~漂流中~

2017年6月、舌癌になった妻(39)が亡くなった。ADHDの息子(6)、頼りない自分(41)を残して…

■舌癌18 みんなの元気を分けてくれ…!

前回更新から
まただいぶ時間があいてしまいました。



■漂流05
に書いた通り、

引っ越しと
息子の小学校入学準備と
都内から千葉へ転出した事による
ありとあらゆる行政関連手続き
などなど…

すべてを一人でやるしかなく
今までに経験したことの無い、猛烈に多忙を極める状態になっている為です。



今一番の作業は、引っ越し後の荷物片付けですね。

時間を忘れて作業してしまい、
気付いたら深夜3時なんて事も…
結局、寝ないと次の日の作業効率が落ちまくって
余計に遅くなるので気を付けるようにしています。

でも頑張ってますよ!
なんせ、こんな部屋になるんですから!






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ウソです(*^ー^)ノ♪



でも、それくらいの開放感があるリビング目指して頑張ってます(ง •̀ω•́)ง✨

とにかく、面倒を感じない部屋作り!

これから息子と2人でスムーズな生活をしなければいけない訳ですから。



小学校入学準備品の買い出しは、こないだの土日で終えました。

名入れは…
こればかりは親の力を借りようと思いますm(__)m
その間に引っ越しの整理をやりきらないと…



ブログは体が動かなくなった時の気晴らしです(笑)






さて、



妻の治療経過は、

舌癌再発
小線源治療へ

というところですが、

その前に、

前回アップした緩和ケア入院の時期に重なる
もうひとつの出来事を…






2016年7月14日



ちょうど緩和ケア入院開始の日。

既にこの日が分かっていた自分は、

辛く、苦しく、悔しい想いをしているであろう妻の為にしてやれることは無いかと、数日前から考え、準備をしていました。

それとなく、
そういう事をしても良さそうか
妻に探りを入れながら…



私は、妻の為に LINEグループ を作り、

最も近い友人、親友にだけ声をかけました。



[グループ名]
オッス!オラ xx !

(名前の部分は xx でマスクしますね)



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[ノート]

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2015年秋から舌癌を克服するために命を削るような闘病生活を続けている妻 xx にみんなの元気をちょっとずつ分けて癌に打ち勝つ力をつけてもらう思いでグループを開設しました。

みんなの元気を xx にちょっとずつ分けてくれ…!





そして、

妻と自分、友人2人、計4人のなかでこう呼び掛けました。



ノートを見てもらえば、このグループの趣旨が伝わると思いますm(__)m

身近な方、妻 を知ってる方で、皆に共通点のある人なら誰でも参加してもらってokです。各自の判断で友人を追加してってください。

どんな些細な事でもいいです。
 今日こんなことがあったよ!
 今xxしてるよー!
とかでいいので、楽しくやりましょう!
妻にみんなの元気を少しだけ分けてください!



はじめは妻も、



なんちゅうグループ名(笑)



なんて笑っていましたが、

徐々にその意味がわかり始めます。



参加者も、1人、また1人と増え、

本当に身近な友人だけでしたが、

私が連絡先を知らない友人まで

しっかりと想いは届き、

妻の本当に好きな友人だけがここに集まりました!



そして、

みな、その趣旨を理解し、

妻が元気になるような会話をし始めてくれます。



そこには、

元気だった頃の妻の姿が(ノ_<。)



妻と、友人たちのやり取りが溢れ、

さながら、
本当にドラゴンボール元気玉のように、

妻にたくさんの元気を届けてくれたのです!



ここ半年以上、こんな妻の姿を見た事はなく、

本当に嬉しそうに

楽しそうに

病気の事も織り混ぜながら

しかし、決してネガティブにはならず

お見舞いの予定を組んだり

お見舞いに来てくれた友人との写真をアップしたり

食事の写真をアップしたり

友人から差し入れて貰ったデザートを食べているところの写真をアップしたり。



ただただ長い入院中の時間を

もて余す事無く、楽しい時間に変えていってくれました。



自分も、息子と遊んでいる写真、動画を

さながら、妻も一緒にそこで遊んでいるような気持ちになれるように、リアルタイムでアップして行きました。

なかには、ディズニーランド、シーに行き、
実況中継しながら、

次どこがいい?

プラン考えて~✨
(妻はディズニーのプランニングの達人でした❤)

なんて、妻が一番好きだったことに病院から参加して貰ったりもしました。



その時の妻は、

病気の事なんてすっかり忘れてるんじゃないか?

と思うくらいに饒舌で

自分からどんどん参加、発言してくれて

自分も一緒にディズニー散歩してる気分に。

これは本当に楽しかった(゜▽゜*)💖



このグループの中で
本当に色んな話をしたのですが…

2016年7月21日

Yahoo!ニュースに、日本で初めて
赤外線による 光免疫治療 のニュースが報道され、それについて自分から話をしています。



👨やってデメリットが無さそうだから、臨床でもやってみる価値はありそう。ただ、症例数が少ないから、未知の副作用がどうなるかわからない。



👩実用化できるようになったらスゴい。
効果が出るガンと出ないガンは何が違うんだろう?
臨床試験をしっかりやって、もっと効果を試して欲しい。私で試さない?(笑)



👨とても希望が持てる新しい治療法だとは思う。
臨床試験は命を懸けたギャンブルだから…ハイリスクハイリターン。



👨1つ言えることは、この治療法は、今から4年間、沢山の人に実験台になってもらって、2020年過ぎに実用化されるかどうかの、未来の話ということ。本来であれば出来る筈もない治療法だから、聞かなかったことにする、というのも正しい選択肢だよね。



光免疫治療…

受けさせてやりたかった。

たとえ実験台だとしても。



このときは、まだ日本にはこの治験を受けられる場所もなく、

何度も、直接開発者に連絡をとって治療を受けたいと言おうと思ったか…

しかし、世界中から、もちろん日本からも、
この治療の有効性に気付き、連絡をしてくる人が絶えずおり、

その度に、全てのメールに対して



申し訳ない。
まだご希望に応える事が出来ないのです。



と返事をしています。

と、開発者本人が話をしている特別番組をNHKでやっており、

自分だけ特別だ、なんて言えない。
連絡をしているその方々全員が、今の自分と同じ境遇で、その方々も断られている。

この治療は早く世の中に出なければならない。

断られる事がわかっていて、先生の開発の手を止めるような恥ずかしい事をしてはならない。

そう思い、悔しながらも想いを噛み潰した事を覚えています。






その後も、

このグループでは、大きな治療、抗がん剤、手術前等には

みんなからの励まし、

前日夜に、真っ暗のなか行ったご利益のある神様へのお参りの様子が送られたり、

入院したまま迎えた息子の5歳の誕生日、

妻自身の誕生日、

結婚記念日と、

全員で妻を励まし続けました。



そして、このグループを作ることを思い立った自分の想いとして、次のように妻に伝えています。



ここにいる皆は、

楽しいことも、
嬉しいことも、
辛いことも、
悲しいことも、
自分一人では受け止めきれないような現実も、

すべて引っくるめて、 妻 が今ここに生きていることを、生きている限りずっと手を繋いで共に歩いてくれる人たちだから…

だから、
一人で抱えないでいいんだよ。
みんなに寄りかかればいい。
楽しければ笑えばいい。
辛ければ辛いと言えばいい。
泣きたければ泣けばいい。
勇気が欲しければお願いすればいい。

今、一人心に抱えているものに蓋をしないで、
真っ直ぐな感情をどーんとぶつければ、
みんなからも真っ直ぐな気持ちが帰ってくるから!

 妻 は一人じゃない。みんなが付いてる!

未来はどうなるかわからないけど、
1ヶ月先も、
半年先も、
1年先も10年先も、
50年先も、
ずっと 妻 の本当の気持ちを受け止め続けてくれるよ!

いつ何が起きるかわからない、
もしかしたら明日二度と目を覚ませないかもしれない、
そういう思いを忘れることなく、
今日、今を常に最高の瞬間に出来るよう、
 妻 の生きている証を刻んでいこう!
みんなで奇跡を起こすんだ!





このグループの会話には、

妻の生きていた証

妻を支えてくれた人たちの想い

妻がLINEが出来なくなるまでの最後の言葉

が詰まっています…(ノ_<。)



今見ても、本当に泣けてくる。



癌の再発は、

また治療すればいい。

では済まされない、とてつもなく大きな意味を秘めています。

その瞬間に、

あ、これはもう本人の頑張りではないな。

と悟ります。

同時に、

この事実を受け止めなければならない本人の気持ちになれば、

いつ何が起きてもおかしくはない、

だから、今しか出来ないこと

今しかやってあげられないこと

楽しいことも、

思い出も、

もちろん治療も、

夫としてやれること…

全部やってやる!



ここから先、

妻が感じるすべてが、

妻の人生の全てになる!

それを、最高の瞬間にしてやれなくてどうする!



もし、治療がうまく行き、

根治したとすれば、

さらに、
もっと最高の人生にすればいいじゃないか。

今やらなくてどうする!



そういう想いに駆られ、

緩和ケア入院の前と、後とでは

意識がガラッと変わりました。

ここで動き出していなかったら、

きっと今ごろ、悔やんでも悔やみきれない

救いようの無い状態になっていた事でしょう。



決して悔いが無い訳ではありません。

しかし、

自分が始めた事で、妻の楽しそうな姿を見ることができ、そのすべてがここに記録されている。

写真や、動画だけでは録りきれない、

妻の言葉、気持ちが残っている。



そう思うと、

このLINEを見る度に、写真なんかを見るよりも

もっと妻を感じる事が出来るのです…






妻は、たくさんの親友から元気を分けてもらい、

小線源治療を受ける勇気に代えて

次の治療へと向かっていきます。