~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■ADHD14 コンサータ服用開始

2018年11月下旬



前回ADHDの記事で、

夏休み明けから、てんかんのような症状があり、

10月頃からてんかんの薬(テグレトール、イーケプラドライシロップ)

の服用を開始した事をお伝えしていました。



その後から、

少々行動が落ち着かない事が多くなり、

友達との些細なやりとりの中で、

突然顔を叩いたり、なわとびで叩いたり。



先生に対しても、叩いたり、

突然大泣きして色々訴えたり、

噛み付いたり…(これで、ぐらついていた歯が抜けました💦)



授業中も頻繁に抜け出して、

床や廊下で寝転がっていたり、

保健室や校長室で過ごしたり、

2時間ほどぶっ通しで寝てしまったり。



余りに行動のコントロールが出来なくなってきたため、

学校側でも対策を考えてくれて、

大好きな体育の時間を、

毎日1回出来るようにと対処をしてくれましたが、



可能な限りの根本的な解決に向けて

こちらがそれにおんぶ抱っこ状態でいる訳にはいかず、

家庭の方でも、大きく話を動かしていきます。






まず、行動がだらけてきたタイミングと、

てんかんのような症状が出てきたのは、夏休み後から。



夏休みで狂ってしまった生活リズムから

元に戻すのに苦労する、という話はよくありますので、

大部分はその影響とは思いますが、



うちは父子家庭で、私が不在の間は

家で面倒を見れる人はおらず、

放課後は18時頃まで学童に行かせており、



当然夏休み中も、車で1時間30分ほど離れた

妻の実家にお泊まり中でなければ、

7時30分~18時まで学童に通わせています。



私の仕事も、

息子の学童も、

普段の通学、通勤の時間と変わらないため、

だらけさせるような生活は出来ません。



ですが、それが逆に幸いしてか、

生活のリズムを崩しやすい障害を持つ子ではありますが、

朝夜の時間や、1日のリズムが崩れること無く

夏休み前半はトラブルの無い生活を送っていました。



しかし、何日かにわたる終日学童という空間と、

ある程度の対処と対応しか望めない学童先生方との終日活動と、

休み中、何回かの妻実家へのお泊まり生活の影響と、

私との2人生活と…



何が悪影響を及ぼしたかは断定は出来ません。

色々な要素が絡み合って結果が付いてきますので、

あえて悪者を決めようとは思いませんが、

それぞれの要素の中で原因になったであろう事は

ある程度は目処が付いています。

その中の殆どは、避けようのない事ばかり。

息子の近くにいた人毎の、ほんの少しの対応の違い。



結果として、

夏休み後半から、朝起きなくなり、

食事の時に、テレビだ、タブレットだとうるさく言うようになり、

食事を食べなくなり、

コントロールが利かず、

黙っていれば好き放題、

口を開けば言い合いになり、

指摘を受ければ怒りをぶちまけ、

収集がつかなくなる、というループに。



障害を持つ子供全員が、とは言いませんが、

この状態になってしまったのを、

言い聞かせ、叱りつけ、怒られる恐怖、

好きな事が出来るのは約束守れた子だけという囲い込み、

他の事で気を逸らす、無視する、放っておく、

そういった事での軌道修正は大変難しいのです。



言われる側の子供も黙っちゃいません。

足をドンドンと踏み鳴らす、

椅子でガタンガタン!と音を立てる、

白目を剥いた目で睨みつけてくる、

うるせえっっってんだろ!

しゃべるな!だまれ!

と激しく暴言を吐く事も。

時には、他の部屋に逃げ込み、

しばらく閉じこもる。



そもそも、何らかの形で 反抗する ため、

どうしたら楽しく過ごせるか?

という解決の為の話し合いに辿り着けません。

無理矢理そういう話をしても、聞く耳を持ちません。



家だと、一応私には逆らわない方がいい、という

多少の制御が利いているのか、

この程度の状況が続きますが、

同学年近くの子がいる所では、

即座にパンチ、突き飛ばしなどが始まります。



このようなやり取りで相当に嫌な思いをしても、

次回の行動には反映されません。

また同じ嫌なことになる、と理解しているかどうかも定かではありませんが、

1度このループが始まると、

相当上手く対応したとしても、

改善 (悪い行動が出ずに、適切にやるべき事をやってくれる。又は、言われれば文句を言わずにやるようになる) まで、

1~2週間、長ければ数ヶ月はこの状態が継続します。



どんなに優しく諭そうが、

報酬で釣って誘導しようが、

怒りと恐怖を植え付けようが、

また翌日、同じ時間になれば同じことを始めます。

約束をすれば、その場の返事はしますが、

そんなことはお構い無しです。当然破ります。



この改善までの期間が非常に長く、何度でも同じやり取りを繰り返す事と、

自分にとって不利益なこと、嫌なことが繰り返されても、それでも同じことを続ける、

という所が、特に周囲から理解されないところで、

本当に気が滅入る程に繰り返すのです。



しかし、経験上ですが、

毎日根気強く、淡々と、強弱だけ付けながら同じ対応を繰り返していけば、

その子にとって、それが習慣化されるまでの長い期間、

とにかくシビレを切らさず、キレること無く、

やるべき事だけをやろう、と対応し続ける事で、

いつのまにかそれが当たり前になります。

文句を言わなくなります。

その間、別に叱られている訳では無いので、

イヤイヤやる、という感じでもありません。

習慣化するだけです。



ただし、注意しなければならない事は、

「甘やかせてもらえる特別な環境」

という場所を絶対に作ってはいけません。



おじいちゃん、おばあちゃんの家では

テレビを見ながらご飯が食べられる、とか

そういう環境を1日でも与えれば、

また家に帰ってきてから地獄の毎日が始まります。



結果、生活が成り立たない状態が続き、

親も、子も、二次障害まっしぐらとなってしまいます。



普段、他の子より頑張ってるんだから、

おばあちゃんの家ではいいよねー

なんて事をしたら、



なんで家ではそれが出来ないのか!?

と始まり、



あれは、学校がお休みの日で、しかも実家だから特別だよ!

なんていう理屈は通用せず、

なんだかんだと反発し、

結局やるべき事はやってくれない。

一切体を動かそうとしなくなります。



学校の時間になろうが、

準備はしない、ご飯は食べない、

片付ければ大癇癪を起こす、

とにかく体を動かさない。



全ての制御が効かなくなり、

学校でも悪い行動が増え、

私(家族)も相当に大変な思いをすることになりますが、

結果的に本人が1番辛い思いをすることになります。



障害をもつ子に対しての甘やかせ方は、

通常の子に出来る甘やかせ方とはまったく違う、

と考えるべきだと思います。



まぁ、この辺の話は長くなるので、

また今度気が向いたらにしましょう。






結局、

そういった夏休みの生活の乱れから、

朝の活動に支障をきたし、

その頃から学童でもやや大きなトラブルが増え、

そのまま2学期に突入していきます。



当然、学校でも同様のトラブルが続きます。

周りの子への影響が大きいことが続くため、

それなりの躾、言い聞かせは必然的に増えますが、

それを冷静に聞く事も出来ず、

人を睨みつけたり、

無視したり、

うるさい黙れ!

などの言葉が増えてきたり。

学校でも、 死ね!  などの言葉が増え、

更なるトラブルに。



ちょうどこの頃から、

テレビを見ている時に、目が左右に振れる動きと、

首が左右どちらかにゆっくりと動くような、

部分てんかんのような動作が見られるようになりました。



前兆として、夏休み前からも

目をしぱしぱ渋そうにする感じはありましたが、

ここに来てハッキリとした動きになってきた、

という感じでしょうか。



ただ、

タブレットやテレビを見ているだけの時には

それほど気になる動きはありませんでした。

単純に目が疲れているとか、そういう感じでは無い

という事は、毎日一緒にいる中で感じた事です。



酷くその行動が出るのは、

夕飯時、テレビを見ながらご飯を食べてもいいと許している時間のみ、

特にこの動きが顕著に出ました。



やはり、テレビを見ながらだとご飯はスムーズには食べられず、

しかし本人は、

朝ご飯の時間じゃなければテレビ見てもいいでしょ?

と、ある意味、夜見れるなら朝は我慢する

という事を交換条件として、朝の行動の約束を守る

という部分があったので、



まあ、夜は食事とテレビを同時にさせる訓練として、

また、少しの息抜き、ストレスをため過ぎない一環として、

許して、やらせつつも、

テレビに集中し過ぎずに夕飯を食べてね!

という事をやらせていました。



ですが、今のうちの子には、

テレビの刺激と、食事を時間を守ってしっかり食べる

という事が大変難しかったんでしょう。



毎日食事が進まず、

注意を受けながらテレビを見て、食事をちょっとして…

これが凄いストレスだったのかもしれません。



部分てんかんのような症状は

日増しに悪くなっていき、

食べ物を口に入れたまま

意識を支配されたように食べる動作が止まり、

目と首が勝手に動くような状態になり、

暫くして我に返って、食事を続ける

という状態になっていきました。



ものを喉に詰まらせてからでは遅い、とすぐ病院に行き、

9月後半から、てんかん抑制の薬テグレトールを開始します。



テグレトールを開始すると、副作用の眠気が強く出てしまい、

学校での居眠りだけでなく、

朝起きる事も困難になり、

そこから始まる おきなさーい! という毎朝のやりとり。

朝起きる時から感情的には最低の状態で始まり、

朝調子が悪かった日の学校、学童の活動も最悪の結果に。



この眠気を改善しないと全ての活動に支障が出る事から、

10月中旬からはイーケプラドライシロップと、少量のテグレトールに変更。



このイーケプラドライシロップの副作用には、

些細なことで感情的になりやすい、という作用があるようで、

それが原因かどうかはわかりませんが、

眠気はやや改善されたものの、

感情的で、衝動的な行動はおさまらず。



そして11月に入った頃には、

てんかん様の動きは薬のおかげか、

ほぼ出なくなりましたが、

やはりまだ思わしくない行動は続き、



仲良く遊んでいたと思いきや、

ちょっとした事で突然暴力を振るったり、

いきなり泣き始めて激しく思いを訴えてきたりと、

安定しない状況が続きました。



これを病院に報告。

判断としては、



ADHDからのやや深刻な二次障害に発展しつつあります。



ちょっとした人との関わりの中で

暴力ばかりが出る状態は、

もう二次障害が出ている状態です、と。



本人は、相当辛いでしょうね。

訳もわからず、いつのまにか自分は、

みんなから 暴力を振るう子だ とレッテルをはられ、

何をしても人から避けられ、嫌がられ、

その度に自分でもコントロール不能になって、

やってはいけないことを繰り返し、また避けられ、

自己嫌悪と、他人に対して憎悪ばかりが膨らんで、

もう、どんなに本人が何とかしようと思っても、

ADHDの子が、自分の力だけでこれを改善するのは

不可能だと思いますよ。



そうハッキリ言われました。



ここで、薬の処方を大きく変えていく事になります。



てんかん薬の効果については冷静に判断しなければならず、

そもそもが飲み続ける事を前提に処方される薬のため、

相当な悪影響が無い限りは簡単に処方を変えることも出来ません。



まずは、強い眠気が生活に支障を来たしているという事で、

少量にしていたテグレトールを無くし、

イーケプラドライシロップのみとします。



そして、いよいよADHDの二次障害を防ぐために、

ADHD対策薬のコンサータを始めることを強く勧められます。

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写真は、薬の説明として頂いた冊子です。



くすりのしおり
コンサータ
http://www.rad-ar.or.jp/siori/kekka.cgi?n=12829



これまで、私は

出来ればADHDの対処は、漢方薬(甘麦大棗湯)のみでいければな、

と思っていて、正式な対策薬は避けたい気持ちがありました。



これは、しっかりと薬の成分まで調べての事ではありませんが、

ADHDの薬は、

覚せい剤の効果に近い

と色々な所で言われている事によります。



実際の薬の作用については、

上の画像にも書かれているので、

参考にしてください。



しかし、嫌だと思っていた薬を試してみようと思ったのは、

いつ息子が、他の子に、取り返しのつかない怪我や、事故を起こしてしまわないか、

学童で最も問題視されている中で、これ以上の問題を起こせば退所させられていまい、生活が成り立たなくなる。

他の親御さんの間で、息子の問題行動が噂されるようになる事から始まる、子供までを巻き込んだ村八分

息子自身が、望まずして引き寄せてしまういじめ。

何よりも、息子が、親でさえも対人関係が築けずに、

誰からも見向きもされず、

反発、拒絶、反抗、諦め、怒り…

そういった経験だけで育って行ってしまう事への重大性のほうが、

薬に対する不安、猜疑心を完全に上回った事によります。



いつか良くなる。



という希望は誰しも持ちたいものです。

しかし、その間に失われた時間と、

友人関係と、

その年齢相応で学ぶ、習慣的な行動は、

他のみんなもやっているから一緒に学べるものであって、

遅れを取り戻す為の関係というのは、

そう簡単に築けるものではありません。



コンサータや、ストラテラ

インチュニブに代表されるADHD対策薬は、

必ずしも 悪い行動が無くなる という

魔法の薬ではありませんので、

効果はひとそれぞれだと思います。



大渋滞で正しく情報が伝わらない脳の働きを、

交通整理してくれるような効果があるため、

考え、行動がハッキリして、

より本来の特性が強調されるような感じになるようです。

眠気も無くなるようですね。

うちの子は喋りが止まらなくなっていますf(^_^;



薬を飲み始めて約3週間が経過しますが、

経過は概ね順調で、

学校からも、学童からも、



居眠りがなくなった!

指示がとおりやすくなった!

暴力が少なくなった!

注意した時に、ちゃんと話をして、

悪かった事は素直に謝れるようになった!

課題をちゃんとやりきる事が出来た!



と、ぞくぞくと息子の成果が聞こえてくるようになりました。



まだまだ怒ったり、教室を抜け出したり、

喧嘩したり、暴れたりすることはありますが、

それでも、

これだけの変化があったことには驚きです。



おかげで、

他の親御さんへの謝罪の電話をどうするか

悩むような事件、事故は、

薬を飲んでからはパタっと無くなりました。

それだけでも相当に嬉しいことですし、



ちゃんと勉強や、活動に向き合って、

ある程度の結果を出してくれるようになった事で、

息子も、周りから

すごいね!

と感心されることが増え、

それが相乗効果で、また良い行動が増える

という流れが増えてきたようです。



よく聞かれる副作用の、食欲減退も殆ど無く、

給食も全部食べてきています。



暫く薬の効果を見ながら、

この状態を続けていく事になりそうです。



コンサータの効果については、

よもぎさんの #よも暮らし で

とてもわかりやすく紹介されています。

勝手ではございますが、とても参考になりますので

リンクを貼らせて頂きますね。



ADHD治療薬のコンサータの効果や副作用は?服薬開始から1年経過した感想について
https://www.yomocracy.com/entry/2018/01/10/180000