~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■漂流15 三回忌

2019年6月23日



あれから2年、

6月26日は妻の命日。

6月23日に、妻の三回忌を行いました。






今まで法事の事など、実家の方では触れることも無く、

まったく知らなかった私ですが、



妻の御両親にたくさんの事を教わり、

自分でも理解しようと色々調べ、

ようやく何とか、周りには迷惑をかけない程度の

準備、振る舞いも出来るようになってきた気がします。



まだまだ未熟者ではありますが…。






新しい場所での生活、

息子と2人での、ドタバタな毎日も、

1年以上たってようやく流れを掴んで、

少しだけ、今まで出来なかったことをする時間も

出来てきた感じがします。



妻は、私たち家族が生きていくために

必要なこと、大切なことを、

沢山教えてくれました。



それこそ、一生掛かって

ゆっくりと身に付けていく事も…






しかし、

妻は、私たち家族の周りから、

それ以上に大切なものを

もっと沢山、二度と取り戻せない所へ

持って行ってしまいました…






2年前、

余りにも多くの事がいっぺんに起き、

人生に余りにも大きな影響を受け、

やらなければならないことが多すぎて、

気付いていなかった事も沢山あったんでしょうね。



今、2年が経過して、

妻がいなくなってしまった大きな影響を、

余りに大きすぎて、

避けることも、受け止めきる事も出来ずに、

ただ押しつぶされるように

私の人生に覆い被さってきているように感じます…






2019年6月26日



妻の命日にたくさんのお花が妻の元に届きました。

f:id:aegis-pilebunker:20190627200306j:plain



覚えていてくれる、という事が、

妻が生きて、どれだけ人に慕われていたか、

という証なんだと思うと、本当にありがたい事です。



妻の事を、

花やみんなの想いという形でしか、

感じたり、慰めるものがないという事が

あまりに切なくて…



そんなこと言ったってしょうがないのは

一番自分が分かっているんですが、

それで割り切って前を向くというのは、

未だに難しいです。



たとえ息子と2人の生活が

ある程度軌道に乗っているとしても、

全てに納得して、

割り切ってやっていることではないので…



当事者として、

一生で一番苦しく辛い死を

受け入れるしかなかった妻の辛さは計り知れず、

皆その妻の辛さは全身で感じている事かと思います。



ですが、

その一生を目の当たりにして、

自らの手で妻の最後の願い、



二度と起こさないで…それが私の願い…



という約束を守り、

残されてしまった自分と息子の永遠の苦しみ、

不幸に対しては、

きっと誰一人として理解が及ぶ人はいないんだろうな、

と三回忌の時に改めて感じた事でもあります。



集まって頂いた皆さんの事を悪く言っている訳ではなく、

その思いは絶対に当事者にしかわからないもの…

ということです。



こればかりは誰にも解決出来ないことで、

どうしたらいい、

なんて何も言えないことですが、

助けてあげられなかった情けない自分の本心は

今でもその状態のまま止まってしまっていて、

ここから抜け出すことが出来ないだけでなく、

抜け出すこと自体が罪深いことのように感じてしまい、

心の身動きが取れず、苦しさが無くなりません。






どんなに夢物語のような事を言っても、

妻はもう帰ってきません。






いつ、なんとき、家に帰ったら



👩久しぶり!ちょっと戻ってきてみた(笑)



って、家に居たりしないのかな…って、

思ったことは多々あります。



でも、そこで思い起こすのは

3年以上前、4年近く前の妻の姿です。

元気だった頃の妻の姿。



白いベッドの上で、

3本、4本の管に繋がれて、

ただ、骨に皮が被ってるだけのように

痩せてしまった2年前の妻の姿ではありません。



本当は、ちゃんと歳を重ねて、

41になった妻の姿が、そこにあって欲しいのに…







思い出される笑顔も、愛嬌も、



息子と戯れる姿も、



もう全ては遥か昔の話。






妻が亡くなってからは2年かもしれませんが、

私にとっては、

妻が、妻らしくいられなかったこの4年間が、

日常ではない日々として、

鮮明に記憶に刻まれています。



そして、

未来永劫、この十字架を背負って

生きていかなければならないという

果てしない、救いの無い世界に

真正面から対峙しなければなりません。

f:id:aegis-pilebunker:20190627202945j:plain




ただ、居なくなってしまった、



もう会えない、



なんて生易しいものではなく、



これからの半生、



誰とも心通わせる事叶わず、



楽しい時も、



辛い時も、



病める時も、



挑戦する時も…



ただ独り虚無のように



ただ生きてしまっているだけ…






そこに1点の彩りがあるとすれば、



息子の成長を遠くから見守れるような



そんな生活が出来るようになる事だけが、



唯一の希望と思って、



息子を、世の中で活躍出来る人にする



という目標を掲げて生きている事だけが



今の生きる目標になっています。






この彩りの無い世界からは、



自力で抜け出せる気がしない…



どうすればここから出られるのか、



知っている方はいますか…?