぱりディズニーは楽しいなぁ、
 また皆で来たいなぁ…



🧑大丈夫、きっとまた来れるよ。必ず良くなる。
 これで最後なんて、そんなことない。



この言葉を妻が自分から言うなんて…



妻自身が、もうここには来れないかもしれない、

という想いを抱いている事に、

生きている間にそれを思う瞬間があるなんて

1度も考えたことは無かった。



何か、



後戻りが出来ない、避けようが無い



取り戻すことが出来ない、見えない一線を



今、この瞬間に超えて行ったような、



もう、自分たちの力で



話を動かすことが出来なくなったような、



現実味の無い、朧気な世界。



自分たちを取り巻く全てが



全てが曖昧になっていくような…






この時の感情を、うまく言葉に出来ない。



全て、信じたくなかったのかもしれない。



あたりはバレンタインムード一色で、



私たちのような、



今日で、この生活も最後かもしれない…



なんて思いでここに来ている人はいない。






日もすっかり落ち、

あたりは恋人たちの背中を照らす

イルミネーションで満たされる。



アメリカンウォーターフロント

SSコロンビア号の前の広場にも、

恋人たちを光で祝福するモニュメントが。

f:id:aegis-pilebunker:20190308234727j:plain

f:id:aegis-pilebunker:20190308234740j:plain

この日は、色々な所に

こんなイルミネーションが沢山あって、

暗くなった後も本当に景色が綺麗でした。






夕飯は、SSコロンビアレストランで

コース料理を二人でシェア。



妻は、きっと食べるのが大変だから、と

スープを2つ注文。

f:id:aegis-pilebunker:20190308235702j:plain



二人の結婚について話をし、

息子の話をし、

f:id:aegis-pilebunker:20190308235902j:plain



妻の話をして…

f:id:aegis-pilebunker:20190308235937j:plain



お腹一杯に、幸せいっぱいになるまで。

f:id:aegis-pilebunker:20190309000133j:plain

f:id:aegis-pilebunker:20190309000147j:plain



最後に、

少し早い結婚記念日を、

結婚記念日の3日前に行われる手術の前にやりたい、

と、予約も無しに急遽の申し出に、

キャストさん達は快く受けていただき、

しばらく待つと、

思いもよらないプレートでのお祝いメッセージが!

f:id:aegis-pilebunker:20190309000537j:plain



これにはたまらず、

嬉しくて嬉しくて二人で泣きました。



手術頑張って!

また12年目の記念日に来てください!



と、励ましの言葉まで頂き、

妻の目にまた希望の光が戻った気がした…

本当に感謝しかなかった。

ディズニーの魔法に掛かった瞬間だった。



願えば叶う…



この言葉を力に、手術頑張ろうな!

と、想いを一つにして、

レストランを出る時にも

沢山のキャストさんに見送られ、

必ず来年も来てください!

必ず手術は成功します!

待っていますからね!

と励まされて、パークを後にしました。






この手術前の外泊は明日までの3日間。

夢の世界からまた現実に引き戻され、

見たくはない現実がまた目の前に迫ってくる。



でも、

今回のディズニートリップは

人知れず深く深く落ち込んでいた妻に、

希望を与えてくれたように見えた。






まだまだ諦められない。



悲観なんてしていられない。



たとえ現実が辛くても、



たとえ非現実的な世界だけが、



辛い現実を忘れられる唯一の場所だとしても、



それで希望が持てるなら、



笑顔で居られるなら、それでもいい。



もし、手術が成功したら、



二人で、堂々とまたディズニーに来よう。



たとえ顔に大きな傷があったとしても、



ゲートをくぐれば、そこは妻が妻でいられる世界。



そうやって、2年、3年過ごせば、



また自信を持ってみんなの前に出ていける日が必ず来る。



大変かもしれないけど、



2人なら必ず、辛い現実も乗り越えていける。






それでも、結婚11年目の記念日が



こんな状況の中で迎えることになるなんて、



あまりに辛すぎる。

■舌癌34 緩和ケアチームへの相談

2017年1月29日



妻の、舌、口腔低手術も目前に迫る休日。



抗癌剤の効果も十分とは思えず、

2クール目を進めても良い傾向とはならない、

と判断されたため、

2月上旬には切除手術をする事になった妻。



この手術以後、

もし経過が良好でも、

半年近くは入院状態で回復を待たなければならず、

その間、飲食も自力では困難な状態となる。



万が一、癌の再発、転移、残存があれば

もう退院は出来ない…ともハッキリ言われている。



そんな中、

1年半もの間、寂しい思いをさせ、

満足に遊んであげることも数回ほど、

食事を作ってあげることも、

顔を見ることもたまにしか出来ない息子に、

手術を目前に控え、不安も限界になろうという妻から



👩たまには遊んであげてね。



と、丸一日息子と過ごす休みを貰い、

私と息子の二人でディズニーシーへ行くことに。






妻は、本当にディズニーが大好きでした。



記憶に残っている方もみな、

妻を思い出せば一緒にディズニーに行ったこと、

溺れるほどのダッフィーグッズに埋もれていたこと。



シーも、ランドも、1日の回り方、

プランニングを妻が考え、

そのメモを持って遊びに行ったこと。



LINEで、やり取りしながら

あたかも一緒にいるかのように

その雰囲気を楽しんでいたこと…



そんな思い出の中に妻がいる人が

沢山いるんじゃないかと思います。




この日も…

妻も、私と息子と一緒に、

そこにいるような気持ちになって欲しくて、

リアルタイムで写真と会話をしながら、

息子とも全力で遊びました。





このブログを読んで頂いている方の中にも、

当時の妻をよく知る方もいらっしゃると思います。



懐かしいなぁ、と感じて貰えるかわかりませんが、

この日の私たちのLINEの一部を公開します。

(妻を知らない方には、すみません。舌癌辿って来られた方には何のこっちゃわからないと思いますが、前半だけお付き合い下さいm(__)m)






*********************

🧑いってきます!🏃三 6時00分



🧑混み💦 7時31分

f:id:aegis-pilebunker:20190222084454j:plain



 👩8時オープン?
  ここからだとトイマニのFPは無理そうだね💧
  タワテラFP取った方がいいよ。
  もし運良く取れても20:00過ぎのFPかなぁ💦



🧑何とかならんかねぇ
 息子も期待してるのに(´д`|||)



🧑はじまった!ヾ(⌒(_*'ω'*)_ 8時01分



 👩アトラク混んでるときは、
  息子が行きたいっていった場所に行ってあげると、
  ご機嫌でいいよ。
  アトラク混んでて、いっぱい並ばないと
  乗れないよ~って言えばあきらめてくれるし。



🧑ダッフィー絵のパスポートとかあるんだね✨



 👩通常の1デーパスポートでしょ?
  かわいいよね~😄💕
  欲しいけど、ほかにも何種類かあって、
  ダッフィーの絵柄が出るかわからないんだよ~💦



🧑いきなりトイマニシスちょう😱 8時30分

 ビックバンドビート前くらいでFP並んだ。
 何時かなー
 19時からのショー見るから、そのあとなら乗れるかな。



 👩今、何時台のFP発券してる?



🧑目視不可
 ネットで13時14時



 👩ちょうどいいくらいのが取れるかもね🎵



🧑ショー最後見れるか微妙💧

f:id:aegis-pilebunker:20190222172912j:plain



 👩ショー見れるじゃん!
 19:00からでしょ?
 ショー終わったらすぐ行けば、余裕で間に合うし!
 ちょうど良い時間の取れてるじゃん!



🧑見て、早くいく🎵

 少ない情報でよくドンピシャのトイマニ時間
 わかったね(笑) さすが妻



 👩ルルルル~♬︎💖



🧑2万マイル奇跡の15分待ち💖
 10時55分にタワテラFP取りにいくから
 2万マイルで時間調整



🧑タワテラFP、ショー前ギリギリのが取れるか、
 ショーにかぶるかの瀬戸際。



 👩10:55になったらソッコー取るが吉。



🧑シンドバットクリア!10時11分



🧑カリースープとチャンドゥテール中



 👩お昼ご飯?
  デザートか!(○´∀`○)



🧑カリースープすごい美味しいらしいww
 息子はカリースープ好きになった(笑)



 👩タワテラFPもショー終わった後のものを取った方が
  いいね。ベストタイムは19:30~20:30。
  トイマニ終わったらすぐタワテラ行ける!



🧑タワテラFP時間、トイマニと被りそう(゜ロ゜;



 👩タワテラFP、今だと確実にショーと被るから、
  19:30~20:30のFP発券まで時間調整したほうが
  いいよ!



🧑人いっぱいで調整しきれず。

f:id:aegis-pilebunker:20190222173716j:plain



 👩タワテラFP時間、いいね👍



🧑タートルトーク待ち!

 タートルトークいって、
 13時からのアウトオブシャドウランド見て、
 ベースキャンプグリルでこれ食べたいらしい

f:id:aegis-pilebunker:20190222173915j:plain



 👩ユカタンのハンバーグ、胃がもたれるから
  気をつけてー(≧Д≦)💦



🧑🐻

f:id:aegis-pilebunker:20190223004929j:plain



 👩きゃ~✨(≧▽≦)
  フォトスポット可愛すぎ!
  今度行ったら、ここで写真撮りたい!



🧑工事すごい!

f:id:aegis-pilebunker:20190223005001j:plain

(ちょうどこの時、ストームライダーが終了し、
ニモのシーライダーにしている最中でした。)



🧑じいじ、ばあばが緊急参戦w
 これから合流しにくるみたい

 (合流中…13時からのアウトオブシャドウランドに
 目の前で締め切られ、息子機嫌が悪くなる。)



🧑15時15分からのシャドウランドを狙おう



🧑息子はマーメイドラグーンに近寄らせない方がいい。
 ハイハイするような子も遊んでるのに、
 その中でいつもみたいに遊び場を奪い取るから、
 危なくてしょうがない。



 👩トラブル発生!?😱💦



🧑赤ちゃん相手に暴れて、やめさせようとしても
 言うこと聞かなくなる。

 まあ、事故は無く済んだけど…
 息子は駄々っ子になった(笑)



 👩そうゆうときこそ、お得意の説得でしょ!



🧑そそ、ちゃんと聞かせたよ。
 30分くらい天の邪鬼になって
 イヤイヤし続けてたけど(笑)



🧑アウトオブシャドウランド見れた
 息子は、アウトオブシャドウランド大好きになったww



 👩アウトオブ~見れたんだね💖
  良かった!

  わたしはミスティックの方が断然好き!
  アウトオブ~はもう見なくてもいいやってカンジ。



🧑13時の回を目の前で締め切られたのを、
 ばあば達に、買い物なんてしてるからだよ!って
 息子キレてたww



 👩でも息子、入れなかった時に
  ちゃんと気持ち切り替えして
  マメラグ行ったんだね。偉いね



🧑だっこ時間が増えて実況できない(´д`|||)



🧑餃子ドッグと揚げピザ買ってショー待ちポイントへ
 息子は、じじばばとショー待ち中。



 👩どこから見る予定?
  ポルトフィーノ前?
  ミッキー広場?



🧑ザンビ前になった。
 シャドウランド見てる間にじじばばにとっといて
 もらったの



 👩寒くないようにプーさんブランケット持ってきた?



🧑ブランケット持ってきたよ。
 でも、ダウンのチャック閉めなくていいくらい暖かい



 👩ショーの後はお楽しみアトラクション2個だね💖
  タワテラ、息子がちゃんと前向いてたら
  写真買ってきて👍



🧑トイマニ2分前滑り込み!

f:id:aegis-pilebunker:20190223061049j:plain

一時間のベストゲット!(笑)



🧑タワテラ、level13のAコース乗った!

 シリキの本気(笑)
 しかも最後列の真ん中(前があいている席)
 に息子乗ったwww



 👩息子泣かなかった?



🧑シリキ今日凄い怒ってたね!とか言ってるww
 面白すぎるww



 👩息子すげー(笑)



🧑写真前むいてないけど買ったよ~



 👩ひゃっほーい!😋

  1日お疲れ様!
  私もすごい楽しかった!

*********************



やっぱり妻は、

ディズニーの話ならとても元気についてくる。



息子は、沢山のアトラクションに乗れ、

最後にタワーオブテラーのLevel13のAコース

に乗って大興奮!

(Level13イベントをやっている時、
エレベーターの動きが変わるのはABCのうち
Aコースのみなんです。更に1階2階の乗り口がありますが
結局1階でも、2階でも、動きが変わるのはAコースのみ
です。)

今日のシリキ凄い怒ってたねー!

と、妻が久々に大爆笑する一言も(笑)



5歳にしてタワテラLevel13の動きの違いが分かる

というのが異常だと思いますが…



息子は前回シーに私と2人で来た時に

初めてタワテラに2回乗り、

今回の3回目にしてLevel13を経験、

その後、何度か一緒に乗りましたが、

6歳以降くらいからは

こわい:(´ºωº`):

と、言い始めて乗らなくなってしまいました(笑)






こうして、

妻は外出出来ませんでしたが、

一緒にシーの雰囲気を楽しんだ1日は終わり、

久しぶりに、一日病気の話はせずに

楽しく、沢山話が出来た1日は終わりました。



手術目前に迫り、抗癌剤による体調不良から、

連絡も取れない日が続いていたなか、

これだけ気持ちをこちらに向けてくれた日は

とても久しぶりで、

私も、手術に向けての不安を感じることなく過ごせた

とても貴重な1日になりました。






1月30日



手術説明の日。

また、私に対する緩和ケア先生の相談日。



主治医による手術説明は夕方からのため、

先に、昼過ぎから緩和ケア先生と、

妻の状態、入院中の様子を相談する。






妻はこの頃、病気の話、治療の話は

あまりしたがりませんでした。



今回切除が予定されている

右頚部のリンパ節肥大も、

本人が気付いてから先生に伝えるまで

何回かの診断も経過してから伝えていたという事を

以前の記事でも書いています。



辛いこと、大変なことが多くなってきている今、

周りで支えている側としては、

少しでも辛さや、大変さ、希望、思いを聞いて、

サポートをしていきたいという気持ちになりますが、

本人としては、もっと別の思いがあったのかもしれません。



妻は、我慢をしてしまう性格のため、

痛みや、辛さをちゃんと病院側に伝えられているのか、

本当に不安でした。



これについて、妻の良き相談役になって貰っている

緩和ケアチームの先生、看護師さんに

今後の支え方や、

病院での妻の様子などを相談しました。






まずは、日頃の妻の様子。



心配していた状況とは裏腹に、

家族や、友人がお見舞いに来ている時は

状態もとても安定しており、

痛みや辛さに対する要求も少なく、

無理をしている様子も無いとのこと。



しかし、誰もお見舞いに来れない時や、

夜の時間は、1人でいることがとても不安な様子で、

何度もナースコールをする事もあり、

特に、夜は不安が増大するのか、

誰かが付き添って話をしていると落ち着くが、

そうではない時に限って、

痛みに対する感受性の波が大きくなり、

昼と夜で痛み止め薬の量が5倍も違う事もあったという。



痛みや辛さに対する相談や、要望については

思っていた以上に相談をしているらしく、

辛い時はちゃんと自分で辛さを訴え、

薬の増量などもちゃんと自分で相談をしていた。

変に我慢してしまっていないか不安だったが、

そんな事は無さそうだ。



しかし、痛み止めの量が昼と夜で

5倍も違う事があるなんて…

不安というのは、

そこまで体調に作用するものだと初めて知りました。



これに対し、体の変化については、

やはり病院側にも伝わってこないことが多かったらしく、

明らかに状態が悪くなってから知らされる事も。



自分の体調が、病状が悪くなっていく

という事を認めたくないような気持ちなのか、

知られてしまうと、また辛い検査や、治療を

やらなければならない、という恐怖心からか。



私が感じていた不安感、心配は、

やはり病院側でも同じ状況だったらしい。



これに対して、妻の気持ちのケアをする方法は、

正直なにも答えが見つからなかった。



緩和ケア側の判断としては、

出来る限り、家族で過ごしてもらう時間を

増やして貰うことが、

本人の不安、辛さを軽くする事が出来る筈、

ということ。



日中、家族と過ごす時間が多いときは、

不安な様子が消え、

痛み止めなどの量も大きく減っていた。



しかし、

決して痛みを我慢してしまっているという事ではなく、

精神的な原因から来る痛みというものが確実にあり、

家族で過ごす事で不安な気持ちが和らぎ、

痛みや辛さが緩和されるのだという。



家族の方は、

辛さの邪魔をしてしまわないか?

なんて事は思わずに、

積極的に家族で過ごしてもらった方が

本人もだいぶ楽になると思いますよ。

と。



また、主治医の先生の説明と、相談への回答が

端的すぎる(突き放されたような感じを受ける)

という事に対してのトランスファー

(もう少し優しい説明)も、

緩和ケア側で出来るとの事で、

いつでも相談して欲しいと言っていた。






緩和ケアは、この時から約半年前、

2016年7月頃から開始していたため、

aegis-pilebunker.hateblo.jp

だいぶ以前からお世話にはなっていたのだが、

直接担当医にあってお話をしたのは今回が初めて。



緩和ケアは、どうしても終末期の患者が

もう治療はしない、という場合に利用するもの、

という意識が、世間にはまだ根強く残っていると感じますが、

実はそうではなく、

癌治療は、治療と緩和ケアの2本柱で進める事が基本で、

どちらかが欠けても、

患者のQOL(クオリティオブライフ)が下がり、

生きていることに辛さを感じ始めてきてしまう。

そうならないために必要な治療の1つだと聞いてきました。



しかし、今回の相談で、

一番身近にいる私ですら、妻の気持ちが分からず、

変に話をすれば、

悪化や死を連想させる話にもなるため

下手に本人から聞くことも出来ず、

非常にモヤモヤとした気持ちでいた事が多かったのですが、



緩和ケアチームとの相談の中で、

妻が親族、友人には見せない姿や、

訴えを聞くことができて、

私達も安心出来るという事だけでなく、



家族しか知らない妻の特徴や、

好きな物、興味があること、嫌いなものなど、

病院側としても妻との良い関係を作るための

情報を得られる重要な話し合いの場という意識があり、



私たち家族が緩和ケアチームとお話をするようになってから、

看護師さんも妻と仲良く過ごす事が増えてきたり、

家族も妻の様子を知ることが出来て安心出来たりと、

家族を含め、不安を取り除く事が出来る

とても大切な治療の一つなんだと、

強く感じました。






続いて、夜からは

主治医先生からの手術説明。



基本は、今まで説明されていた通り、

舌の亜切除、

右下顎、口腔低を顎骨ごと切除。

右頚部のリンパ肥大の切除、と変わらないが、



前回説明からの違いは、

有茎皮弁だけでなく、

遊離皮弁も使わないと顎を埋める肉の

ボリュームが足りない可能性があるということ。



遊離皮弁はお腹の筋肉を使うということ。

顎骨を避けて切る事は出来ず、

骨の区域切除は必須であること。



そして、

左頚部リンパに更に転移が見つかったこと…



これもやはり切らなければならないが、

まだ状態がハッキリしていないらしく、

いずれにしても、首の左右両方のリンパ節を

同時に切る必要までありそうだ。



なぜこれほどまでに妻を、

私たち家族を苦しめるのか…






やらなければならないことはわかっている。

ただ、手術後の痛み、

自分の体の状態に対して納得、理解は

出来るのだろうか。



自分なら…無理だ。

傷が癒えるまで意識が無い状態でいさせてくれるなら

決断出来るかもしれないが…






また、気管切開、および、

舌の切除により喋れなくなる。

コミュニケーションがとりにくくなるのは

本人の辛さを理解する事が難しくなるため、

寄り添う者としても本人としても、

互いに辛い時間を送る事になる。



しかし、これ程の手術となると、

術後の腫れや浮腫で、気管を圧迫し、

窒息死してしまう可能性があるため、

気管切開はやむを得ない処置だという。






手術まであと1週間。



ここに来て新たな転移も見つかり、



不安も限界を迎える妻、家族に、



1週間後、



想像も出来なかった、まさかの事態が



容赦なく突き付けられる事になります。

■舌癌[番外編] 堀ちえみさんの件と早期発見

2019年2月19日



堀ちえみさんが、ブログで舌癌を公表された事に、

だいぶ世間も、闘病ブログを書かれている方も

話題に触れていますね。



今回の件で、舌癌というものが世の中に広く

認知される気がします。



何故だかわかりませんが女性に多く、

最近症例が増えてきているという話も

よく聞くようになりました。



原因となるものがハッキリしていない病気にありがちな

たばこ、酒、刺激物や熱いものの飲食、などが

まず情報として並べられていますが、

そんなものは気にするレベルの原因には

ならないと思います。



一番気にするべきは、

ようやく今回の件で取り上げられるようになりましたが、

歯並びや、歯の治療後の当たり、

そういったところから起きてくる舌の動かし方の癖、

が一番気にしなければならない事だと感じます。



妻も、会社の近くの、私が行っていない歯医者で

治療をしていましたが、

治療後、癌になった辺りの歯周辺の

当たりが変わったことを気にしていた時期がありました。

しかし、歯の治療後は、大抵そんな感じがして、

しばらく慣れるまでに時間が掛かるもの。

そうこうしているうちに当たりに慣れてしまい、

同じ場所に口内炎が出来る事が増えて行った

という話をしていたことがあります。






舌癌は、散見される情報としては、

早期発見が出来る癌として言われています。

目にみえますし、

痛みや異物としてすぐに本人が気付く事が出来ます。



しかし、実際はどうでしょうか。



いや、そのまえに、

早期発見って、どれくらいの事を言うのでしょうか。



癌が発生してから2週間? 1ヶ月? 半年?

本人が異変に気付いてから2週間? 1ヶ月?

診断名が付いてから手術までの期間が1週間? 1ヶ月?



どれくらいなら早期発見と思いますか?

私は、体の免疫が癌を倒せなくなってから、

1ヶ月以内くらいなら早期発見かなと思っています。



しかし、実際の話としては、

癌の悪性度と、

癌細胞に対して、どれだけの攻撃、傷付けが行われたか

によって、大きく変わると思います。



悪性度の低い、1箇所に集積するだけの

硬いビー玉のようになる癌は、

場合によっては、年単位で対処が遅くなっても

早期発見同等の治療が可能だと思います。



逆に、浸潤性の高い柔らかい癌は、

発生した時点で既に手遅れ…

というか、もう対処のしようもないもの

というのが現実かと思います。

手遅れ、なんて絶対に思いたくは無いですが。



早期発見なんて言葉は、

早ければ早いだけ良い。

と言っているだけで、

何ヶ月以内なら助かる

なんて物差しにはまったくならないのが

本当だと思います。



で、舌癌に話を戻しますが、

目で見えるから、

異物感に気付けるから、

早期発見で対処しやすい、なんて

当事者として関わったことの無い人が、

何となく思ったことを口にしているだけの戯言。



実際には、

誰にでも起きる、頻繁に起きる口内炎

見分けが付かない事から始まり、

普通の口内炎が治るまでの期間+様子見

くらいの時間を食います。



内臓系の癌の場合、

見えない分発見が遅れる事はありますので、

その点でリスクは高いですが、

もし見つかった瞬間が早期発見のタイミングであれば、

普段こんな場所にしこりなんて繰り返し出来たりしない、

という判断から、即座に おかしい となり、

癌治療への動きを始められます。

そういう意味で、

見えない部分の癌が頻繁な検診の中で見つかれば、

それは早期発見となる事が多いわけです。



で、舌癌の場合は更に、

口内炎として治らない、おかしい、と思って

耳鼻科、歯科等で見てもらい、薬を処方され、

2週間様子を見るよう言われます。

それでもダメなら、

そこから大病院を紹介され、

10日後くらいでやっと予約が取れ、

本格的な検査が始まります。



この時点で、

異変が起きてから1ヶ月半は経過します。

通院を考えてからは1ヶ月強。



その間、食事や効かない薬、

自分で気にして色々弄り、

常時歯に当たって傷付けられる。



内臓系の癌で、こんなにも癌転移を後押し

してしまいやすい癌は、他になかなか無いでしょう。



舌癌は、全体的に予後が悪い癌、と言われますが、

癌の特性よりも、こういった事が大きく作用している

と思います。



堀ちえみさんの場合、

レーザーで何度か焼いた、

という治療を行ったとも書かれています。

その治療を行ったのは何処なのか、

本人が望んだ事なのか、

医者が勧めた事なのか、

美容整形などの金儲けしか興味の無い医者モドキが

素人以下の知識でやってしまった事なのか分かりませんが、

にわかに信じ難い話です。

絶対にやってはならない事です。



そういった治療まがいの行為から、

ある程度治癒してくるまでの期間も、

相当掛かっているでしょう。



正式に癌だと診断されてからは

緊急手術の流れになったようですね。

2月22日には手術を行い、

まずは無事に手術は終わったようですが、

ご家族がどのような報告を受けているかは

分かりませんので、

大変辛い状況である事はお察しします。



どうか、全ての結果が良い結果となり、

術後の経過が良好であることを祈ります。

それでもなお、癌に追い討ちされない為には、

フルドーズの抗癌剤治療を宣告されていると思います。

最低6クール程の計画になると思いますので、

今から半年は体力勝負になるかと思います。






舌癌は、早期発見しやすい癌だという

印象が強いかと思いますが、

最大速度で対応しても、異変を感じてから

治療開始までは1ヶ月以上は掛かり、

その間の殆どの時間は、

待ち です。



薬の効き待ち、

受診予約待ち、

検査待ち、

検査結果待ち、

対策検討待ち、

手術順番待ち…



芸能人でもない限り、

堀ちえみさんのような緊急手術はありえないでしょう。



そう考えると、

舌癌は決して早期発見の動きで治療を開始出来るものではなく、

非常に状態が悪くなってから対処が始まる癌だという

知識を持っておく必要があると思います。



あと1週間様子を見てから、

2週間は仕事休めないから、

と、先延ばしにしない度胸が必要です。

それはどんな癌にも言える事かもしれませんが。



堀ちえみさんの治療成果が、

全ての舌癌患者の希望となる事を願っています。






ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村
~漂流中~ は、にほんブログ村に参加しています。