■舌癌13 make a wish!
はじめに。
最近、4月からの新しい生活の為に色々と準備を進めており、時間に余裕が無くなってきました。
ブログを更新する間隔が長くなってきてしまっていますね。
細々かもしれませんが、必ず最後まで続けていくつもりです。
それでは妻の舌癌闘病の続きです。
2016年4月中旬
2回目の手術、頚部リンパ節切除手術を受け退院した後。
比較的早く調子を取り戻し、4月19日からの放射線治療の準備を進めて行きます。
ちょうどこのとき、息子5歳の七五三から半年前。
妻が、子供が生まれたときからずっと楽しみに、目標にしていた、ディズニーホテルでの七五三向けセレブレーションパーティの予約を…
セレブレーションダイニング&グリーティングプラン
http://s.disneyhotels.jp/banquet/plan/celebration_2018.html
ディズニー好きの妻が、子育てのひとつの節目としてずっと考えていた企画です。
また、ディズニーランドホテルファミリールームへの宿泊2泊と、ランド、シーへの2日間連続パークインも。
ディズニーランドホテルファミリールーム
http://www.disneyhotels.jp/tdh/room/concie_family.html
ちなみに、自分を除く全員が2パーク年間パスポート所持のため、年間パスポート代と、自分のパスポート2日分含め約30万円超。
当日の食事、その他サービス等も含めると、総額100万円を越える3日間連続のディズニーフルコースという大企画。
えぇ、5年計画で貯蓄しましたとも٩( 'ω' )و
ディズニーのホテルやレストランの予約は半年前から可能で、人気のプランは半年前の朝イチに予約しても取れない事があるくらい。
その辺がよくわかっている妻。
予定日のちょうど半年前、午前10時頃には
全部予約とれたよ!💝
と喜びの連絡が。
さすがです(笑)
しかし、正直今の状況で半年後に病状がどうなっているか予測は出来ません。
それでも、
make a wish!
夢を叶えるんだ!
何があっても、どう変わっていっても、
変わらない想いは1つ。
ただこれ1つを胸に、皆の想いをすべてここに結集します。
そして、これからの治療のスケジュール、タイミングを、主治医にもオープンにした上で、それに向けて計画を立てていくことになります。
2016年4月14日
妻の病気とは関係はありませんが、共通の友人が子供と4人で住んでいる地域だったため、すぐさま連絡を取り、無事を確認。
まだ生まれたばかりの乳児を抱えながら、寒い星空の下、屋外、車の中で2夜程を過ごしていた事を思い出します。
その友人の子、長男(確か当時4歳)は、
巨大な地震、余震が来る度に
地球に対して 「うるさい!!!」 と怒っていたそうですwww
数日後、家に戻れた事を確認し、日持ちする食料、トイレットペーパー、ウェットティッシュなど日用消耗品と、子供が喜びそうなジュース、お菓子、オモチャなどもダンボール箱一杯に詰めて送りました。
輸送機関もだいぶ遅れがありましたが、その時はゆうパックが他サービスより1日早く到着した速報なんかも入ってきており、確か発送から3日後くらいには到着していたと記憶しています。
他の友人からはamazon直送でテントなんかも送ったらしく、
これだけあれば何処でも生活出来ますありがとうございます!
と元気な返事が帰ってきてとても安心したと共に、
今、東京でこんな地震が起きたら、妻の治療を無事に行う事が出来るのか、守ってやる事が出来るのかと、とても心配になった出来事でもありました。
そんな中、
妻は、放射線照射の位置決め、頭、体の固定のためのマスク作成、体へのマーキングなど、あらゆる準備をすすめ、放射線治療開始日を待ちます。
放射線治療 頭頚部固定マスクなど
http://www.onh.go.jp/rt/images/pdf/%E6%94%BE%E5%B0%84%E7%B7%9A%E6%B2%BB%E7%99%82%E6%A1%88%E5%86%85ONH%E7%89%88%E9%A0%AD%E9%A0%B8%E9%83%A8.pdf
また、放射線治療に対する全体の知識を得るには、以下のサイトなんかがとても有効でした。
最新放射線治療のすべてがわかる
http://houshasenchiryou.kuron.jp/index.html
結構ビックリしたのは、皮膚へのマーキング。
ちょうど切除手術をした頚部付近から鎖骨、肩甲骨、背中辺りまで油性ペンのようなものでマーキングが。
これによって照射位置を毎回正確にずらさず処置が出来るため、あまり体を強く洗わないで下さい、と。
また、舌癌、頚部への放射線治療の際、最も気を付けなければならないのが、下顎への被爆をどれだけ回避出来るか。
実はこれが今後の治療の中で、最後の最後まで付きまとう、非常に強く意識を続けなければならないものとなる事を、先に伝えておきます。
J-Stage
放射線性下顎骨壊死症例の検討
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/113/12/113_12_907/_pdf
エビデンスとして非常に多くの症例と、ハッキリとした原因、理由があり、下顎への放射線副作用は最も注意が必要で、被爆量を厳重に管理しなければならない。
通常、根治を目標とした放射線治療では、癌組織への被爆量を約70グレイと定めているらしい。
これは、癌細胞を確実に壊死させつつ、正常細胞がギリギリ治癒を望める限界被爆量となっているかららしい。
しかし、エビデンスに残る情報では、顎骨への重特な副作用は60グレイ程度から多く発生し、80グレイの時点で殆どが顎骨壊死へと発展してしまうと書かれている。
つまり、照射位置、角度などが悪ければ、標準的な放射線治療を行うことで癌を駆逐したと同時に、副作用によって命を奪われる、という最悪のルートに漏れることなく乗ってしまう事になる。
ひとたび顎骨壊死など起こしてしまえば、それが癌なのかどうか判断も難しく、また、治療法が無いため、癌であっても顎骨壊死であっても、どちらでも似たような結果を辿り、やがて下顎を失い、生きる能力を失うという結果になりかねない。
顎骨壊死は、下顎付近への放射線治療後の、虫歯治療、抜歯などが原因で起きてしまう事もある。
元々下の歯に虫歯などがあり、放射線治療によって骨が脆くなった事で虫歯が進行し、抜糸を余儀なくされた等の経過を辿った際に、
放射線治療の副作用で、抜歯後の傷治癒が進まずに壊死が始まり、そのまま下顎が溶ける、腐るなどの症状に発展していく。
当然虫歯以上、骨折レベルの猛烈な痛みに襲われ、我慢、放置など出来る筈もなく、顎骨の大部分を切除しなければならなくなるが、
切除すれば治る、ではなく、切った所がまた治癒できずに、結局骨と皮膚の壊死が進み、手の施しようが無くなってしまう。
舌癌、口腔低癌付近の症状としてはもっとも危険な進行であり、本人も、看病する側にとっても、大変な苦痛を強いられる事となる。
今回の放射線治療の前にもこれら説明は 簡単に されており、虫歯治療をしてくるように言われ、妻も歯医者に行っている。
とても口の中は綺麗にしていた妻だったので、虫歯もなく、治療の必要は無かった。
この、顎骨壊死という副作用がある事に始まり、癌治療、放射線治療というものが、
単なる治療という考え方ではなく、
生きる力をギリギリまで削り落としながら癌を除去し、再生しようとする正常細胞との せめぎあい をしているのだと言うことをこの時初めて知ることになります。
また、この頃から
次の状況変化に対する治療の方法、
標準治療以外の可能性、
それらを調べた上での、改めての標準治療の有効性、なぜそれが標準治療となっているかの根拠
など、癌治療における様々な知識を得ようとし始めたタイミングでもありました。
情報源の先方への許可なども大変なため、全てをお伝えすることは出来ませんが、後の記事のなかで出来る限りお伝えして行こうかと思います。
それが、何処かでこの情報を必要としている誰かの手助けになれば…という想いも、このブログを始めた切っ掛けでもあるためです。
こうした準備を整えながら、
妻は、4月19日の放射線治療1回目を迎える事になります。